NautilusからType-Ahead検索パッチを削除する提案
「Ubuntu 17.10」にて、「Nautilus」からType-Ahead検索パッチを削除する提案が行われました。昨日行われたDesktop Teamのミーティング終盤で議論したのだが、Ubuntu 17.10でUbuntuのデフォルトのファイルマネージャーであるNautilusを3.20から3.24へアップデートしたい。
この新しいバージョンでは、以下のデザインの改善が行われている。
- 表示メニューがハンバーガーメニューに統合され、ツールバーからアイコン表示とリスト表示を切り替えられるようになった。
- ファイルリネームのバッチ処理が統合され、複数のファイルを選択してリネームできるようになった。
- ファイルの圧縮と展開機能が統合された
ただし残念な点が一つある。
数年前、NautilusはType-Ahead検索機能を削除した。
Ubuntuはその機能を存続させるため、パッチを適用している。
2017年4月にUbuntu 17.10の開発が始まった時、新しいバージョンのNautilusでこのパッチが動作しないなら、このパッチを速やかに削除するつもりだ。
このパッチはかなり強引に作られたパッチだ。
新しいNautilusで動作するようにパッチを修正したとしても、その後リリースされる新しいNautilusでは動作しなくなるだろう。
Nautilusは機能の改善を促進させるため、大幅なリファクタリング作業を行っているためである。
Nautilusの検索機能は、Ubuntuに初めてType-Aheadパッチを導入して以来、改善されてきている。
この検索機能をより良くするためにできることは、UnityにデフォルトでTrackerをインストールすることである。
本件の詳細は、以下を参照して欲しい。
Type-Ahead検索とは
Type-Ahead検索とは、現在表示しているフォルダー内から、ユーザーが入力したキーに該当するフォルダーやファイルをインクリメンタル検索する機能です。「Nuatilus」の途中のバージョンからこの機能が削除されました。
しかしこの機能を存続させるため、「Ubuntu 14.04」から「Ubuntu」では独自のパッチを適用し、今まで保守してきました。
「Nuatilus」のソースコードが大きく変化している状況もあり、このパッチを継続して保守していくことが困難になってきたとのことです。
また「Nuatilus」の新バージョンでは検索機能が改善され、Trackerとの組み合わせにより十分な検索機能が提供できると判断されました。
Trackerとは
「Tracker」とは、ファイルのメタデータを解析し、メタデータのデータベースを作成するソフトウェアです。アプリはこのデータベースへアクセスすることにより、ファイル名だけでなくファイルのメタデータからもファイルを検索できるようになります。
メタデータとは
メタデータとは、JPEGのEXIF情報やMP3のタグ情報など、そのファイルのコンテンツが持っている情報のことです。通常の検索では、ユーザーが入力した文字列にマッチするファイルやフォルダーを検索します。
メタデータを利用した検索ではそれに加え、コンテンツの情報も検索対象になります。
例えば音楽ファイルをアーティスト名で検索することができるようになります。