Fedora 24以降でSnapが利用可能に
「Fedora 24」以降で「Snap」が公式に利用可能になっています。Snapパッケージは従来のdebやrpmパッケージを置き換える新しいパッケージフォーマットです。
Snapは、従来のパッケージにはなかった環境の隔離やロールバックなど新しい機能や仕組みを提供し、従来よりも安全にそして簡単にバージョン管理が行えます。
snapを利用するには
「Fedora」で「Snap」を利用する方法です。1.snapdのインストール
snapを利用するには、まず「snapd」をインストールする必要があります。「snapd」は、Snapパッケージのパッケージ管理を行うデーモンです。
Snapパッケージを利用するには、まず「snapd」をインストールする必要があります。
「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo dnf install snapd
fedora24を利用している場合
「fedora24」を利用している場合、「snapd」をインストールしたら以下のコマンドを実行します。
sudo systemctl enable --now snapd.socket
2.snapパッケージのインストール
後は自分が利用したいsnapパッケージをインストールするだけです。snapパッケージのインストールは、以下のコマンドで行います。
sudo snap install パッケージ名
例えば「hello-world」をインストールするには、以下のコマンドを実行します。
sudo snap install hello-world
初めてsnapパッケージをインストールする場合は、coreパッケージも一緒にインストールされます。
3.ソフトウェアの実行
パッケージインストール後「hello-world」を実行すれば、「hello-world」と出力するソフトウェアが実行されます。
$ hello-world
Hello World!
Hello World!
実行可能ファイルは、「/var/lib/snapd/snap/bin/」に配置されています。
$ which hello-world
/var/lib/snapd/snap/bin/hello-world
「Ubuntu」では「/snap/bin」に配置されるので、パスが異なります。
Snapを勧める理由
snapは既存の(システムの)依存関係に縛られずアプリをユーザーに配布することができます。そのためユーザーは、ディストリビューションがデフォルトで提供しているアプリよりも新しいアプリを積極的に利用することができます。
またアプリの開発者次第ですが、アプリの開発者がsnapを採用し積極的にリリースを行っていくのであれば、ユーザーはディストリビューションのアップデートを待つことなく、アプリの開発者が直接配布するsnapパッケージを利用することで、アプリのリリース日に最新アプリを利用できます。
左側の「LibreOffice Calc」はSnap版の「LibreOffice Calc」であり、バージョンが「5.3.2.2」になっています。
右側の「LibreOffice Calc」は「Fedora 25」が提供する「LibreOffice Calc」であり、バージョンが「5.2.6.2」になっています。
このようにユーザーは、いち早く新しいバージョンのアプリを利用できます。
セキュリティー上の注意事項
snapには、ソフトウェアを隔離し、ソフトウェアがアクセスできる範囲に制限をかけ、セキュリティーを高める機能があります。この機能は「AppArmor」を利用して実現されています。
「Fedora」では「AppArmor」を採用しておらず、代わりに「SELinux」を採用しています。
現在snapは「SELinux」に対応していないため、本来snapに期待する一部のセキュリティー機能が利用できません。
snapdチームでは、「SELinux」対応の協力者を募集しています。