System76がWiFi(無線LAN)の不具合を修正
「System76」のエンジニアがWiFi(無線LAN)の不具合を修正し、うまくいけば「Ubuntu 17.04」で不具合の修正が反映されるでしょう。「System76」は、 10年以上に渡り「Ubuntu」プリインストールPCを製造しているメーカーです。
Linuxが動作する素晴らしいPCの製造を唯一の目的としており、エンジニアはハードウェアを動作させるのに必要な作業を行い、多くのオープンソースプロジェクトに貢献しています。
無線LANのトラブル
無線LAN周りのトラブルは、「Ubuntu」でわりと遭遇しやすいトラブルの一つでしょうか。頻繁に接続が切れる現象や、そもそもAPに繋がらない、認識すらしないなど様々なトラブルがあります。
さて今回修正の対象となったトラブルは、「Ubuntu」のインストーラーである「Ubiquity」に関する複数の不具合です。
この不具合は、PCの初回起動時に発生する問題と、「Ubuntu」のインストール時に発生する問題です。
1.PCの初回起動時、WiFiが動作しない
PCの初回起動時、WiFiが動作しない問題です。回避策としてPCを再起動するか、「WPA-supplicant」を再起動(sudo service network-manager restart)する方法があります。
不具合の詳細は、以下を参照してください。
「System76」が紹介している不具合の再現手順は、以下の内容です。
- UbuntuをOEMモードでインストールする
- エンドユーザー向けの設定作業を行う
- 電源OFF
- 電源ON
- ユーザーのセットアップ画面が表示される
- WiFiに接続もしくは接続せずユーザーアカウントのセットアップを行う
- ログインする
- AP一覧は表示されずWiFiが利用できない(ネットワークマネージャーが無線LANデバイスを認識しない)
原因は、「oem-config-firstboot」内で「systemctl isolate」により「wpa_supplicant」が終了させられているためとのことです。
「IgnoreOnIsolate=yes」をwpaに追加し、runlevelの切り替え時に「WPA-supplicant」を終了させない方法で修正されています。
2.WPA-Enterprisenネットワークに接続できない
もう一つの問題はインストーラーでAP接続時に、WPA-Enterprisenネットワークに接続できない問題です。この現象には問題が2つ含まれています。
不具合の詳細は、以下を参照してください。
pygobjectを使用しているPython製ソフトウェアでは、新しい機能を利用して「NMGtkWifiDialog」をspawnできず、SSIDの設定が行えません。
そのためダイアログが表示できず機能しなくなっているとのことです。
ダイアログとlibnmaで修正が行われています。