Windows 10 SでWSLは利用できるのか?
利用できません。「Windows Store」で提供されるすべてのアプリケーションが、「Windows 10 S」上で動作するとは限りません。
アプリの中には、「Windows 10 S」上で動作しないアプリがあります。
例えば、コマンドラインのアプリやシェル、コンソールは動作しません。
Windows 10 Sとは何か
数週間前にMicrosoftがアナウンスした新しいWindowsのエディションです。「Windows 10 S」は、「Windows 10 Pro」に特定の設定や機能を施したエディションです。
煩雑なPCの設定に時間を割きたくないユーザーや、手を煩わすことなく安全性や安定性を確保したいユーザーに向け、セキュリティーやパフォーマンスの最適化・合理化を行っています。
「Windows 10 S」は「Windows Store」で提供される限定されたアプリのみを利用可能にし、デフォルトのブラウザーであるMicrosoft Edgeでインターネットをブラウジングすることで安全性を確保しています。
こうすることでMicrosoftは、ユーザーのPCに影響を与える悪意あるソフトウェアから安全を確保し、予測可能な危険を回避し易くなり、結果としてユーザーのデータやリソースの保護につなげることができます。
そのため開発者などテクニカルユーザーを対象としたエディションではなく、主に学校での利用など教育機関をターゲットとしたエディションになります。
教育機関での利用であっても、開発目的でOSを利用する学生やクリエーターには向きません。
コンソールアプリは利用できない
コマンドラインのアプリは、悪意あるソフトウェアや意図しない動作を行うソフトウェアから「Windows 10 S」を保護する安全が確保された環境の外で動作します。従って「Windows 10 S」では、コマンドラインのアプリやWindowsコンソール、コマンドプロンプト(Cmd)、PowerShell、WSL(Ubuntu等WSL上で動作するLinuxディストリビューション含む)は利用できません。
Linuxディストリビューションは「Windows Store」経由で簡単にそして安全にインストールすることができますが、Linuxディストリビューションはコマンドラインツールとして扱われます。
そのためLinuxディストリビューションは、UWP(Modern Universal Windows Platform)が提供するサンドボックス及びセキュアなランタイム基盤の外で動作します。
これは「Windows 10 S」の目的(要件)を満たさないため、「Windows 10 S」でLinuxディストリビューションは利用できません。