Netplanの紹介とNetplanの基本
以前紹介したように、ネットワークの設定方法が「Netplan」に変わります。Netplanの基本が、以下にて紹介されています。
「NetworkManager」にネットワークインターフェースの管理を行ってもらう環境では、以下の内容の設定ファイルが配置されています。
# Let NetworkManager manage all devices on this system network: version: 2 renderer: NetworkManager
上記の設定ファイルでは、「NetworkManager」がシステムで唯一のネットワークレンダラーであり、すべてのネットワークインターフェースを「NetworkManager」が管理することを意味します。
OS起動時「Netplan」は上記の設定ファイルを読み込み、「/run/NetworkManager/conf.d/10-globally-managed-devices.conf」ファイルを生成します。
このファイルの中身は空です。
「NetworkManager」がネットワークの管理を行うため、ネットワークの設定画面からネットワークの各設定を行うことができます。
シンプルなネットワークの設定
シンプルなネットワークインターフェースの設定例です。PCに有線LANが1つ搭載されています。
network: version: 2 ethernets: eth0: dhcp4: true
この設定ファイルでは、ネットワークインターフェース「eth0」に対し、「DHCPv4」でIPアドレスを割り当てる設定を行っています。
「Netplan」では、「DHCPv6」や静的アドレスの割り当て、及びルーティングの指定もサポートしています
ちょっと複雑なネットワークの設定
ちょっと複雑なネットワークインターフェースの設定例です。PCに有線LANが2つ搭載されており、VLAN 108への接続を指定しています。
network: version: 2 ethernets: eth0: dhcp4: n eth1: mtu: 1280 dhcp4: n bonds: bond0: interfaces: - eth1 - eth0 mtu: 9000 vlans: bond0.108: link: bond0 id: 108
複雑なネットワーク構成でも、ネットワーク設定を簡潔に記述することができます。
Netplanとバックエンド
「Netplan」はネットワークの設定を抽象化する仕組みであり、実際にネットワークインターフェースを操作するのは、バックエンドの役割です。現状「Netplan」では、以下の2種類のバックエンドをサポートしています。
- NetworkManager
- systemd-networkd
バックエンドの指定を行わなかった場合、デフォルトでは「systemd-networkd」が使用されます。
しかし「systemd-networkd」は無線LANをサポートしていないため、現状無線LANをサポートするため「NetworkManager」に頼る必要があります。
さて「Netplan」は、ネットワークの設定を抽象化することで利用するバックエンドの違いを吸収し、どのバックエンドでも同じ設定方法(記述方法)が利用できるようになっています。
「Netplan」は、「renderer」プロパティーから各バックエンドが必要とする設定を生成するため、ユーザーが各バックエンドごとの設定方法を把握する必要がなくなります。
Netplanがサポートする機能
「Netplan」プロジェクトでは、機能の拡充に向けた作業が行われています。コア機能となる、ボンディングやブリッジ、仮想LAN、スタンドアロンのネットワークインターフェースのサポート、及び静的アドレスとDHCPによるアドレスの割り当てをサポートしています。
加えてボンディングやブリッジでは、よく利用される設定パラメーターもサポートしています。
今後はMACのクローニングのサポートや、ネットワークインターフェースの管理をもっとうまく扱えるようにするための仕組みが提供される予定です。
MaaSに関連する不具合の修正対応も行われています。