Ubuntu Desktop週刊ニュースレター(2017/7/14)
「Ubuntu Desktop」の週一ミーティングの要約と、「Ubuntu Desktop」ユーザー及び開発者の多くが関心を持つであろう情報が紹介されています。先週のUbuntu Desktop週刊ニュースレターは、以下を参照してください。
いくつか内容をピックアップします。
LightDMからGDMへ
ディスプレイマネージャーが「LightDM」から「GDM」に置き換えられました。開発チームでは、アップグレード時にユーザーがスムーズに「GDM」へ移行できるよう、移行作業を行っています。
また自動アップグレードテストも定期的に行っており、成果物の品質のチェックも行っています。
とは言えもし不具合を見つけたら、 不具合報告して欲しいとのことです。
デスクトップシードの整理
開発チームはデスクトップシードの整理を行い、70を超えるパッケージが整理対象になりました。これによりディスクイメージのスペース節約と、管理コストの削減につなげることができます。
端末の背景透過が動作するようになった
「Wayland」上で「端末」を利用する際、「端末」の背景の透過設定が動作するように修正されました。Snap版GNOMEアプリのパッケージング
Snap版gnome-3-24プラットフォームを利用し、より多くのGNOMEアプリをSnap化する作業が行われています。Snapのコンテンツインターフェースを利用することで、GNOMEアプリ間で共通して利用されるライブラリーを共有でき、アプリ自身のサイズを抑え、コアライブラリーのメンテナンスを一点で行えるようになります。
またそうすることで、すべてのSnapアプリがコアライブラリーを共有して利用することができます。
来週には、コアライブラリーの使い方ガイドやデモンストレーションが公開される予定です。
Snap版Libre Office 5.3.4がstable channelで利用可能に
フィードバックやテストを経て、Snap版「Libre Office 5.3.4」が「stable channel」で利用可能になりました。動画再生のハードウェアアクセラレーション対応
「gstreamer-vaapi」のハードウェアアクセラレーションに関する修正作業が行われています。また「Totem」で発生する描画が崩れる不具合の調査が行われ、その原因を「Clutter」の不具合にまで絞り込みました。
開発チームは、現在この不具合の修正作業を行っています。
4K H.265動画の再生
モダンなAtomチップ(Cherry Trail、Apollo Lake)及び低価格ノートブック向けBraswellチップにて、高熱になることなく4K H.265動画を再生できます。2ワットCPUでさえも再生が可能になりました。
ただ残念ながら、これらのチップを採用しているデバイスの多くは、低品質なスクリーンを搭載し、HDMI 2.0を搭載していません。
BluetoothとUSBスピーカーの音質改善
「Ubuntu 17.10」では、BluetoothとUSBスピーカーのサポートが大きく改善されます。例えば接続状況によって自動的にデバイスの切り替えが行われ、低品質なHSP/HFPプロファイルに代わり、高品質なA2DP Bluetoothプロファイルが選択されます。
ただしログイン画面でスクリーンリーダーを有効にしても、Bluetoothオーディオデバイスから音声を出力できない不具合があります。
これは「GDM」と「PulseAudio」の動作方法に起因する問題です。
一旦ログインしさえすれば、Bluetoothオーディオデバイスから音声を出力できるようになります。
スクリーンリーダーを必要としないユーザーはこの影響を受けませんし、ログインしさえすれば、A2DPプロファイルを利用できるようになります。
現在開発チームは、この問題の修正に取り組んでいます。