UbuntuセッションとGNOMEセッションでWaylandがデフォルトに
UbuntuセッションとGNOMEセッションでWaylandがデフォルトになります。この方針に伴い、「gnome-session」と「gdm」に以下の修正が行われました。
- gdm3 3.25.90.1-0ubuntu2 source package in Ubuntu
- gnome-session 3.24.1-0ubuntu22 source package in Ubuntu
ログイン画面のセッション選択メニューから「Ubuntu」や「GNOME」を選択すれば、 Waylandセッションでログインします。
一方「Ubuntu on Xorg」や「GNOME on Xorg」を選択すれば、従来通りXセッションでログインします。
XorgかWaylandか調べるには
現在のセッションがXかWaylandか調べるには、「$XDG_SESSION_TYPE」環境変数を出力します。「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
echo $XDG_SESSION_TYPE
Waylandなら「wayland」と出力されます。
Xorgなら「X11」と出力されます。
rootで起動するのアプリが動作しない(Waylandのみ)
pkexecを利用するなどrootで起動するGUIアプリケーションのいくつかは、Waylandと互換性がないため動作しません。そのようなアプリを起動しようとしても、以下のようにエラーになります。
またsudoでも起動しません。
Waylandでは、このようなGUIアプリケーションと互換性がありません。
pkexecを利用しているアプリケーションをWaylandで利用できるようにするためには、pkexecからpolkitへ移行する必要があります。
これにより影響を受けるよく知られたアプリとしては、「synaptic」、「gparted」、「ubiquity」が挙げられます。
「ubiquity」は「Ubuntu」のインストーラーのことです。
polkitへの移行予定無し
少なくとも今現在、「Ubuntu 17.10」に向けてこれらのアプリケーションをpolkitへ移行させる計画はありません。しかしこのままだと「ubiquity」が起動できないため、Ubuntuのインストーラーが利用できなくなります。
ライブセッションはXorgで動作
「ubiquity」を利用できるようにするため、ライブセッション(ライブメディアから起動したUbuntu)は、Xセッションで動作します。回避策はある
回避策はあります。ただし根本的な解決策ではなく、一時しのぎであることに留意してください。
「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
xhost si:localuser:root
このコマンドは、ログアウトするまで有効です。
ログアウトすれば、元に戻ります。
後はいつも通りにアプリを起動してください。
元に戻すには、以下のコマンドを実行します。
xhost -si:localuser:root
Xセッションを利用するという手も
Waylandがデフォルトになりましたが、それは必ずしもWaylandを利用しなければならないという意味ではありません。従来通りXセッションを利用するのも一つの手です。