Ubuntu Desktop 32bit版のディスクイメージはリリースされない
「Ubuntu 17.10」では、「Ubuntu Desktop 32bit版(x86/i386)」のディスクイメージがリリースされなくなります。以前から「Ubuntu Desktop 32bit版」の提供終了に向けた議論が行われてきました。
いきなり「Ubuntu Desktop 32bit版」の提供を終了するには影響が大きいため、
まずは「Ubuntu Desktop 32bit版」の新規インストールユーザー数を減らしていこうという提案が出されました。
そして「Ubuntu 17.10」では、「Ubuntu Desktop 32bit版」のディスクイメージのリリースが行われなくなります。
現在Ubuntuは様々なインストールメディアを提供している。
- SnappyアーキテクチャーのUbuntu Coreイメージ
- クラウドイメージ
- コンテナイメージ
- サーバーsubiquityイメージ及びISO
- サーバークラシックイメージ及びISO
- ライブデスクトップ
- Netinst
- 特定のボード向けビルド
i386アーキテクチャーを取り巻く状況は変化している。
i386はもはやデフォルトのアーキテクチャーとして提供されておらず、伝統的なフォームファクターであるデスクトップ、ノートPC、ラックサーバーにおいてi386は、広く利用さているアーキテクチャーではない。
一方でi386は、特定の目的や分野で利用されるアーキテクチャーになっている。
過去に組み込みデバイスと呼ばれていたデバイス、今日それはIoTと呼ばれているが、ある特定の目的を実現するデバイスや、クラウド及びコンテナのゲストアーキテクチャーで利用されるアーキテクチャーとなっている。
Ubuntuのウェブサイトのダウンロードページでは、デスクトップやサーバー及びクラウド向けi386イメージを前面に出すことを止めている。
従ってi386アーキテクチャーの提供範囲の見直しを提案したい。
引き続きi386アーキテクチャーを提供する
- Ubuntuアーカイブ(セキュリティーアップデートも含む)
- SnappyアーキテクチャーのUbuntu Coreイメージ
- クラウドイメージ
- コンテナイメージ
- サーバーsubiquityイメージ及びISO
- Netinst
i386アーキテクチャーの提供をやめる
- サーバークラシックイメージ及びISO
- ライブデスクトップ
適用は最終βから
「Ubuntu Desktop 32bit版(x86/i386)」のディスクイメージである「ubuntu-desktop-i386.iso」は、最終βから提供されなくなります。もうすぐ「Ubuntu 17.10 最終β」がリリースされますが、最終β含め今後のバージョンでも「Ubuntu Desktop 32bit版(x86/i386)」のディスクイメージは提供されなくなります。
既存のユーザーへの影響
既存のユーザーへの影響はありません。引き続きサポートが行われる
「Ubuntu Desktop 64bit版」同様に、セキュリティーアップデートの提供等「Ubuntu Desktop 32bit版」のサポートは引き続き行われます。この点に関し影響はありません。
アップグレードもサポートされる
以前のバージョンから「Ubuntu Desktop 17.10 32bit版」へのアップグレードもサポートされるため、32bit版ユーザーは「Ubuntu Desktop 17.10 32bit版」へアップグレード可能です。「Ubuntu Desktop 18.04 32bit版」へのアップグレードもサポートされる予定です。
パッケージは削除されない
32bit版のパッケージは削除されず、引き続き提供されます。そのため既存の使い勝手から何か変わることはありません。
フレーバーはどうなる?
「Xubuntu」や「Lubuntu」等「Ubuntu」のフレーバーは、各フレーバーの開発チームに判断が委ねられています。各フレーバーの開発チームが、32bit版ディスクイメージの提供の有無に関し判断することになります。
今回の決定が直接フレーバーに影響を及ぼすことはありません。
すでに多くのユーザーが64bit版を利用か
以前「OMG! Ubuntu!」で行われたアンケートでは、「Ubuntu 64bit版」を利用しているユーザーが9割を超える結果となっています。64bitのハードウェアが市場にリリースされてもう何年も経っていますが、今回の判断を契機に、モダンなハードウェア上で快適に動作するOSは、32bit版の提供中止に拍車がかかるかもしれませんね。