Linux Mint KDE Editionが最後のリリースに
「Linux Mint KDE Edition」は、「Linux Mint 18.3 KDE Edition」が最後のリリースになる予定です。ご存知の通り「Linux Mint 18.x」は「Ubuntu 16.04.x」がベースになっています。
Ubuntu 16.04(Kubuntu 16.04)が提供しているKDE Plasma 5の品質が不十分であり、Linux Mint 18 KDE EditionではKubuntuチームが提供するバックポートPPAの導入が必要になった。
アップストリームのKDEプロジェクトによる急速なKDE開発の進展は非常に挑戦的であるが、それに追従していくことは困難なことである。
しかしKubuntuチームは安定したアップデートを提供するために取り組み、そしてそれを我々に提供してくれた。
おかげで我々は素晴らしいLinux Mint 18 KDE Editionを提供できるようになった。
Kubuntuチームの取り組みなしに、これを成し得たとは考えられない。
KDEは素晴らしいデスクトップ環境であるが、我々とは別世界で進化していくものである。
我々が焦点をあてているものや我々自身とは離れて進化していく。
KDEのアプリやエコシステム、KDEを支えるQtツールキットと我々の取り組みとは、共通点が非常に少ない。
我々はただアップストリームのソフトウェアを採用し、リリースし、配布しているのではない。
我々は完全なデスクトップOSを提供するチームなのである。
デスクトップOSにソリューションを統合し、デスクトップOSに足りないものを開発し、そしてデスクトップOSに完全に調和していないものを調整し適合させ、完全なデスクトップOSを目指し数々の取り組みを行ってきた。
その取り組みは、我々自身が開発・提供するCinnamonデスクトップ環境だけでなく、MATEやXfceなど類似した環境をサポートするため、特定のデスクトップ環境に依存しないフレームワークを開発するなど、他のプロジェクトが提供するデスクトップ環境に対しても行ってきた。
XedやBlueberry、Mintlocale、そしてSlick Greeterのようなツールの開発など、我々の取り組みの成果は、Cinnamon、MATE及びXfceに取り込まれている。
しかし残念ながら、そこにKDEは含まれない。
Linux Mint 18 KDE Editionを利用しているユーザーは、Linux Mint 19にKDEをインストールし、そして引き続きKubuntuチームが提供するバックポートPPAを利用できると確信している。
ユーザーはMintソフトウェアをKubuntu自身に移植することもできる。
もしかしたらユーザーは、ちょっとした安定性と引き換えに、Archのようなアップストリームの最新版を積極的に提供するディストリビューションに移行したいと思うかも知れない。
我々の目標は、Linux市場のより大きな分野を取り入れるため、可能な限り多様化していくことではない。
Linux Mint KDE Editionの提供を止めることに一抹の寂しさもある。
我々は我々がうまく取り組めることに注力し、それを行うことでより良いものを提供していきたいと強く考えている。
KDEは素晴らしいが、我々が注力する環境ではないのだ。
「Linux Mint KDE Edition」のユーザーは継続的に「Linux Mint KDE Edition」を利用できますが、「Linux Mint KDE Edition」は「Linux Mint」開発チームの手から離れることになります。
次のメジャーバージョンである「Linux Mint 19」は「Ubuntu 18.04」がベースになる予定ですが、「Linux Mint KDE Edition」は「Linux Mint」ならではの”色”や取り組みそしてその成果に与れなくなります。
インストール用のディスクイメージもなくなるので、クリーンインストールの手間も増えるでしょう。
「KDE」を継続的に利用したいユーザーは、「Kubuntu」や「KDE Neon」など、「KDE」を採用する他のディストリビューションへの移行を検討したほうが良いかも知れません。