Unity 7のフレーバー化に向けて
「Unity」ユーザーに朗報です。以前「Unity7」を存続させるため、協力者の募集が行われるという内容を紹介しました。
今回はその話の続きです。
最初の目標を達成
最初の主な目標は、「Ubuntu 18.04」でも「Unityセッション」を提供することでした。これを実現するには「Unityセッション」の品質をテストする必要があり、コミュニティーに対してテストの協力が呼びかけられました。
結果多くの協力者(コミュニティー)によるテストが行われ、無事この目標は達成されました。
つまり「Ubuntu 18.04」でも引き続き「Unityセッション」を利用し、「Unity 7」を利用することができます。
「Unity 7」は「Ubuntu 17.10」と同じように「universe」に配置されます。
このまま特に変更がなければ、「Unity 7」のインストール方法は「Ubuntu 17.10」と同じインストール方法になるでしょう。
「Unity 7」のインストール方法は、以下を参照してください。
Unity 7の継続的なメンテナンス
「Unity 7」は、コミュニティーによって継続的にメンテナンスしていく必要があります。これは「Unity 7」の構造に詳しいコミュニティーメンバーとチームリーダーであるKhurshid氏の後ろ盾により実現していきます。
次の目標
次の目標は「Ubuntu 16.04」ユーザーが「Ubuntu 18.04」でも安心して「Unity 7」を利用できるよう、安定した「Unity 7」を提供することです。そしてフレーバー化に向けた作業です。
フレーバー化に協力
「Ubuntu MATE」のリーダーであり「Canonical」の社員でもあるMartin Wimpress氏がフレーバー化に協力する姿勢を示しています。「Ubuntu MATE」は「Ubuntu 15.04」から「Ubuntu」のフレーバーになりました。
氏はその過程で得たノウハウを提供したいとのことです。
同様に「Canonical」のソフトウェアエンジニアであるMarco Trevisan氏もフレーバー化に協力する姿勢を示しています。
フレーバー化は正しい道筋である
「Ubuntu Desktop」のマネージャーであり「Canonical」の社員でもあるWill Cooke氏は、個人的な意見だが「Unity 7」を「Ubuntu」の公式フレーバーにするという目標は正しい道筋である、との見解を示しています。「Ubuntu」の公式フレーバーになることで「Ubuntu」のインフラを活用することができ、管理コストや各プロセスにかかるコストを削減できます。
法的な課題
「Ubuntu」や「Unity」という言葉やロゴは「Canonical」の商標(知的財産)であり、勝手に使用することができません。これらの言葉を用いるなら、「Canonical」から許可を取る必要があります。
そして「Canonical」の協力により、商標の利用が認められました。
- UbuntuをベースにしたUnity 7 Remix ISOと名乗ること
- Ubuntuという名称やロゴを継続的に使用すること
- そしてそれを含むソフトウェアを配布すること
もちろんこれらの許可は、フレーバー化に向けた一過程に過ぎません。
フレーバー化の許可とは別の許可です。
またライセンスの内容は機密文書であり、具体的な内容は公開されません。
もしそうすれば、ライセンスが無効になるでしょう。
またコミュニティーベースになったからといって、勝手にロゴを変更するといったこともできません。
さて法的な課題の解消により、「Ubuntu Unity Remix(仮称)」を作成し合法的に配布できるようになりました。
加えて「ubuntu-unity-amd64.iso(仮称)」ディスクイメージを作成できるようになりました。
さらに「Ubuntu Unity Remix(仮称)」は「Ubuntu」をベースにしていると名乗り、これは「Unity 7 Desktop Experience」である、という表現が使用できるようになりました。
フレーバーとRemix
上記の「Remix」とは、フレーバーの1つ前の段階のことです。「Ubuntu GNOME」も「Ubuntu Budige」も「Ubuntu MATE」もフレーバーになる前は「Remix」を名乗りディスクイメージをリリースしていました。
フレーバーになるための実績作りの段階、といったところでしょうか。
次の目標に向けて
次の目標に向けて活動が行われています。1.ディスクイメージのビルドに関する提案募集
「Ubuntu Unity Remix」はフレーバーではないため、「Ubuntu」のインフラを利用できません。ディスクイメージのビルドも2週間に1度程度の頻度になるかも知れません。
またディスクイメージを配置するサーバーの容量の関係から、約1.2GB程度に抑える必要があります。
そこで効果的にディスクイメージをビルドするにはどうすれば良いか、以下で提案を募集しています。
2.ログイン画面のデザインに関する提案募集
以下でログイン画面のデザインに関する提案の募集が行われています。3.ディストリビューション名の提案募集
以下でディストリビューション名の提案が募集されています。「Ubuntu Unity」が有力候補になっています。
具体的な計画はまだこれから
具体的な計画やスケジュールは決まっていません。今後明らかになっていくでしょう。