ユーザーの環境に関する情報を提供するオプションの追加検討
「Ubuntu」開発チームは、開発の取り組みをユーザーにとって最も重要な課題や期待に注力させるため、ユーザーの環境に関する情報を提供するオプションの追加を検討しています。ユーザーにとって何が重要か?
開発の取り組みを注力させるといっても、対象や目標が不明瞭なままでは、効果的な取り組みは行なえません。その判断の精度を高めるためには、ユーザーの環境に関するより多くの情報を、ユーザーから提供してもらう必要があります。
ユーザーの環境に関する情報の収集
ユーザーのソフトウェアの利用状況や、ハードウェア環境に関する情報の収集が検討されています。これらはユーザーの同意を前提としています。
同意・不同意の選択
インストーラーに「Ubuntuを改善するため、診断情報を送信する」のようなチェックボックスを設け、ここでユーザーに同意・不同意を選択してもらいます。このチェックボックスはデフォルトでオンになっていますが、オフ(同意しない)にすることも可能です。
もちろんこれらの情報から、ユーザー個人を特定することはありません。
またIPに関する情報も保存されません。
設定のプライバシーから変更可能
本件の情報収集に関する設定は、後で「設定(GNOME Settings)」の「プライバシー」から変更することも可能です。1.インストール時の情報
ユーザーの同意が得られているならば「Ubuntu」インストール時に以下の情報が収集され、「Canonical」のISチームが運営するサービスにHTTPS経由でデータが送信されます。データの送信は、インストールした「Ubuntu」起動後、初めてネットワークに接続された時に一度だけ行われます。
- Ubuntuの種類(フレーバー)
- Ubuntuのバージョン
- ネットワークの接続性チェックの利用状況
- 自動ログインの利用状況
- インストールにかかった時間
- インストール時に選択されたディスクレイアウト
- CPUファミリー
- RAM
- ディスクサイズ
- スクリーン解像度
- GPUのベンダーとモデル
- OEMの情報(メーカー名など)
- 場所(インストール時に選択された場所に基づく情報です。IPに関する情報は収集されません。)
- サードパーティー製のソフトウェアをインストールする機能の利用状況
- インストール中にアップデートをダウンロードする機能の利用状況
- ライブパッチの利用状況
2.ソフトウェアの利用状況
「Popcon」が自動的にインストールされ、ソフトウェア(パッケージ)の利用状況を収集します。この情報はユーザーにとって価値の高いソフトウェアを区別するために使用され、価値の高いソフトウェアへの取り組みに焦点をあてます。
3.クラッシュレポートの自動送信
「Apport」により生成されたクラッシュレポートが、匿名で自動的に送信されるようになります。今まではソフトウェアがクラッシュするなど問題が発生すると、以下のような通知が表示されていました。
このような通知なしに自動的にクラッシュレポートが送信されるようになります。
統計データが公開される
収集された情報から統計データが作成され、これらの統計データが公開される予定です。統計データにより、例えば国別の「Ubuntu」ユーザー数の割合や、DELL製PCで「Ubuntu」を利用しているユーザー数の割合といった情報を提供できるようになります。
具体的にどのような統計データが公開されるのかは、まだ明らかになっていません。