次期バージョンでmail-stack-deliveryの削除へ
「mail-stack-delivery」パッケージが利用できるのは、「Ubuntu 18.04」が最後になりそうです。「Ubuntu 18.04」はすでに「Feature Freeze」を迎えており、次期バージョンである「Ubuntu 18.10」で「mail-stack-delivery」パッケージの削除が予定されています。
mail-stack-delivery
「dovecot」の一部として提供されている「mail-stack-delivery」パッケージは、メールサーバーのセットアップの簡略化を目的に、2002年に作成されたパッケージです。例えばデフォルトでSSLによる保護が行われるように設定を行います。
このパッケージは主に、パッケージのインストール時に実行される「postinst」スクリプトで設定のセットアップを行います。
ほとんど利用されていない
「mail-stack-delivery」パッケージは「main」に配置されていますが、ここのところほとんど利用されておらず、メンテンナスコスト面で余計な負債になっています。またセットアップで行われる設定も、時代遅れになっています。
例えば「mail-stack-delivery」パッケージが推奨する暗号化方式は、今の時代に合わない方式です。
加えて、本パッケージは以下のような状況にあります。
- SSLによる暗号化は「dovecot-core」でデフォルトになった
- 一般的にユーザー自身のメールサーバーの構築は、それほど魅力的ではなくなった
- ユーザーがメールサーバーを構築する際、「Mail-in-a-Box」などしばしば他のサービスを検討する
Ubuntu 18.10で削除予定
上記の状況を鑑みて、「Ubuntu 18.10」で「mail-stack-delivery」パッケージの削除が予定されています。もしコミュニティーがメンテナンスを行うならば、「universe」に移し継続的にパッケージを提供することも可能です。