Kubuntu 18.04の新機能や変更点をピックアップ
「Kubuntu 18.04」の新機能や変更点を紹介します。1.サポート期間
「Kubuntu 18.04」のサポート期間は3年です。2021年4月までサポートが提供されます。
2.KDE Plasma 5.12 LTSの採用
デスクトップ環境に「KDE Plasma 5.12 LTS」シリーズを採用しました。「KDE Plasma 5.12 LTS」シリーズは現時点で最新版のシリーズです。
動作により磨きがかかり、セットアップの親しみやすさが増しています。
また暗号化フォルダーの作成や管理を行う「Plasma Vault」がデスクトップ環境に綺麗に統合されており、違和感なく暗号化フォルダーが利用できるようになりました。
3.デフォルトのテーマの変更
「Plasma」のデフォルトのテーマが「Breeze Dark」をベースとした「Kubuntu」に変更されました。ただし多くのアプリケーションでは、デスクトップとのより良い統合を実現するため、明るい色の「Breeze」テーマが採用されています。
デスクトップテーマに「Kubuntu」が追加され、KDEのデフォルトの「Breeze Light」や「Breeze Dark」と簡単に切り替えながら比較や利用ができるようになりました。
4.デフォルト設定の変更
ファイルを開く時の動作がマウスのシングルクリックからダブルクリックに変更されました。必要ならマウスの設定からシングルクリックに戻せます。
デスクトップ検索及びファイルのインデックスを行う「Baloo」は、ファイルコンテンツを対象としない基本的なインデックスのみ行うようにデフォルトの設定が変更されました。
5.最小インストールサポート
「Kubuntu」の最小インストールがサポートされました。以下のアプリがインストールされなくなります。
- KDE PIM applications
- Libreoffice
- Cantata
- mpd
- 一部のインターネット関連のアプリ
- 一部のマルチメディアアプリ
完全な「Plasma Desktop」環境、基本的なアプリとユーティリティーはインストールされます。
また「Firefox」と「VLC」もインストールされます。
6.Plasma DiscoverのSnapサポート
「Plasma Discover」で「Snap」のサポートを利用できますが、サポートに必要なソフトウェアがデフォルトではインストールされないため、必要なら別途インストールする必要があります。「Snap」のサポートを利用してみたい、あるいはテストしてみたいユーザーは、「plasma-discover-snap-backend」パッケージをインストールしてください。
また利用におけるフィードバックを募集しています。
フィードバックは「Kubuntu 18.04」のポイントリリースで「Snap」のサポートをデフォルトで含めるかどうかの判断材料に利用されます。
7.Plasma Waylandセッション
テスト向けにPlasma Waylandセッションが利用可能です。Plasma Waylandセッションを利用するには、「plasma-workspace-wayland」パッケージをインストールしてください。
その後ログイン画面からPlasma Waylandセッションを選択してください。
ただしPlasma Waylandセッションは、「Kubuntu 18.04」でサポート対象になっておらず、あくまでテスト向けである点に留意ください。
アプリケーションに関する情報
アプリケーションに関する情報です。1.KDE Applications 17.12の採用
KDEアプリケーションは、「KDE Applications 17.12」シリーズを採用しました。「KDE Applications 17.12.3」は不具合の修正や翻訳のアップデートが行われています。
ディスクイメージに含まれているすべてのKDEアプリケーションは、「KDE Frameworks 5」に移植されています。
2.公式リポジトリーから利用可能になった新しいKDEアプリ
以下のKDEアプリが新たに「Ubuntu」の公式リポジトリーから利用可能になりました。アプリ | 概要 |
---|---|
latte-dock 0.7.4 | ドックタイプのアプリケーションランチャー |
Falkon | ウェブブラウザー(旧名:QupZilla) |
kio-gdrive | KIOに対応したアプリ(Dolphin/Kate/Gwenviewなど)から Google Driveのファイルにアクセスしたり編集可能にするソフト |
peruse | コミックリーダー |
3.アップデートされたアプリ
以下のアプリがアップデートされました。アプリ | 概要 |
---|---|
Krita 4.0.1 | 画像編集アプリ |
Kstars 2.9.4 | プラネタリウムアプリ |
Amarok 2.90 | 音楽プレーヤー |
KDEConnect 1.3.0 | モバイルデバイスと接続するソフト |
4.デフォルトのアプリ
デフォルトのブラウザーに「Firefox 59」を採用しています。デフォルトのオフィススィートに「LibreOffice 6.0」を採用しています。
「LibreOffice 6.0」は通常インストール時のみインストールされます。
Kubuntu 16.04ユーザー向けの情報
「Kubuntu 16.04」ユーザー向けの情報です。1.デフォルトのメディアプレーヤーの変更
デフォルトのメディアプレーヤーが 「Dragonplayer」から「VLC」に変わりました。2.Muon Package Managerの採用
「Plasma Discover」の代替として利用できる「Muon package manager」がデフォルトでインストールされるようになりました。3.KTorrentのアップデート
「KTorrent」が「Qt5/KF5 (バージョン5.1)」にアップデートされました。4.デフォルトの音楽プレーヤーの変更
デフォルトの音楽プレーヤーがKDE4ベースの「Amarok」からQt5ベースの「Cantata」に変わりました。「Cantata」は「Music Player Daemon」のフロントエンドであるため、設定や利用に戸惑う場面があるかも知れません。
初回起動時設定ウィザードが起動します。
「基本シングルユーザーセットアップ」が多くのユーザーにおすすめです。
5.Telepathyがデフォルトのインストールから外された
インスタントメッセンジャーの「Telepathy」がデフォルトのインストールから外されました。これはアップストリームですでにメンテナンスが行われておらず、不具合が残ったままになっているためです。
必要なら後からインストールすることは可能です。
6.ホームディレクトリーの暗号化の非サポート
インストーラーは「ecryptfs-utils」を利用したホームディレクトリーの暗号化をサポートしなくなりました。暗号化が必要なら、ディスクの暗号化を利用してください。
既知の問題
既知の問題の紹介です。1.KDEシステム設定のサブカテゴリーの最初の項目名が正しく表示されない
「KDEシステム設定」のサブカテゴリーの最初の項目名が正しく表示されません。2.OpenJDK Java 11 Policy Kitがメニューに表示される
非推奨になった「OpenJDK Java 11 Policy Kit」がランチャーなどのメニューに表示されますが、このツールは利用できません。3.Apport-kdeがクラッシュする
「Apport-kde」がバグレポート時にクラッシュします。4.地域とタイムゾーンの設定がキーボードレイアウトに反映されない
インストール時の地域とタイムゾーンの設定がキーボードレイアウトの自動選択に反映されません。Ubuntuの変更点や既知の問題
「Linux kernel」などコアコンポーネントは「Ubuntu」と共有しています。共有部分の変更点や既知の問題は、「Ubuntu」の変更点や既知の問題を参考にしてください。