Ubuntu Touch OTA-4リリース
2018年8月26日、「Ubuntu Touch OTA-4」がリリースされました。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けに最適化されたOSです。「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースのOSであり、「UBports」コミュニティーにより開発が行われています。
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。
つまり1つのモバイルデバイスで、モバイル環境とデスクトップ環境を利用することができます。
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。
Ubuntu 16.04 LTSベース
「Ubuntu Touch OTA-4」は初の「Ubuntu 16.04 LTS」ベースの「Ubuntu Touch」です。以前の「Ubuntu Touch」は、すでにサポートが切れている「Ubuntu 15.04」ベースの「Ubuntu Touch」でした。
またこれに伴い「Ubuntu Touch」のGUIを支える「Qt」のバージョンが、「Qt 5.4」から「Qt 5.9」へアップデートされています。
Ubuntu Touch OTA-3から自動的アップグレードされない
「Ubuntu Touch OTA-3」から「Ubuntu Touch OTA-4」へ自動的にアップグレードされることはありません。これは「Ubuntu Touch OTA-4」のリリースに間に合わなかった不具合がいくつかあるためです。
「Ubuntu Touch OTA-4」へアップグレードしたいユーザーは、手動でアップグレードする必要があります。
また「Ubuntu Touch OTA-5」では、これら修正が間に合わなかった不具合が解消される予定です。
「Ubuntu Touch OTA-5」リリース後、自動的なアップグレードが提供される予定です。
Ubuntu Touch OTA-4の新機能と変更点
「Ubuntu Touch OTA-4」の新機能と変更点です。1.不具合の修正
「Ubuntu Touch OTA-4」では非常に多くの不具合が修正されています。多くの問題は「Ubuntu 15.04」から「Ubuntu 16.04」への移行に伴う問題でした。
2.新しいキーボードレイアウトのサポート
以下の新しいキーボードレイアウトがサポートがされました。- Turkish
- Bulgarian
- Swiss-French
3.Qtのアップデートとパフォーマンスの改善
「Qt」が「Qt 5.4」から「Qt 5.9」へアップデートされ、パフォーマンスが改善されています。4.Libertine Container Managerの追加
「Settings(設定)」 に「Libertine Container Manager」が追加されました。ただし「Libertine Container Manager」は、試験的な提供です。
またこれに付随するスコープもプリインストールされています。
5.新しい省電力機能の採用
新しい省電力機能が追加されました。6.新しいアップグレードウィザードの採用
デバイスのアップグレードウィザードを手助けする新しいアップグレードウィザードが採用されました。7.セキュリティーアップデート
現在もサポートが提供されている「Ubuntu 16.04」に移行したため、多くのセキュリティーアップデートを受け取れるようになりました。8.一貫性のあるリリース番号
「devel」及び「rc」チャンネルから提供されるOSのリリース番号がすべてのデバイスで統一されました。OSのリリース番号は、以下から確認できます。
「Settings」 -> 「About」 -> 「OS」 -> 「OS Build Number」
既知の問題
既知の問題です。1.ウェブブラウザーが不安定
プリインストールされているウェブブラウザーは不安定です。使用中クラッシュするなど問題が発生する場合は、「OpenStore」から「WebBrowser Next」をインストールし、新しいウェブブラウザーを試してみてください。
「Ubuntu Touch OTA-5」では既存のウェブブラウザーが、新しいウェブブラウザーに置き換えられる予定です。
2.Nexus 5に関する問題
「Nexus 5」のカメラアプリで写真を取ると、アプリがフリーズします。また動画の撮影は機能しません。
3.OTA-4で動作しないアプリ
既存のいくつかのアプリはまだ「Ubuntu 16.04」ベースの「Ubuntu Touch」へ移植されていません。現在利用しているアプリが「Ubuntu Touch OTA-4」で利用できるかどうか調べるには、「OpenStore」を開いて「More Filters」をクリックし、「Channnel」で「Xenial」を選択してください。
これで「Ubuntu Touch OTA-4」で利用可能なアプリのみが表示されるようになります。
後はアプリを検索し、ヒットするかどうか確認してください。
Ubuntu Touch OTA-4のインストール方法
「Ubuntu Touch OTA-4」のインストール方法です。1.Ubuntu Touchが動作していないデバイスを所有している場合
「Ubuntu Touch」が動作していないデバイスを所有している場合、まず以下で「Ubuntu Touch」が利用できるデバイスかどうか調べてください。「Ubuntu Touch」が利用できるデバイスだった場合、上記の各デバイスのリンク先に「Ubuntu Touch」のインストール方法が紹介されています。
「Ubuntu Touch」のインストール時、チャンネル選択画面で「16.04/stable」を選択してください。
2.Ubuntu Touchが動作しているデバイスを所有している場合
すでに「Ubuntu Touch OTA-3」が動作しているデバイスを所有している場合、「UBports Installer」を利用して「Ubuntu Touch OTA-4」へアップグレードします。インストーラーのチャンネル選択画面では、「16.04/stable」を選択してください。
また「Wipe」設定がオフ(チェックなし)になっていることを確認してください。
詳細は以下を参照してください。
15.04/devel及び15.04/RCチャンネルを利用している場合
「15.04/devel」及び「15.04/RC」チャンネルを利用している場合、2018年9月3日以降にデバイスからアップデートを実行すると、「OTA-4」にアップグレードされます。チャンネルは、例えば「15.04/RC」を利用している場合、「16.04/RC」に設定されます。
すでにチャンネルが「16.04/devel」や「16.04/RC」になっている場合、「OTA-4」になっています。
開発者向けの新機能と変更点
開発者向けの新機能と変更点です。1.アプリのリビルドを
埋め込みライブラリーやC++プラグインなど、コンパイル済みのコンポーネントを含んでいるすべてのアプリは、「Ubuntu Touch OTA-4」上で動作させるためにリビルドする必要があります。詳細は以下を参照してください。
2.QtWebEngineの追加
イメージに「QtWebEngine」が追加されました。従来の「Ubuntu.Web.*」を利用しているアプリの開発者は、これに相当する「QtWebEngine」への移行を検討してください。
「Ubuntu.Web.*」のラッパーが提供される予定ですが、直接「QtWebEngine」を利用する方法が推奨されます。