MicrosoftがOpen Invention Networkに参加
2018年10月10日、「Microsoft」は「Open Invention Network(OIN)」への参加をアナウンスしました。Open Invention Network(OIN)
「OIN」は、Linux及びオープンソースソフトウェアを特許リスクから保護する取り組みを行っているコミュニティーです。過去10年間オープンソースの開発者が特許訴訟で訴えられるケースが増加傾向にあり、これに対する防衛策を構築する必要性が出てきました。
「OIN」はこのような脅威からLinuxの保護を目的とし、自衛のための共有パテントプールを提供します。
パテントプールとは、特許を持つ企業や組織及び個人、そしてその特許の集合体であり、ライセンス締結の支援を「OIN」が主体的に行います。
「OIN」は2005年に設立され、「Google」「IBM」「NEC」「Philips」「Red Hat」「Sony」「SUSE」「Toyota」 といった大企業の後ろ盾を得ています。
現在約2,650社のライセンスプラットフォームを提供しています。
「OIN」は、「Linux」や「GNU」、「Android」、そしてLinux関連のソフトウェアを開発するプロジェクトや開発者の参加を歓迎しており、ロイヤリティーフリーのライセンスの締結を支援しています。
Microsoftとオープンソース
過去の「Microsoft」にとってオープンソースは相容れない文化でした。過去「Microsoft」はオープンソースコミュニティーと特許に絡む問題で争うなど、オープンソースコミュニティーと軋轢を生んでいました。
しかし「Microsoft」は変わりました。
「Microsoft」は、顧客や開発者の意見を聞く企業として、そしてLinuxや様々なオープンソースソフトウェアに貢献する企業として、「OIN」への参加が次の取り組みのステップとなることを望んでいます。
また「Microsoft」が「OIN」へ参加することが呼び水となり、より多くの企業が「OIN」へ参加する契機になることを願っています。
OINに6万件を超える特許をもたらす
「Microsoft」は「OIN」に6万件を超える特許を提示しました。開発者はロイヤリティーフリーでライセンスを締結し、それらの特許を利用することができます。
これは特許自体がなくなとか、特許のライセンス(利用条件)がGPLみたいになるとか、特許を自由にそしてほぼ無制限に利用できるとか、そういうことではありません。
特許が持つ本質は変わりません。
ライセンスの範囲内において、費用を支払わずに特許を利用でき、特許訴訟を回避することができます。