3台のマシンまで無料でESMが利用可能に
2019年11月5日、「Canonical」は「ESM」を含む「Ubuntu Advantage for Infrastructure(Essential)」を無料で提供するとのアナウンスを行いました。「Canonical」は「Ubuntu」向けに有償サポートサービスである「Ubuntu Advantage」を展開しています。
そのサポートの内容の1つに「ESM」があります。
ESMによる3年間の延長サポート
「ESM」は「Canonical」が提供する延長サポートサービスです。「ESM」を利用することでさらに3年間の延長サポートが受けられます。
つまり2022年4月まで延長サポートが提供されます。
延長サポートでは「Ubuntu」の「main」に配置されている最も幅広く利用されているパッケージに対し、優先度の高い脆弱性に対応したセキュリティーアップデートを継続的に提供します。
企業は延長サポートを利用することで、サポート中の「Ubuntu」にアップグレードする前に、以降準備や移行後の確認など移行作業に十分な余裕をもたせることができます。
3台のマシンまで無料でESMを利用可能
「Ubuntu One」のアカウントを取得しサインインすれば、3台のマシンまで無料で「ESM」を利用可能な「Ubuntu Advantage for Infrastructure(Essential)」アカウントを取得できます。もちろんアカウントの取得自体も無料ですし、すでに「Linux Kernel」のライブパッチサービスを利用しているユーザーなら、同じアカウントで「Ubuntu Advantage for Infrastructure(Essential)」を利用できます。
Ubuntuコミュニティーメンバーなら50台までESMを無料で利用可能
Ubuntuコミュニティーメンバーなら50台まで「ESM」を無料で利用可能です。Ubuntuコミュニティーメンバーになるには一定の要件を満たす必要があります。
詳細は以下を参照してください。
ライブパッチサービスも含まれる
「Ubuntu Advantage」には「Linux Kernel」のライブパッチサービスも含まれているため、「ESM」だけでなくライブパッチサービスも同様に利用できます。ただし「Ubuntu 14.04 LTS」でライブパッチサービスを利用するには、HWEカーネルにアップデートしておく必要があります。
高度なサポートが必要なら有償サポートを
無料と言っても「Ubuntu Advantage」の全プランが無料になるということではありません。有償で提供されていたサポートサービスの一部を、限られた台数に対して無料で提供するということです。
「Canonical」では法人などエンタープライズ向けに高度なサポートサービスを展開しており、高度なサポートが必要なら有償サポートを検討してください。
詳細は以下を参照してください。
UAクライアントのアップデート
「UAクライアント(Ubuntu Advantage Client)」は、「Ubuntu Advantage for Infrastructure」サービスにシングルトークン経由でアクセスし、本サービスを効率的に活用するためのCLIツールです。「UAクライアント」のアップデートが行われ、すでに「Ubuntu 14.04 LTS」ではアップデートされた「UAクライアント」を利用できるようになっています。
また近日、アップデートされた「UAクライアント」が「Ubuntu 16.04 LTS」及び「Ubuntu 18.04 LTS」向けにも提供されます。
uaコマンド
「UAクライアント」は「ua」コマンドで呼び出すことができます。「ua --help」コマンドを実行すれば、以下のように使い方が表示されます。
$ ua --help
usage: ua [command] [flags]
Client to manage Ubuntu Advantage services on a machine.
- cc-eal: Common Criteria EAL2 Provisioning Packages
(https://ubuntu.com/cc-eal)
- cis-audit: Center for Internet Security Audit Tools
(https://ubuntu.com/cis-audit)
- esm-infra: UA Infra: Extended Security Maintenance (https://ubuntu.com/esm)
- fips: NIST-certified FIPS modules (https://ubuntu.com/fips)
- fips-updates: Uncertified security updates to FIPS modules
- livepatch: Canonical Livepatch service (https://ubuntu.com/livepatch)
Flags:
-h, --help show this help message and exit
--debug show all debug log messages to console
Available Commands:
status current status of all Ubuntu Advantage services
attach attach this machine to an Ubuntu Advantage subscription
detach remove this machine from an Ubuntu Advantage subscription
enable enable a specific Ubuntu Advantage service on this machine
disable disable a specific Ubuntu Advantage service on this machine
refresh refresh Ubuntu Advantage services from contracts server
version show version of ua
help show this help message and exit
Use ua [command] --help for more information about a command.
usage: ua [command] [flags]
Client to manage Ubuntu Advantage services on a machine.
- cc-eal: Common Criteria EAL2 Provisioning Packages
(https://ubuntu.com/cc-eal)
- cis-audit: Center for Internet Security Audit Tools
(https://ubuntu.com/cis-audit)
- esm-infra: UA Infra: Extended Security Maintenance (https://ubuntu.com/esm)
- fips: NIST-certified FIPS modules (https://ubuntu.com/fips)
- fips-updates: Uncertified security updates to FIPS modules
- livepatch: Canonical Livepatch service (https://ubuntu.com/livepatch)
Flags:
-h, --help show this help message and exit
--debug show all debug log messages to console
Available Commands:
status current status of all Ubuntu Advantage services
attach attach this machine to an Ubuntu Advantage subscription
detach remove this machine from an Ubuntu Advantage subscription
enable enable a specific Ubuntu Advantage service on this machine
disable disable a specific Ubuntu Advantage service on this machine
refresh refresh Ubuntu Advantage services from contracts server
version show version of ua
help show this help message and exit
Use ua [command] --help for more information about a command.
カジュアルなデスクトップユーザーはどうすれば良いのか
従来通り「Ubuntu」の無料サポート期間終了後は、サポートされている「Ubuntu」へアップグレードしてください。「ESM」は普通のカジュアルなデスクトップユーザーを幅広くサポートするためのサービスではありません。