GNOME 3.36がリリースされました
2020年3月11日、「GNOME 3.36(コードネーム:Gresik)」がリリースされました。リリースノートから「GNOME 3.36」の新機能と変更点を紹介します。
動画で見るGNOME 3.36
「GNOME 3.36」の紹介動画は、以下で視聴できます。「GNOME 3.34」からさらにモダンになったUIが紹介されています。
GNOME 3の最新バージョン
「GNOME 3.36」は「GNOME 3」の最新バージョンです。前バージョンから6ヶ月間、GNOMEコミュニティーによる懸命な開発が行われ、2020年3月11日に「GNOME 3.36」がリリースされました。
「GNOME 3.36」は新機能の実装だけでなく、様々かつ細やかな改善及び不具合の修正が行われています。
「GNOME 3.36」では、およそ780名の貢献者による24,434の変更が行われています。
GNOME Shell拡張の管理
「GNOME Shell拡張」の管理は、従来の「ソフトウェア(Software)」に代わり、新しい「Extensions」アプリによって管理されるようになりました。「Extensions」アプリは「GNOME Shell拡張」のアップデートや、「GNOME Shell拡張」の設定、不要な「GNOME Shell拡張」の無効化及び削除が可能です。
Do Not Disturb
「Do Not Disturb」は通知を抑制する機能です。「Do Not Disturb」の設定を切り替えるボタンが通知ポップオーバーに追加されました。
「Do Not Disturb」を有効にすれば、「Do Not Disturb」を無効にするまで通知が非表示になります。
ロック画面
ログイン及びロック解除画面のUIが改良され、デザインが大きく改善されました。ロック画面は従来よりも機能的になり、使い易さが向上し、シンプルさと美しさを備えた見た目になりました。
デスクトップ
「GNOME Shell」では、多くのデザインの改良と機能の改良が行われました。サスペンドオプション
電源オフとログアウトオプションの構成が見直され、サスペンドオプションが表示されるようになりました。今までよりももっと簡単にPCをサスペンドできるようになりました。
パスワード内容の表示
パスワードの入力を要求するシステムダイアログでは、「目(eye)」アイコンをクリックすることでパスワードの内容を表示するオプションが追加されました。システムダイアログのデザイン改良
ほぼすべてのシステムダイアログのデザインが見直され、一貫性と可読性が向上しました。Appフォルダーの名称変更
アプリケーションオーバービューのAppフォルダーの名称を変更できるようになりました。インターフェース全体の改良
インターフェース全体がさらに改良されました。特にカレンダーポップオーバーやオーバービューの検索で大きな改良が行われています。
NVIDIA GPUのサポート改善
「NVIDIA GPU」でプロプライエタリードライバーを使用しているユーザーは、「Launch on Discrete GPU」メニューアイテムを経由して「GNOME Shell」内からディスクリートGPUを使用するアプリケーションを起動できるようになりました。設定
「設定」に関する変更点です。セクションの見直し
セクションの並びが見直され、簡単にそして素早く必要な設定項目に到達できるようになりました。アプリケーションのプライバシー設定
「プライバシー」の設定では、ロケーションサービスやカメラ、マイクへのアクセスが許可されているアプリケーションの一覧が表示されるようになりました。また各アプリごとに、アクセス許可を取り消すことも可能です。
ユーザーとAbout画面のインターフェース見直し
「ユーザー」と「About」画面のインターフェースが見直され、表示する情報がより明確になり、設定の変更が容易になりました。ソフトウェア
「ソフトウェア」では、モバイルデータネットワークなど現在接続しているネットワークが、従量制課金接続かどうかを自動検出するようになりました。もしネットワークが従量制課金接続だった場合、データ使用量を削減するため、ソフトウェアアップデートを一時停止します。
初期セットアップアシスタント
「初期セットアップアシスタント」に関する変更点です。UIの改善
「初期セットアップアシスタント」のUIが改善され、より優れた見た目と使い勝手になりました。ペアレンタルコントロール
「初期セットアップアシスタント」は、初期ユーザーをペアレンタルコントロールでセットアップできるようになりました。これによりアプリケーションやソフトウェアへのアクセス許可及び拒否を設定することができます。
Boxes
「Boxes」に関する変更点です。ウェルカムチュートリアル
「Boxes」にウェルカムチュートリアルが追加されました。ウェルカムチュートリアルでは、「Boxes」 が提供する様々な機能をユーザーに紹介します。
作成アシスタント
仮想マシンの作成時に新しくなった作成アシスタントを利用でき、CPUの設定やUEFI起動の設定が行えるようになりました。Web
「Web(ウェブ)」に関する変更点です。PDFファイルの読み込み
ブラウザーウィンドウ内に直接PDFファイルを読み込み、表示する機能が実装されました。インターフェースの改良
インターフェースでもさらなる改良が加えられ、小型ディスプレイ上でも使い勝手が良くなりました。ダークモード
デスクトップでダークテーマを使用しているユーザーに向け、ダークモードをサポートしました。Music
「Music」に関する変更点です。Last.fmとListenBrainzのサポート
「Last.fm」と「ListenBrainz」アカウントにログインできるようになり、これらのアカウントと「Music」を連携して利用することができます。カバーアートのダウンロード
カバーアートが設定されていないアルバムのカバーアートをダウンロードする機能が改善されました。その他
その他の変更点です。ユーザードキュメントの更新
多数のアプリのドキュメントが非常に古い記述内容のまま更新されていませんでしたが、これらのドキュメントがアップデートされました。連絡先のインターフェース改良
「連絡先(Contacts)」の連絡先編集画面のインターフェースが改善されました。時計
「時計(Clocks)」のデザインが一から見直されました。レスポンシブデザインに対応し、小型ディスプレイ上での使い勝手が向上しました。
Polari
「Polari」では、チャットビューにリンクのプレビューを表示できるようになりました。ファイル
「ファイル(Files)」では、隠しファイルを新しいドキュメントテンプレートとして使用できるようになりました。パスワードと鍵
「パスワードと鍵(Passwords and Keys)」は、「GNOME」のパスワードやキーチェインを管理するアプリです。「パスワードと鍵」では、パブリックSSH鍵を表示できるようになりました。
またインターフェースは小型ディスプレイにより適合するデザインになりました。
Fractal
「Fractal」は「GNOME」の「Matrix」クライアントです。「Fractal」では、チャットウィンドウ内で直接ビデオを再生できるようになりました。