Linux Mint その143 - Linux Mint 20の開発作業・Linux Mint 20のリリース予定月

Linux Mint月刊ニュース

「Linux Mint」開発チームは、Linux Mint月刊ニュースにて「Linux Mint」の開発状況や取り組みを紹介しています。

• Monthly News – April 2020

Linux Mint 20の開発作業

「Linux Mint 20（開発コード：Ulyana）」の開発作業が行われています。

「Linux Mint 20」は「Ubuntu 20.04 LTS」をベースに開発され、「Linux kernel 5.4」ベースの「Linux kernel」が採用されます。 
また「LMDE 4」で導入された「Virtualbox」上のライブセッションの解像度改善や、「APT」の推奨をデフォルトで有効化するなど、一部の新機能が導入されています。

ホームディレクトリーの暗号化は「Ubuntu」でサポートされなくなった機能ですが、「Linux Mint 20」では引き続きこの機能が提供される予定です。

Linux Mint 20のリリース予定月

「Linux Mint 20」のリリースは、2020年6月に予定されています。

3つのエディションをリリース

「Linux Mint 20」では、以下の3つのエディションがリリースされます。

• Cinnamon
• MATE
• Xfce

すべて64bit版のみのリリースとなります。
言い換えれば「Linux Mint 20 32bit版」のリリースはありません。

Cinnamonの改良

「Cinnamon」の改良作業が行われています。

Nemoのパフォーマンス向上

「Nemo」は「Cinnamon」のデフォルトのファイルマネージャーです。
注目すべき改良点に「Nemo」のパフォーマンス向上が挙げられています。

ディスプレイのサポート改善

モニターのリフレッシュレート変更機能の追加や、「HiDPI」向けに分数スケーリングのサポートが追加される予定です。

systrayアプレット

「systray」アプレットにインジケーター（libAppIndicator）と「StatusNotifier（Qtと新しいElectronアプリ）」のアイコンを「Xapp StatusIcon」アプレットへ直接委譲する機能がサポートされます。

新しいファイル共有ツール

デスクトップでは、ローカルネットワークでお互いに簡単にファイルの送受信を行えるようにする新しいファイル共有ツールが導入される予定です。
このツールの名称が「Warpinator」に決定しました。

 
開発チームは現在予定している実装予定の新機能を、今回の開発サイクルで全て実現する予定です。
また「Linux Mint 19.3」及び「LMDE 4」向けに「Warpinator」が利用できるようになっており、「Warpinator」を試すことができます。

通信の暗号化とアイコンの作成

「Warpinator」はネットワークで通信する際、暗号化して通信する機能が実装されました。
また「Warpinator」のアイコンが作成されました。

ローカライズのお願い

唯一足りない対応は、「Warpinator」のローカライズです。

LMDE 4にWarpinatorをインストールするには

「LMDE 4」では、以下で「Warpinator」のパッケージが提供されています。

• warpinator_lmde4_1.0.2_all.deb

パッケージをダウンロードし、「gdebi」でダウンロードしたパッケージをインストールします。
「Warpinator」が依存するパッケージはすでに「LMDE 4」のリポジトリーで利用できるようになっており、依存パッケージと共に「Warpinator」がインストールされます。

Linux Mint 19.3にWarpinatorをインストールするには

「Linux Mint 19.3」では 「Warpinator」が依存するパッケージが公式リポジトリーにないため、ま依存パッケージを提供しているリポジトリーを追加する必要があります。
「ソフトウェアソース」を起動し、以下のPPAを追加します。

• ppa:clementlefebvre/grpc

その後パッケージインデックスキャッシュを更新し、以下から「Warpinator」のパッケージをダウンロードします。

• warpinator_mint19.3_1.0.2_all.deb 

後は「gdebi」等で上記パッケージをインストールします。
 

Mint-Yテーマの色調整

「Mint-Y」テーマの色調整が行われ、今までより明るい色合いに変わります。

調整前と調整後の比較

左半分が調整前の色で、右半分が調整後の色です。
調整後の色は調整前の色より、明るさが増しています。

Mint-Y-Blueの例

「Mint-Y-Blue」の例では、調整前の色は以下のようになります。


調整後の色は以下のようになります。

黄色のフォルダーも利用可能

黄色のフォルダーも利用可能です。

ようこそ

「Linux Mint 20」の初回ログイン時にようこそ画面で、色の選択が行えるようになります。

新しい色を試すには

これら新しい色を試すには、以下のパッケージをインストールします。

• new-colors.tar.gz

また実際数日試してみて、フィードバックがあれば寄せて欲しいとのことです。

その他の改良

その他改良点です。

AptURL

「AptURL」は「Synaptic」の代わりに「aptdaemon」バックエンドを使用するようになります。

gdebiのUI改良

「gdebi」のUIは新しいUIに改良されます。