Linux Mint月刊ニュース
「Linux Mint」開発チームは、Linux Mint月刊ニュースにて「Linux Mint」の開発状況や取り組みを紹介しています。カラーリングの再調整
前回紹介したMint-Yテーマのカラーリング調整ですが、肯定的なフィードバックが少なく、再度カラーリングの調整が行われます。カラーの変化量を少なくしたり元に戻すなど、「Linux Mint 20 β版」前にカラーリングの再調整が行われます。
またカラー調整のフィードバックを「GitHub」で行えるよう、場が設けられる予定です。
Snap
「Linux Mint 20」のベースとなる「Ubuntu 20.04 LTS」では、「snapd」がデフォルトでインストールされており、デフォルトで各種Snapアプリのインストールや利用が可能になっています。またアプリのインストールなどアプリの管理を行うSnap版「Snap Store(Ubuntu Software)」がデフォルトでインストールされています。
Snapはデフォルトでインストールしない
「Linux Mint 20」では以前のリリースと同様に、「snapd」やSnapアプリはデフォルトでインストールされません。Snap版Chromiumはインストールしない
「Ubuntu 20.04 LTS」でdeb版「Chromium」をインストールすると、自動的にSnap版「Chromium」がインストールされるようになっています。これはdeb版「Chromium」の継続的かつ横断的なメンテナンスが困難になっており、Snap版「Chromium」への移行が決定されたためです。
「Linux Mint 20」でdeb版「Chromium」をインストールしてもSnap版「Chromium」がインストールされることはありません。
代わりに、なぜ「Chromium」がインストールされないのか、ユーザー自身の手で入手するにはどこを見れば良いのか、といった情報を出力するようになります。
APTはsnapdのインストールを禁止する
「Linux Mint 20」では、「APT」で「snapd」のインストールを禁止する予定です。Snapを利用したいユーザーは、自分で設定を変更することで「snapd」のインストールが可能になります。
この方法はリリースノートに記述される予定です。
しかしデフォルトでは、APTリポジトリーから「snapd」パッケージのインストールが禁止されます。
NVIDIA GPUのサポート改善
「Linux Mint 20」では「NVIDIA Optimus」のサポートが改善されます。NVIDIA Primeアプレット
NVIDIA Primeアプレットでは、GPUレンダラーを表示するようになり、ユーザーは利用したいGPUを切り替えられるようになりました。特定のアプリをNVIDIA GPUで実行可能に
「NVIDIA On-Demand」プロファイルは、「MATE(mintmenu)」及び「Cinnamon(Cinnamonメニューアプレット)」でも完全にサポートされます。このプロファイルを選択すれば、セッションのレンダラーに「Intel GPU」を使用し、特定のアプリで「NVIDIA GPU」を使用可能です。
メニュー内でアプリを右クリックすれば、以下のように「NVIDIA GPU」で実行するオプションが表示されます。
GLXやVulkanにオフロードする新しいコマンド
「GLX」や「Vulkan」にオフロードする新しいコマンドが2つ追加されました。- nvidia-optimus-offload-glx
- nvidia-optimus-offload-vulkan
NVIDIA GPU搭載PCのサポート改善
NVIDIA GPU搭載PCで互換性を向上させるため、そしてNVIDIA GPUドライバーがないライブセッションの起動を容易にするため、「Compatibility Mode」に「nomodeset」オプションが追加されました。マルチモニターのサポート改善
マルチモニターのサポートが改善されました。ホットプラグインモニターの不具合修正
ここ数年「Cinnamon」では、ホットプラグインモニターに不具合を抱えていました。GPU及びGPUドライバーによっては、ウィンドウの周りや新しく追加されたモニターの背景上に、黒く点滅するテキスチャーが表示されます。
先月この不具合が修正され、「Cinnamon 4.6」でホットプラグインモニターは滑らかに動作するようになりました。
またこの修正は「Linux Mint 20 β版」リリース後に、他の修正も含め「Cinnamon 4.4」にバックポートされる予定です。
ログイン画面の改善
ログイン画面(Slick Greeter)では、複数のモニターを跨って壁紙を拡大する新しいオプションが追加されました。システムトレイの改善
システムトレイの改善です。Cinnamonのキーボードアプレット
「Cinnamon」のキーボードアプレット上でマウスの中央ボタンをクリックすれば、循環的にキーボードレイアウトを切り替えられるようになりました。アイコンの改善
多くのトレイアイコンがシンボリックアイコン及びHiDPIをサポートし、デザインの調和が保たれるように調整されました。これはすべてのデスクトップ環境(Cinnamon/MATE/Xfce)が対象です。
XAppStatusIcon
以下のソフトウェアは「XAppStatusIcon」を使用するようになり、「Linux Mint 20」で一貫性のあるアイコンデザインを提供します。- Blueberry
- mintupdate
- mintreport
- nm-applet
- mate-power-manager
- mate-media
- redshift
- rhythmbox