Ubuntu Server 21.04の新機能
「Ubuntu Server 21.04」の新機能を紹介します。「Ubuntu Server 21.04」では、新しい拡張を施した「Ubuntu Server Live Installer」やフェーズドアップデートに対応した「APT(Advanced Package Tool)」の導入と共に、オートメーションや安定性が大幅に向上しています。
さらに「Microsoft SQL Server」のサポート改善などエンタープライズアプリケーションの可用性が向上しています。
すべての新機能は、次のLTSリリースである「Ubuntu 22.04 LTS」に取り込まれます。
Ubuntu 21.04のリリース情報
「Ubuntu 21.04」のリリース情報は、以下を参照してください。Microsoft SQL Server
「Ubuntu 21.04」の開発サイクルで「Microsoft SQL Server」の可用性が「Ubuntu 20.04 LTS」にもたらされました。DBMSとCLIの迅速な環境構築
システム管理者は、オンプレミス向けのパッケージングツールを使用するか、「Azure」でデプロイ時に「Microsoft SQL Server」がプリインストールされた「Ubuntu」のイメージを利用することで、「DBMS(データベース管理システム)」及びそれに対応した「CLI(コマンドラインインターフェース)」を迅速にセットアップできます。優れたパフォーマンス
「Microsoft SQL Server」ではデータの耐久性を高めるため「XFS」ファイルシステム上で「FUA(Force Unit Access)」を提供するなど、改良されたパフォーマンスを実現しています。加えて「PMEM(Persistent Memory)」を追加構成無しでデフォルトで利用可能であり、高パフォーマンスなデータストレージを提供します。
そしてそのプラットフォーム全体は「Corosync」と「Pacemaker」により、高可用性と耐久性を向上させています。
Debian Installerのpreseedスクリプトのサポート
「Ubuntu Server 20.04 LTS」以来「Ubuntu Server」では、従来の「Debian Installer(DI)」に変わり新しい「Ubuntu Server Live Installer」を提供しています。様々な機能や改善
「Ubuntu Server Live Installer」では様々な機能や改善を提供しています。- 改善されたUX
- インストール時のインストーラーの自動アップデート
- SSHセッションのサポート
- インストールの保存と復元
DI preseedスクリプトのサポート
しかしまだDI preseedスクリプトのサポートがありませんでした。これによりシステム管理者によっては「Ubuntu Server Live Installer」の利用を躊躇していました。
そこでDI preseedスクリプトのサポートが改善され、DI preseedスクリプトを「Ubuntu Server Live Installer」で利用できる形に変換する機能が実装されました。
「autoinstall-generator」を利用することでシステム管理者は「Ubuntu Server Live Installer」へ容易に移行できるようになります。
usage: autoinstall-generator [-h] [-c] [-d] [-V] infile [outfile]
positional arguments:
infile Debian install preseed file, or a dash to read stdin
outfile Subiquity autoinstall yaml
optional arguments:
-h, --help show this help message and exit
-c, --cloud output in cloud-config format
-d, --debug include commented out debug output explaining the conversions
performed
-V, --version show version and exit
positional arguments:
infile Debian install preseed file, or a dash to read stdin
outfile Subiquity autoinstall yaml
optional arguments:
-h, --help show this help message and exit
-c, --cloud output in cloud-config format
-d, --debug include commented out debug output explaining the conversions
performed
-V, --version show version and exit
本件に関する詳細は、以下を参照してください。
HWE advanced networking stack
最新のネットワークインターフェースカード(NIC)のサポートやネットワーク機能のサポートを改善するのため、「PPA(Personal Package Archive)」から「HWE advanced networking stack」が提供されています。「HWE advanced networking stack」を利用することで通常リリースの「Ubuntu」で取り込まれた新機能や改善をLTSリリースの「Ubuntu」で利用できるようになります。
この「PPA」には「rdma-core」「dkdk」「openvswitch」といったパッケージが含まれています。
APTのフェーズドアップデート
フェーズドアップデートはパッケージのアップデートを段階的にユーザーに提供する仕組みです。フェーズドアップデートの対象になったパッケージは全ユーザーに一斉に提供するのではなく、まず一部のユーザーに提供します。
特に問題が起きなければ提供対象のユーザーを増やしていき、最終的に全ユーザーにそのパッケージのアップデートが提供されます。
もし提供途中で問題が見つかれば、そのパッケージの提供を中止し元に戻します。
フェーズドアップデートによりソフトウェアのリグレッションを可能な限り早期に発見し、「Ubuntu Server」の安定性向上に繋げています。
その他の変更点
その他の変更点です。- 「pacemaker」や「corosync」などHA(High Availability)スタックのアップデート
- Linux kernel 5.11による最新ハードウェアのサポートとセキュリティーの向上
- すべての主要なアーキテクチャーのサポート(x64-64/ARM v7/ARM64/POWER 8/POWER 9/IBM /x390x(LinuxONE)/RISC-V)
- 様々なアプリケーションのアップデート(QEMU 5.2/libvirt 7.0/PHP 7.4.9/Apache2 2.4.46/nginx 1.18/GCC 1.189/Python 3.9.2/Bind9 9.16.8)