KDE Plasma 5.22の新機能と変更点
2021年6月8日、「KDE Plasma 5.22」がリリースされました。リリースアナウンスから「KDE Plasma 5.22」の新機能と変更点を紹介します。
動画で見るKDE Plasma 5.22
「KDE Plasma 5.22」の紹介動画は、以下を参照してください。安定性やパフォーマンスの向上
「KDE Plasma 5.22」では実装の見直し(クリーンアップやリファクタリング)が実施され、デスクトップの応答性やパフォーマンスが向上しています。これにより今まで以上に優れたUXを提供しています。
また透過処理やブラー効果、アイコンの描画やアニメーションでは、デザインの改良やスムーズさの向上、そして一貫性が改善されています。
パネルとウィジェット
パネルとウィジェットに関する変更点です。Adaptive Transparency
通常パネルやパネルウィジェットの背景には透過効果が適用され、半透明で表示されています。「Adaptive Transparency」の実装により、アプリのウィンドウを最大化するとパネルやパネルウィジェットの透過効果を解除し、不透明で表示するようになりました。
またユーザーは好みに応じて常にパネルを半透明で表示したり、逆に透過効果を適用せず常に不透明で表示することも可能です。
タスクマネージャー
タスクマネージャーでアプリのアイコンにカーソルを合わせると、ウィンドウのプレビューが表示されます。このプレビューにカーソルを合わせると、アプリのウィンドウのみがデスクトップ上に表示されるようになりました。
これによりウィンドウの内容を詳細に確認できるようになりました。
この機能の有効・無効切り替えは、設定画面から切り替えることができます。
Sticky Notesウィジェット
「Sticky Notes」ウィジェットでは、テキストサイズを変更できるようになりました。デジタル時計
デジタル時計のデザインが見直され、日付と時刻の配置位置をオプションで指定できるようになりました。またクリックした時に表示されるカレンダーもデザインが見直されており、機能性も改善されています。
より多くの情報が同一スペース内に表示されるようになりました。
音量
オーディオデバイスのプロファイルを切り替えられるようになりました。クリップボード
「Super(Meta/Windows) + V」キーで履歴一覧を表示できるようになりました。通知
「Waylandセッション」でオンラインプレゼンテーションなど画面の共有や録画を実行すると、自動的に通知の表示を抑制する「Do Not Disturb」モードに移行するようになりました。インターネットからファイルをダウンロードする時にダウンロードがブロックされた場合、その旨を通知するようになりました。
またダウンロード完了後にそのファイルをどのアプリで開くのかを表示するようになりました。
デフォルトのシステム管理アプリの変更
デフォルトのシステム管理アプリは従来の「KSysguard」から新しい「Plasma System Monitor」へ変更されました。Waylandのサポート改善
「Wayland」のサポートが大幅に改善されました。アクティビティーのサポート
「Plasma Waylandセッション」で「アクティビティー(Activities)」がサポートされました。「アクティビティー」は異なる作業環境をデスクトップ上に構築する仕組みであり、ユーザーはワークフローに応じて複数の「アクティビティー」を作成し、作業環境を切り替えることができます。
Global Menuアプレット
「Global Menuアプレット」ではメニュー項目を検索できるようになりました。可変リフレッシュレートとFreeSyncのサポート
可変リフレッシュレートと「FreeSync」がサポートされました。各スクリーンごとに異なるリフレッシュレートを設定できます。
オーバースキャン値の設定
スクリーンのオーバースキャン値を設定できるようになりました。テレビで映像を再生する時などオーバースキャン値を調整することで画面周辺の黒枠を取り除くことができます。
Present Windows効果
「Present Windows」効果に対応しました。「Present Windows」はカーソルをスクリーンの左上隅に移動した時に、すべてのウィンドウを表示しウィンドウを切り替える機能です。
「Wayland」でも「X11」と同様に動作するようになりました。
ウィンドウの最大化
ウィンドウを縦もしくは横方向に最大化できるようになりました。外付けGPUのサポート改善
外付けGPUを接続した時に「Plasma」を再起動することなく外付けGPUを利用できるようになりました。パフォーマンスの改善
「Direct Scan-out」のサポートによりフルスクリーンのスクリーンコンテンツの不要なコピーを抑えることができ、フルスクリーンで実行しているアプリのパフォーマンスが向上しました。現在この機能はNVIDIA GPUを除くGPUで機能します。
システム設定
「システム設定」に関する変更点です。スピードダイヤル
「システム設定」を起動すると、スピードダイヤルページが表示されるようになりました。スピードダイヤルページでは、多くのユーザーが良く利用する設定及び設定へのリンクが表示されます。
またユーザー自身がよく利用する設定へのリンクも表示されます。
オフラインアップデート
「オフラインアップデート」はOSを再起動しOSの起動時にソフトウェアのアップデートを適用する機能です。これにより実行中のアプリに影響を与えずにアップデートを適用できます。
「システム設定」で「オフラインアップデート」の有効・無効を切り替えられるようになりました。
KRunner
「KRunner」は「Alt + スペース」キーで起動するランチャーアプリです。アプリの起動やウェブサイトを開く機能、ブックマークへのアクセスやファイルの検索など、様々な機能を提供しています。
複数行表示に対応
検索結果の各項目が、複数行での表示に対応しました。従来は単一行で表示されていましたが、辞書の検索結果のように内容が多い項目では、複数行で表示されるようになりました。
検索結果の改善
ユーザーが混乱するような重複する検索結果が排除されるようになりました。例えば「Firefox」で検索すると、単一の「Firefox」のみが検索結果に表示されるようになりました。
その他
複数のスクリーンが存在する場合、アプリのウィンドウは現在カーソルのあるスクリーン上で開かれるようになりました。この機能は「Wayland」でも「X11」でも機能します。