tempfileコマンドとwhichコマンドの変更を元に戻す提案
「debianutils」パッケージで行われた変更の一部を元に戻す提案が行われています。debianutilsパッケージ
「debianutils」パッケージは「Debian」で使用されるユーティリティーを提供するパッケージです。「Ubuntu」は「Debian unstable(sid)」をベースに開発されているため、「Debian」で行われた変更に影響を受けます。
tempfileコマンドが削除された
「tempfile」コマンドは元々非推奨になっていたコマンドであり、「debianutils」パッケージから「tempfile」コマンドが削除されました。「tempfile」コマンドの説明は以下を参照してください。
代わりに「mktemp」コマンドの使用が推奨されています。
「mktemp」コマンドの説明は以下を参照してください。
whichコマンドが非推奨のメッセージを出力するようになった
非推奨になった「which」コマンドはコマンド実行時に非推奨のメッセージを出力するようになりました。「which」コマンドの説明は以下を参照してください。
代わりに「command -v」コマンドの使用が推奨されています。
「command」コマンドの説明は以下を参照してください。
tempfileコマンドの復活とwhichコマンドの修正
いずれのコマンドも幅広く利用されてきたコマンドであり、「Ubuntu」が提供する様々なソフトウェアが影響を受けるだけでなく、サードパーティー製のソフトウェアも影響を受けます。加えて2022年4月にリリースを控えている「Ubuntu 22.04 LTS」は長期サポート版であり、高い品質と5年間の無償サポートを提供する必要があります。
通常「Ubuntu」では、このような大きな変更は通常リリースの「Ubuntu」で影響範囲の確認や修正を行い、次のLTSリリースに備えます。
ユーザーや開発者にとっても次のLTSリリースに向けて対応の余地が生まれてきます。
というわけでこれらを踏まえ、「tempfile」コマンドの復活と「which」コマンドの修正が提案されました。
変更を受け入れるのはUbuntu 22.10からか
現在の印象では「Ubuntu 22.04 LTS」でも引き続き「tempfile」コマンドが提供され、「which」コマンドは元の振る舞いを行うように修正される予定です。「Debian」で行われた本来の変更は、次の通常リリース版である「Ubuntu 22.10」から取り込まれることになりそうです。
とはいえ「tempfile」コマンドや「which」コマンドを利用しているユーザーや開発者は、本来の変更を受け入れるべく、対応方針及び修正を検討するのが良いでしょう。