WSL 0.50.2.0の新機能と変更点
2021年11月15日にリリースされた「WSL 0.50.2.0」の新機能と変更点をピックアップします。ストアアプリケーション版WSL
ストアアプリケーション版「WSL」の詳細やインストール方法は、以下を参照してください。リリースノート
リリースノートは以下を参照してください。WSLの機能改善や変更
「WSL」に関する機能改善や変更です。1.新しいロゴの追加
「WSL」の新しいロゴが追加されました。2.ハードウェアパフォーマンスカウンターのサポート
「ハードウェアパフォーマンスカウンター(Hardware Performance Counter/HPC)」がサポートされました。「HPC」がサポートされているハードウェアを利用している場合のみ、「HPC」を利用可能です。
これにより改善する問題は、以下を参照してください。
HPCを無効化したい場合
「HPC」を無効化したい場合、「USERPROFILE%\.wslconfig」ファイルに以下の設定を記述します。[wsl2]
hardwarePerformanceCounters=false
hardwarePerformanceCounters=false
3.ユーザータイルのアップデート
「C:\WINDOWS\System32」の代わりにユーザーのホームディレクトリーから起動するようにユーザータイルがアップデートされました。4.デフォルトのシグナル復元
「/etc/wsl.conf」ファイルの「boot.command」で指定されたプロセスがゾンビプロセスにならないようにデフォルトのシグナルが復元されるようになりました。これにより改善する問題は、以下を参照してください。
5.静的CRTの使用
Windowsバイナリーに静的CRTを使用するように変更されました。6.Store APIの使用
「wsl.exe --install」実行時、LinuxディストリビューションのダウンロードにStore APIを使用するように変更されました。7.オプションの追加
「wsl.exe --install」に「--no-launch」オプションが追加されました。8.Linux kernelのアップデート
「Linux kernel」が「Linux kernel 5.10.74.3」にアップデートされました。Linux kernel 5.10.74.3の新機能と変更点
「Linux kernel 5.10.74.3」の新機能と変更点です。「Linux kernel 5.10.74.3」はアップストリームの「Linux kernel 5.10.74」ベースの「Linux kernel」です。
1.BPF Type Formatのサポート
「eBPF」ツールで使用される「BPF Type Format(CONFIG_DEBUG_INFO_BTF)」がサポートされました。これにより改善する問題は、以下を参照してください。
2.Dxgkrnlのアップデート
「Dxgkrnl」が「Dxgkrnl 2110」にアップデートされました。これにより以下のAPIが実装されました。
- D3DKMTShareObjectWithHost
- D3DKMTCreateSyncFile
その他コードレベルの変更も行われています。
- 「d3dkmthk」が「include/uapi/misc」に移されました。
- 「u32」が「__u32」に、「u64」が「__u64」に置き換えられました。
- WDK及びLinuxヘッダーをincludeできるようにするため、列挙値の頭に「_」が追加されました。
- 32bitアプリとの互換性改善
以下の不具合が修正されています。
- QueryStatistics VMバスアライメントの不具合の修正
- GCC 8.1よりも前のGCCでビルドに失敗する不具合の修正(make of 5.10.60.1 fails)
3.Buffer Sharing FrameworkとSync File Frameworkのサポート
「Dxgkrnl」で活用できるよう、以下のFrameworkがサポートされました。- Buffer Sharing Framework(CONFIG_DMA_SHARED_BUFFER)
- Sync File Framework(CONFIG_SYNC_FILE)