KDE Snapアプリの起動時間改善
Snap開発チームはSnapアプリのパフォーマンス改善に取り組んでおり、その成果がKDE Snapアプリにももたらされます。アプリの起動時間改善
以前紹介したようにSnapではパッケージの圧縮アルゴリズムの見直しにより、Snapアプリの起動時間が30%〜60%高速化されました。これは「xz」から「LZO(Lempel-Ziv-Oberhumer)」への変更による改善です。
ただしパッケージサイズが増加する欠点がありますが、起動時間短縮による恩恵のほうがメリットは大きいでしょう。
起動時間の比較テスト
「xz」と「LZO」でKDE Snapアプリの起動時間の比較テストが行われました。KDE Snapアプリは「KDE Frameworks」上で動作するため、「KDE Frameworks」との組み合わせも加えて、テストが行われました。
KBlocks (xz) | KBlocks (LZO) | GCompris (xz) | GCompris (LZO) | |
---|---|---|---|---|
KDE Frameworks (xz) | 6.3秒/1.1秒 | 7.9秒/1.1秒 | 14.5秒/1.6秒 | 9.7秒/1.1秒 |
KDE Frameworks (LZO) | 6.0秒/1.1秒 | 3.7秒/1.1秒 | 10.5秒/1.1秒 | 6.3秒/1.1秒 |
前者の時間がコールドスタートアップにかかった時間です。
アプリの起動に必要なデータがメモリ上にキャッシュされていない状態でアプリを起動したときにかかる時間ですね。
一方後者はの時間はホットスタートアップにかかった時間です。
アプリの起動に必要なデータがメモリ上にキャッシュされている状態でアプリを起動したときにかかる時間ですね。
「KDE Frameworks」が「xz」の場合、アプリの起動時間は33%〜40%短縮されています。
「KDE Frameworks」も「LZO」の場合、アプリの起動時間が42%〜67%短縮されています。
ただし「KBlocks」は「KDE Frameworks」のアルゴリズム変更が大きく影響しており、今後も追加テストが行われる予定です。
パッケージサイズ
先に紹介したようにパッケージサイズは増加します。ソフトウェア | xz | LZO |
---|---|---|
KBlocks | 4MB | 6MB |
GCompris | 159MB | 194MB |
KDE Frameworks | 337MB | 443MB |
KDE Snapアプリに反映
というわけで現在「xz」で圧縮されているKDE Snapアプリは今後「LZO」に変更される予定です。KDEチームは「Snap Store」で公開している100を超えるKDE Snapアプリに「LZO」を導入し、KDE Snapアプリの起動時間を改善していく予定です。