Ubuntu 22.04 LTSの既知の問題
リリースノートから「Ubuntu 22.04 LTS」の既知の問題を紹介します。リリースノート
ここでは主に「Ubuntu Desktop」の内容を中心にピックアップします。「Ubuntu 22.04 LTS」のリリースノートは以下で参照できます。
リリース情報
「Ubuntu 22.04 LTS」のリリース情報は、以下を参照してください。システム
システム全体に関する既知の問題です。1.ジャーナルファイルのフォーマット変更
「systemd」及び「journald」はデフォルトで「zstd」圧縮や「Keyed Hash」機能を使用するようになりました。この変更はアップストリームの「systemd v246」から有効になっています。
「Ubuntu 22.04 LTS」では「systemd v249」を採用しており、この変更が取り込まれています。
そのためジャーナルファイルを以前の「Ubuntu」から読み込むことはできません。
この変更により発生する問題は、以下を参照してください。
- Subiquity silent on "Installing system" view on Jammy
- Accessing journal logs from 22.04 hosts when using older base snap?
以前の「Ubuntu」からジャーナルファイルにアクセスしようとすると、以下のようなエラーが発生します。
Journal file xxx.journal has unknown incompatible flags 0xc
Failed to open journal file xxx.journal: Protocol not supported
Failed to open journal file xxx.journal: Protocol not supported
2.Grub Customizer
「Grub Customizer(grub-customizer)」を利用している環境で「Ubuntu 22.04 LTS」へアップグレードすると、アップグレード処理の最終段階(パッケージの自動削除)でアップグレードに失敗する可能性があります。本現象の詳細は、以下を参照してください。
回避策は以下を参照してください。
Ubuntu Desktop
「Ubuntu Desktop」に関する既知の問題です。1.ライブUSBから起動すると起動に時間がかかる
「BIOS」環境でライブUSBから「Ubuntu Desktop」を起動すると、「Ubuntu Desktop」が起動するまで最大10分かかる可能性があります。「BIOS」環境でもインストール後の環境ならこの問題は発生しません。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
2.ライブDVDから起動すると起動に時間がかかる
ライブDVDから「Ubuntu Desktop」を起動すると、「Ubuntu Desktop」が起動するまで最大30分かかる可能性があります。これはライブDVDに対してその中身に問題はないか、チェックが行われるためです。
この不具合の詳細及び回避策は、以下を参照してください。
この現象は起動オプションに「fsck.mode=skip」を指定すれば回避できます。
3.インストーラーがフリーズする
「Ubuntu Desktop」のインストーラーである「Ubiquity」が、NTFSパーティションをリサイズ可能かどうかチェックする処理でフリーズする可能性があります。この現象は「アップデートと他のソフトウェア」画面から次の画面に移る際に発生する可能性があります。
もしこの現象が発生したらPCを再起動し、再度インストール作業を行ってください。
この不具合の詳細は、以下を参照してください。
4.FirefoxからGNOME Shell拡張をインストールできない
現在Snap版Firefoxは「NativeMessaging」プロトコルをサポートしていません。そのため現状Snap版FirefoxからGNOME Shell拡張をインストールできません。
この修正は近日中に行われる予定です。
回避策として代わりに「gnome-shell-extension-manager」を利用してください。
5.FirefoxでPKCS#11を利用できない
現在Snap版FirefoxはPKCS#11スマートカードに対応していません。FirefoxでPKCS#11スマートカードを利用している場合は、Snap版FirefoxがPKCS#11をサポートするまで「Ubuntu 22.04 LTS」へアップグレードしないでください。
この問題の詳細は、以下を参照してください。
6.NVIDIA GPU搭載PCでログインオプションにWaylandが表示されない
NVIDIA GPU搭載PCでログインオプションに「Wayland」セッションが表示されません。この問題の詳細は、以下を参照してください。
7.AppImageを利用する場合、パッケージの追加インストールが必要
「AppImage」を利用する場合以下のコマンドを実行し、事前に「libfuse2」パッケージをインストールしておいてください。
sudo apt install libfuse2
この問題の詳細は、以下を参照してください。
8.デフォルトでリモートデスクトップ設定が有効になっているが、実際は無効になっている
「設定」の「共有」設定では、デフォルトでリモートデスクトップ設定が有効(オン)になっています。しかし実際はリモートデスクトップは無効(オフ)になっています。
実際にリモートデスクトップを有効にするには、一旦リモートデスクトップの設定をオフにし、再度オンにしてください。
この問題の詳細は、以下を参照してください。
9.アップグレードがハングする
「Ubuntu 22.04 LTS」へアップグレードしようとすると、以下の不具合によりアップグレードがハングします。現在修正作業が進められており、近いうちに修正される予定です。
Ubuntu Server
「Ubuntu Server」に関する既知の問題です。1.zfs環境でmysqlをインストールできない
以下の不具合によりzfs環境でmysqlをインストールできません。Raspberry Pi
「Raspberry Pi」に関する既知の問題です。1.DSIディスプレイが動作しない
「Raspberry Pi」向け「Ubuntu Desktop」では、Full KMSグラフィックドライバーを使用します。しかしFull KMSが有効な環境ではDSIディスプレイが動作しません。
この問題を回避するには「config.txt」ファイルを開き、「dtoverlay=vc4-kms-v3d」の設定を「dtoverlay=vc4-fkms-v3d」に変更してください。
2.USBポートが機能しない
「Compute Module 4」向け公式IOボードに搭載されているUSBポートが機能しません。この問題の詳細は、以下を参照してください。
3.Firefoxの起動に時間がかかる
初回ログイン後Snap版Firefoxの初期化完了に数分かかります。この問題の詳細は、以下を参照してください。
4.MMALベースのカメラスタックはサポートされない
「arm64」では従来のMMALベースのカメラスタックはサポートされません。「arm64」でPi Camera Moduleは「libcamera」でサポートされています。
5.自動削除可能なパッケージが残る
「Raspberry Pi」向け「Ubuntu Desktop」で初期ユーザーセットアップを行った後、自動削除可能なパッケージがいくつか残ります。自動削除可能なパッケージを削除するには、以下のコマンドを実行してください。
sudo apt autoremove
6.オーディオ出力デバイスが適切に選択されない
「Raspberry Pi」向け「Ubuntu Desktop」では、起動する度に間違ったオーディオ出力デバイスが選択されます不具合の内容や回避方法は、以下を参照してください。
7.カーネルモジュール
「initramfs」のサイズを削減するため、今まで「linux-modules-raspi」パッケージに含まれていたカーネルモジュールのいくつかが「linux-modules-extra-raspi」パッケージに移されました。アプリがカーネルモジュールの不足により動作しない場合は、以下のように「linux-modules-extra-raspi」パッケージをインストールしてください。
sudo apt install linux-modules-extra-raspi