VirtualBox 7.0.0がリリースされました
2022年10月10日、「VirtualBox 7.0.0」がリリースされました。「VirtualBox 6.1」シリーズからのメジャーバージョンアップです。
リリース情報
今回のリリースはメジャーバージョンアップであり、不具合の修正以外にも新機能の追加が積極的に行われています。- 変更点:Changelog for VirtualBox 7.0
- ダウンロード:Download VirtualBox
- マニュアル:Documentation
全体的な改善
全体的な改善点をいくつかピックアップします。1.仮想マシンの暗号化に対応
仮想マシンの暗号化に対応しました。仮想マシンログや仮想マシンの保存状態も暗号化されます。
現時点ではコマンドラインからのみ利用可能です。
2.Linux Guest Additionsの自動アップデート
「Linux Guest Additions」の自動アップデート機能がサポートされました。ただし現在この機能は初期サポートに留まっています。
3.Linux Guest Additionsのスクリーンリサイズ機能の改良
「Linux Guest Additions」のスクリーンリサイズ機能の実装が見直され新しくなりました。ゲストで実行されている一部のデスクトップ環境との基本的な連携機能が追加されています。
4.DirectX 11/DXVKベースの3Dサポート
「Windows」では「DirectX 11」ベースの、それ以外のプラットフォームでは「DXVK」ベースの新しい3Dサポートが実装されました。5.仮想IOMMUデバイスのサポート
仮想IOMMUデバイスがサポートされました。「Intel」もしくは「AMD」のIOMMUエミュレーションに対応しています。
6.仮想TPMデバイスのサポート
仮想TPMデバイスがサポートされました。「TPM 1.2」と「TPM 2.0」のエミュレーションに対応しています。
7.EHCI/XHCI USBコントローラーがパッケージの一部に
EHCI/XHCI USBコントローラーがオープンソースベースのパッケージの一部になりました。8.UEFIセキュアブートのサポート
UEFIセキュアブートがサポートされました。GUIの改善
GUIに関連する改善点をいくつかピックアップします。1.各ゲストのパフォーマンス情報
実行中のゲストのCPU使用率やメモリー使用量、ディスクI/Oレートといったパフォーマンス情報を表示する画面(Activities/アクティビティ)が追加されました。パフォーマンス情報の画面では、リソースモニターのように各ゲストのパフォーマンス情報を一覧で表示します。
2.新しい仮想マシンウィザード
仮想マシン作成時に利用される仮想マシンウィザードが新しくなりました。自動インストールに対応したOSのサポート改善や、ワークフローの改善が行われています。
3.新しいヘルプビューワー
ヘルプビューワーが新しくなりました。これによりユーザーマニュアルのナビゲーション機能や検索機能が改善されています。
4.新しい通知センター
通知センターが新しくなり、仮想マシンの実行状況やエラー報告が1箇所でまとめて表示されるようになりました。5.スクリーンセーバーの無効化機能
対応しているホスト環境でスクリーンセーバーの無効化機能がサポートされました。6.マルチモニター環境のサポート改善
X11(Linux)上のマルチモニター環境でマウス処理が改善され、マルチモニター環境のサポートが改善されました。7.メディアエミュレーションのパフォーマンス改善
メディアエミュレーションの実装が見直され、パフォーマンスが改善されました。8.NATネットワーク設定画面の移動
「環境設定」にあったNATネットワークの設定画面が「Network Manager」に移されました。9.機能拡張設定画面の移動
「環境設定」にあった機能拡張設定画面が「ツール」の「機能拡張」に移されました。オーディオの改善
オーディオに関連する改善点をいくつかピックアップします。1.録音のデフォルトの音声フォーマットがVorbisに
サウンド録音時のデフォルトの音声フォーマットが「Vorbis」になりました。これにより「WebMコンテナー」の音声フォーマットが「Vorbis」になり、「Opus」は使用されなくなりました。
2.ホストオーディオドライバーにデフォルトを追加
ホストオーディオドライバーに「デフォルト」が追加されました。「デフォルト」を選択すると、ホストの環境(プラットフォーム)に合った適切なホストオーディオドライバーが選択されます。
これにより異なるプラットフォーム間で仮想マシンを移動した時に、適切なホストオーディオドライバーを選択し直す必要がなくなりました。