KDE Plasma 6から削除される機能
2023年7月26日、以下で「KDE Plasma 6」から削除される機能が紹介されています。削除される機能に加え「KDE Plasma 6」で変更予定の内容は、以下を参照してください。
KDE Plasma 6
「KDE Plasma 6」は次期メジャーバージョンの「KDE Plasma」です。「KDE Plasma 6」は「Qt 6」ベースで開発されています。
現在の「KDE Plasma 5」は第5世代の「KDE Plasma」であり、「KDE Plasma 6」は文字通り第6世代の「KDE Plasma」になります。
現在の予定では「KDE Plasma 6」が2023年の後半から2024年初頭にリリースされる予定です。
「KDE Plasma 5」がリリースされたのは今から約9年前であり、約10年ぶりのメジャーバージョンアップになります。
「KDE Plasma 6」も「KDE Plasma 5」と同様に軽量でパワフルなデスクトップを提供します。
削除される機能
「KDE Plasma 6」から削除される機能を紹介します。1. KHotkeys
「KHotKeys」はシステム設定のカスタムショートカットページを提供し、ユーザーがグローバルショートカットキーを設定できるようにするソフトウェアです。「KHotKeys」は「Wayland」環境で動作せず、多くの機能に不具合があり、設定やそれを保持するデータフォーマットは貧弱であり、何年もの間十分なメンテナンスが行われてきませんでした。
すでに同種の機能を実現可能な「KGlobalAccel」が存在しており、「KGlobalAccel」をさらに改良することで「KHotKeys」を「KGlobalAccel」で置き換えることになりました。
2. ウィンドウ化されたウィジェットの検索機能の削除
例えば「KRunner」からスタンドアローンのウィンドウとして起動できるPlasmaウィジェットを検索できる機能があります。ユーザーから見ると検索結果に並んだアイテムが実際のアプリなのかPlasmaウィジェットなのか分かりにくい点や、PlasmaウィジェットはPlasmaウィジェット用に設計されているため、実際のアプリと比較すると機能が制限されていたり使い勝手が低下するなどの問題があり、この機能が削除されることになりました。
3. UIのサイズを調整する一部の機能を削除
「KDE Plasma」でUIのサイズを調整したい場合、ユーザーは以下の7種類の方法でUIのサイズを調整できます。- システム設定 > ディスプレイとモニター > ディスプレイの設定 > ディスプレイの解像度設定
- システム設定 > ディスプレイとモニター > ディスプレイの設定 > ディスプレイのスケーリング設定
- システム設定 > 外観 > フォント > フォントのDPI設定
- システム設定 > 外観 > フォント > フォントのサイズ設定
- システム設定 > 外観 >アイコン > アイコンのサイズ設定
- 各KDEアプリで設定可能なアイコンサイズ
- アプリ自身のスケーリング機能
どの設定がどこに作用するのか、どの設定がどの設定に影響を与えるのか、そして設定の競合や衝突がユーザーから見て非常に分かりづらく、混乱させる原因になっています。
この状況を改善するため「Wayland」環境では上記の「3.」を削除し、すべての環境で「5.」を削除することになりました。
4. 一部のタスクスイッチャーの削除
以下のタスクスイッチャーは他のタスクスイッチャーと比べると使い勝手が悪いため、削除されることになりました。- グリッド
- インフォマティブ
- 小さいアイコン
- テキストのみ
- サムネイル
5. Air Plasmaスタイルの削除
「Air」Plasmaスタイルは何年もの間メンテナンスされておらず、削除されることになりました。6. アクティビティーごとの電力設定の削除
この機能はユーザーから積極的に利用される機能ではなく、他に似たような機能を実現できる代替手段があり、加えて実装が複雑でメンテナンスコストの増大につながるため、この機能は削除されることになりました。7. システム設定のアイコンビューの削除
システム設定にサイドバービューが導入されて以来、サイドバービューがデフォルトのビューになっており、何年もの間メンテナンスが行われていません。また変更された設定を強調表示する機能など、サイドバービューで導入された優れた機能も導入されていません。
しかしサイドバービューよりもアイコンビューのほうがキーボード操作が容易であり、今までアイコンビューが残されてきました。
アクセシビリティーの改善によりこの状況も改善されたため、アイコンビューはシステム設定から削除されることになりました。
8. Plasmaスタイルのアイコン削除
Plasmaウィジェットが利用するアイコンは、現在のアイコンテーマもしくはPlasmaスタイルのいずれかから取得しています。この状況はユーザーから見てどのアイコンが利用されるのかがわかりにくいため、Plasmaスタイルのアイコンは削除され、Plasmaウィジェットは常に現在のアイコンテーマから取得するように変更されました。
9. Unsplashから壁紙を取得する機能の削除
Unsplashから画像を取得して壁紙に設定する機能(Unsplash Picture of the Day)が削除されました。UnsplashはAIの機械学習によるデータ収集に対抗するためAPIキーを求めるようになり、Plasmaから利用できなくなったためです。