Ubuntu Touch OTA-2がリリースされました
2023年7月29日、「Ubuntu Touch OTA-2」がリリースされました。Ubuntu Touchとは
「Ubuntu Touch」は、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス向けのOSであり、ユーザーのプライバシーと自由を尊重するOSです。UbuntuベースのOS
「Ubuntu Touch」は「Ubuntu」ベースで開発されているOSであり、開発は「UBports」コミュニティーにより行われています。モバイルのUXとデスクトップのUX
外部ディスプレイとキーボード、そしてマウスをモバイルデバイスに接続すれば、UIがデスクトップ向けのUIに変化し、デスクトップとして活用することもできます。つまり1つのモバイルデバイスで、モバイルのUXとデスクトップのUXを利用することができます。
Ubuntu Touchがサポートしているデバイス
「Ubuntu Touch」がサポートしているデバイスや、各デバイスで利用可能な機能及び制限は、以下を参照してください。Ubuntu Touchインストーラー
「Ubuntu Touch」は「UBports Installer」を利用してインストールします。「UBports Installer」は、「Windows」「macOS」「Linux」に対応しています。
「UBports Installer」の使い方は、以下の動画を参考にしてください。
Ubuntu Touch OTA-2
今回リリースされた「Ubuntu Touch OTA-2」は、「Ubuntu 20.04 LTS」ベースの「Ubuntu Touch」です。「Ubuntu 16.04 LTS」ベースの「Ubuntu Touch」は、以前紹介した「Ubuntu Touch OTA-25」で最後になります。
対象デバイス
今回リリースされた「Ubuntu Touch OTA-2」は、以下のデバイスが対象になっています。- Fairphone 3
- Fairphone 4
- F(x)tec Pro1 X
- Google Pixel 3a / 3a XL
- Oneplus 5 / 5T
- OnePlus 6 / 6T
- Vollaphone / Vollaphone X
- Vollaphone 22
- Vollaphone X23
- Xiaomi Mi A2
- Xiaomi Poco M3
- Xiaomi Redmi Note 7 / 7 Pro
Pine64について
以下のデバイスについては、個別にアップデートが提供されます。- PinePhone
- PinePhone Pro
- PineTab
stableチャンネルでのアップデートリリースでは、「OTA-1」の名称は付きません。
主な変更点
主な変更点をピックアップします。1. 対象デバイスの追加
以下のデバイスが新たに対象になりました。- Fairphone3
- Vollaphone X23
- F(x)tec Pro1 X
2. 設定画面の改良
サウンド設定画面などいくつかの設定画面で、UIの一貫性が改善されました。3. エッジジェスチャーの改善
Lomiriのエッジジェスチャーの感度をシステム設定のジェスチャーから調整できるようになりました。スマホケース装着時などエッジ領域を簡単に拡大することもできますし、感度が高すぎて誤操作につながる場合は、その感度を抑えることもできます。
ただし現状はダブルタップでスタンバイから復帰するデバイスでのみこれらの設定が表示されます。
4. 物理カメラボタンのサポート改善
物理カメラボタンのサポートが改善され、「Xperia X」の物理カメラボタで写真を撮影したり、映像を録画できるようになりました。5. ファイルマネージャーアプリの改善
「Content Hub」利用時に、ファイルマネージャーアプリが従来よりもスムーズに動作するようになりました。6. 壁紙設定画面の改善
壁紙の設定画面では、ユーザーが追加した壁紙を一覧から削除できるようになりました。不具合の修正
不具合の修正です。1. APNのリセット機能の修正
APNの設定をデフォルトにリセットする機能が修正されました。2. ホットスポットの安定性改善
ホットスポット有効時の安定性が改善されました。特に「Volla Phone」でホットスポットの有効と無効を切り替える時の安定性が改善されました。
また同様に「Volla Phone」ではパスワードで保護されたホットスポットを利用できるようになりました。
- nmofono: increase the wait time for the hotspot connection to activate
- Improve handling of failure to enable hotspot from NM
- hotspot-manager: show a notification when an error occurs
- allow WPA-PSK-SHA256 be disabled
3. Bluetoothの安定性改善
Bluetoothサービス再起動後の不安定さが改善され、Bluetoothの安定性が向上しました。4. プリインストールアプリの再インストールが可能に
プリインストールアプリを削除した後に、再度プリインストールアプリを再インストールできるようになりました。5. SIMアンロック画面が表示されない不具合の修正
デバイスの起動時にPINが設定されたSIMが挿入されていた場合、SIMのアンロック画面が表示されない不具合が修正されました。6. XWaylandのスプラッシュスクリーンが表示される不具合の修正
Xアプリケーション起動時にダミーのXWaylandのスプラッシュスクリーンが表示される不具合が修正されました。7. 動画のシーク不具合修正
QtWebEngineが「QtWebEngine 5.15.14」にアップデートされ、動画のシークで発生する不具合が修正されました。- debian: Fix stuck video seek in hybris OMX patch
- Upgrade QWE to 5.15.14, fixes SW video playback on armhf devices
8. バッテリー充電モード時の安定性改善
「Volla Phone」など一部のデバイスでバッテリー充電モード時に、デバイスのパワーオンとオフが繰り返される不具合が修正されました。9. メディア再生の不具合修正
ClickアプリでClickアプリ自身が提供しているメディアを再度再生できない不具合が修正されました。10. カスタムアラートの不具合修正
カスタムアラートを選択する機能の不具合が修正されました。11. 動画再生の不具合修正
「MediaTek SoC」を搭載したデバイスで動画再生に関する不具合が修正されました。12. Morph Browserの不具合修正
「Morph Browser」でセッション内で常に証明書のエラーが表示されるように修正されました。13. combined APN機能の復元
「combined APN」の機能を再び利用できるようになりました。これにより特定のキャリアを手動でAPNに設定した時に発生するMMSの送信に関する不具合が修正されました。
ただし現状APNデータベースが最新ではなく、多くのキャリアでそのままではMMSが動作しません。
14. カメラの許可画面が表示されない不具合の修正
一部のデバイスでカメラ利用時に、カメラの使用許可を確認する画面が表示されない不具合が修正されました。Ubuntu Touch OTA-2をインストールするには
「Ubuntu Touch OTA-2」をインストールする方法です。1. stableチャンネルでUbuntu Touchを利用している場合
現在「stable」チャンネルですでに「Ubuntu Touch」を利用している場合、「System Settings」の「Updates」画面から「Ubuntu Touch OTA-2」へアップデートできます。ただしアップデートはリリース日以降ランダムに提供されるため、デバイスによってアップデートを受け取れる時期が異なります。
これはアップデートに問題が見つかった際に、ユーザーへの影響を軽減するための措置です。
またアップデートを自動ダウンロードに設定している場合、アップデート可能になったら自動的に通知が表示されます。
即座にアップデートを適用したい場合
即座にアップデートを適用したい場合、まずデバイスのADBアクセスを有効にします。次に「adb shell」上で以下のコマンドを実行します。
sudo system-image-cli -v -p 0 --progress dots
2. Ubuntu Touchを新規にインストールする場合
「Ubuntu Touch」を新規にインストールする場合、以下を参考にして「Ubuntu Touch OTA-2」をインストールしてください。不具合を見つけた時は
不具合を見つけた時は、まず以下のドキュメントに目を通し不具合の報告方法を確認してください。また各デバイスごとにGitlabにリポジトリーが用意されていますので、その各リポジトリーの「issues」にすでに不具合が報告されていないか確認してください。
デバイスごとのリポジトリーは「Ubuntu Touch devices」からアクセスできます。