Flavor Sync Meeting(2023/11/5)
2023年11月17日、2023年11月5日に開催された「Flavor Sync Meeting」の議事録が公開されました。Flavor Sync Meeting
このミーティングはUbuntuの公式フレーバーのリーダーとCanonicalやコミュニティーのリーダーが集まり、2ヶ月に一度定期的に開催されています。Ubuntuの公式フレーバーはUbuntuの変更に追従していく必要があるため、認識や課題の共有など開発の足並みを揃えるために、このミーティングが開催されています。
いくつかピックアップします。
1. Ubuntu 24.04 LTSに向けた話し合い
次期メジャーバージョンの「Ubuntu 24.04 LTS」に向け、「Canonical」のマネージャーと公式フレーバーがロードマップも含めた話し合いを行いました。この話し合いでは主に以下の話題が中心になりました。
- 新インストーラーへの移行
- App Center(アプリケーションストア)
- Security Center
- AppArmor プロファイル
- Flutterへの積極的な関与
- Ubuntu Core Desktop
特に話題になったのが新インストーラーへの移行です。
「Ubuntu」は従来のインストーラーを将来的に廃止したいと考えています。
「Ubuntu 23.10」で新インストーラーへ移行した公式フレーバーは「Ubuntu Budgie」のみです。
「Ubuntu 24.04 LTS」で新インストーラーへ移行する公式フレーバーが増えることになるでしょう。
2. Raspberry Pi 5に対応したディスクイメージ
「Ubuntu Desktop」と「Raspberry Pi」に関わっている「Canonical」のプロダクトマネージャーが、「Raspberry Pi 5」に対応したディスクイメージに関心があるかどうかを公式フレーバーに尋ねました。これに対し多くの公式フレーバーが関心を示しました。
「Ubuntu」は「Ubuntu 23.10」で「Raspberry Pi 5」に対応したディスクイメージをリリースしましたが、将来的に公式フレーバーでも「Raspberry Pi 5」に対応したディスクイメージが公式にリリースされるようになるかもしれません。
3. 公式フレーバーのデザイナーグループ
「Ubuntu Studio」の開発者が公式フレーバーに焦点をあてたデザイナーグループを立ち上げたいとの要望を挙げました。横断的に公式フレーバーに関与するアーティストやデザイナーを集めたデザイナーグループを作ることで、リソースの断片化を軽減し、公式フレーバー間のコラボレーションを促進することが目的です。
4. Asahi Linuxのイメージ
「Asahi Linux」の主要な開発者兼「OpenBSD」の開発者兼「Canonical」のセキュリティーエンジニアが、公式フレーバーが「Asahi Linux」のイメージを入手できるよう手助けしたいとの支援を提案しました。「Asahi Linux」は「Apple silicon」に「Linux」を移植するプロジェクトです。
5. Regolith Linuxの公式フレーバーに向けた取り組み
「Regolith Linux」はデスクトップ環境に「Regolith Desktop」を採用した「Ubuntu」ベースの派生ディストリビューションです。「Regolith Linux」の開発者が「Ubuntu」の公式フレーバー化に向け取り組んでいます。
さて「Ubuntu」には公式フレーバーになるための手続きがあります。
公式フレーバーを目指しているプロジェクトから見て公式フレーバーになるための手続きに不明瞭な箇所はないか、またプロジェクトが助けを求めている時にどのようにコンタクトを取ればよいのか、「Regolith Linux」の取り組みを契機に、「Regolith Linux」を含め今後公式フレーバーを目指すプロジェクトがそのプロセスを明瞭に把握できるよう、プロセスやドキュメントの不備を確認する作業も行われています。