Debianで32bit版の提供終了に向けた動き
「Debian」で32bit版の提供終了に向け、以下の情報がアナウンスされました。Debian 32bit版
ここでいう32bit版とはx86アーキテクチャーのことです。現在の一般的なPCは64bitに対応したx86-64アーキテクチャーですね。
64bitに対応したCPUが登場してから約20年近く経ちます。
ちなみにUbuntuではすでに32bit版の提供を終了しています。
何が提供されなくなるのか
Debianには役割ごとに様々なチームがあり、各チームごとにリリースする成果物や取り組みが異なります。今回のアナウンスでは近い将来、以下のチームが32bit版のサポートを廃止する予定です。
例えばDebianをインストールする時に、Debianのディスクイメージをダウンロードし、ディスクイメージからライブUSBメモリーなどライブメディアを作成し、ライブメディアからDebianを起動してDebianをインストールする方法があります。
このインストール方法は無くなります。
つまり言い換えれば、OSとしてのDebian 32bit版は提供されなくなります。
何が提供されるのか
32bit版のアプリ環境は引き続き提供される予定です。つまりDebian 64bit版上で32bit版のアプリを利用する環境は残される予定です。
そもそもLinux kernel 64bit版は、32bit版のアプリ(ソフトウェア)を実行する機能を持っています。
後はアプリが動作するのに必要なライブラリーなどの環境が揃っていれば、Debian 64bit版上で32bit版のアプリを起動できるようになります。
Windowsで言えば、Windows 64bit版上で32bit版のアプリを利用するようなものです。
またchrootを利用したDebian 32bit環境も利用可能です。
chrootは今で言うコンテナみたいなものです。
言い換えればDebian 64bit上にDebian 32bit環境を作るということです。
ただし32bit版のアプリの起動に必要なライブラリーなどを含むパッケージを今後も継続的に提供するかどうかは、各パッケージのメンテナーの判断に依ります。