Linux Mint 22の新機能と変更点
リリースノートから Linux Mint 22 の新機能と変更点を紹介します。リリース情報
各エディションのリリース情報やリリースノートは、以下を参照してください。Linux Mint 22 は、Ubuntu 24.04 LTS がベースになっています。
Ubuntu 24.04 LTS のリリース情報や既知の問題は、以下を参照してください。
サポート期間
「Linux Mint 22」はLTSリリースであり、2029年までサポートされます。補足
ここでは Linux Mint 22 全体の新機能と変更点を紹介します。Linux Mint 22 Cinnamon Edition 固有の新機能と変更点は、以下を参照してください。
1. 言語サポートの改善
Linux Mint 22 のインストールプロセスが改善され、ローカライズのサポート改善やストレージの消費量が削減されました。不要な言語パッケージの削除
英語及びユーザーが選択した言語以外の言語パッケージは、Linux Mint のインストールの最後に削除されるようになりました。以前のバージョンではユーザーが利用しない言語パッケージも含まれていたため、ストレージの容量が余計に消費されていました。
今回の改善によりインストール後のストレージの消費量が大幅に削減されました。
言語パッケージの自動ダウンロード
インターネットに接続された状態で Linux Mint をインストールした場合、ユーザーが選択した言語に対応した言語パッケージが自動的にダウンロードされます。ダウンロードが不要な言語
以下の言語を選択してインストールする場合、これらの言語に対応した言語パッケージは予めディスクイメージに含まれているため、インターネットに接続していない環境で Linux Mint をインストールしても、これらの言語に対応した言語パッケージはインストールされます。- English
- German
- Spanish
- French
- Russian
- Portuguese
- Dutch
- Italian
1. 新しいハードウェアのサポートとシステムの導入
Linux Mint 22 は Ubuntu 24.04 LTS がベースになったこともあり、新しいハードウェアのサポート及び新しいシステムが導入されています。1. Linux kernel 6.8 の採用
Linux kernel のバージョンが Linux kernel 6.8 にアップグレードされ、新しいハードウェアのサポートが改善されています。また今後リリースされる Linux Mint 22 のポイントリリースでは、Ubuntu LTS と同様に HWE カーネルが導入され、Linux kernel がアップグレードされていきます。
2. サウンドサーバーの変更
Ubuntu と同様にデフォルトのサウンドサーバーが PipeWire に変更されました。3. ソフトウェアソースの改善
APT リポジトリーを管理するソフトウェアソースでは、新しいリポジトリーソース形式の DEB822 フォーマットに対応しました。4. テーマのアップデート
テーマが GTK4 に対応しました。5. JXL 画像フォーマットのサポート
Pix 及び サムネイラーが JXL 画像フォーマットに対応しました。6. HiDPI のサポート改善
OS 起動時に使用される Plymouth 及び Slick-Greeter で、 HiDPI のサポートが改善されました。2. ソフトウェア全般
ソフトウェア全般の変更点です。1. Thunderbird
Ubuntu では Thunderbird が deb版 Thunderbird から Snap版 Thunderbird へと移行しましたが、Linux Mint 22 では引き続き deb版 Thunderbird を採用しています。2. オンラインアカウント
GNOME 46 でオンラインアカウントのサポートに必要なライブラリーが GTK3 で利用できなくなりました。そこで Linux Mint が牽引する Xapps プロジェクトでは、GNOME Online Accounts GTK と呼ばれるスタンドアローンなオンラインアカウントアプリを開発しました。
このアプリは Linux Mint 専用のアプリではなく、Budgie や Unity といった同様の事情を持つ他のデスクトップ環境でも活用可能なアプリです。
Linux Mint 22 ではすべてのエディションでオンラインアカウントアプリに GNOME Online Accounts GTK を採用しました。
3. アプリ構成の変更
Ubuntu 24.04 LTS では多くの GNOME アプリケーションが libAdwaita に移行しました。これによりシステムテーマがサポートされなくなりました。
この状況を回避するため、まず GNOME Font Viewer が削除され、以下のアプリは GTK3 を利用するバージョンにダウングレードされました。
- Celluloid
- GNOME Calculator
- Simple Scan
- Baobab
- System Monitor
- GNOME Calendar
- File Roller
- Zenity.
4. Sticky
Sticky は付箋アプリです。
- 付箋アプリの Sticky をコマンドラインから操作できるようになりました。
これによりキーバインドを通じたノートの作成やノートへのアクセスが容易になりました。 - 新規に作成したノートの配置位置をカスタマイズできるようになりました。
5. Xed
Xed はテキストエディターです。- 編集メニューの複製をクリックするか、Ctrl+Shift+D キーを押して選択されているテキストを複製できるようになりました。
- 最後のタブが閉じられた時に、アプリを終了するオプションが追加されました。
- 最近使用したファイルの履歴数が5から10に拡大されました。
6. Timeshift
Timeshift はバックアップアプリです。スナップショットを削除する時に、確認画面が表示されるようになりました。
7. WebApp Manager
WebApp Manager はウェブアプリを管理するアプリです。WebApp Manager で Firefox ウェブアプリを作成した場合、そのウェブアプリではタブを開いた時など必要に応じてメニューバーとツールバーが表示されるようになりました。
8. GIMP ファイル用のサムネイラー
GIMP で作成されたファイルのサムネイラーが開発されました。xapp-thumbnailer-gimp パッケージから導入できます。
9. Xfce の Xapp プラグイン
xfce4-xapp-status-plugin トレイアプレットでは、フルカラーアイコンやシンボリックアイコンのアイコンサイズを調整できるようになりました。3. ソフトウェアマネージャー
アプリを管理するソフトウェアマネージャーの変更点です。パフォーマンスの向上
パフォーマンスが向上し、メインウィンドウが即座に表示されるようになりました。UIの改良
設定ページが新しくなり、アプリの紹介バナーやスライドショーが表示されるようになりました。未検証の Flatpak アプリが非表示に
以前紹介したように Flatpak アプリには、検証された Flatpak アプリと検証されていない Flatpak アプリがあります。検証されていない Flatpak アプリの利用にはセキュリティーリスクが伴います。
ユーザーは検証されていない Flatpak アプリに対し、信用の確立が困難であるとの現実があります。
そこでソフトウェアマネージャーでは、検証された Flatpak アプリに対しアプリの紹介画面でその Flatpak アプリのメンテナー(パブリッシャー)の名前を表示するようになりました。
また検証されていない Flatpak アプリはデフォルトで表示されなくなりました。
未検証の Flatpak アプリの利用
未検証の Flatpak アプリを利用するには、設定画面から未検証の Flatpak アプリを表示するオプションを有効にしてください。オプションを有効にすれば、以下のように未検証の Flatpak アプリも表示されるようになります。
未検証の Flatpak アプリではその旨を示す警告が表示され、アプリのレビューやスコア評価は表示されません。
未検証の Flatpak アプリにはセキュリティーリスクが伴うため、未検証の Flatpak アプリをインストールする場合は十分に留意してください。
4. Matrix
Hexchat の終了に伴い、Linux Mint は Matrix に移行しました。Matrix は オープンな IRC(チャットサービス)で、Slack や Discord のようなモダンな使い勝手及びデザインを提供します。
Matrix のプリインストール
Linux Mint 22 では Matrix ウェブアプリがプリインストールされるようになりました。Linux Mint の公式スペースに簡単に接続できるようになっています。