Ubuntu 25.04 の注目機能
Ubuntu 25.04 の注目機能を紹介します。Ubuntu Desktop
Ubuntu Desktop の注目機能です。GNOME 48
Ubuntu 25.04 はデスクトップ環境に最新の GNOME 48 を採用しています。Preserve Battery Health 機能
GNOME 48 ではバッテリーの充電制御を最適化することでバッテリーの寿命を延ばす Preserve Battery Health 機能が搭載されました。バッテリーの充電を 80 %で停止し、バッテリーの寿命を延ばすことができます。
いわゆるバッテリーいたわり機能のことです。
Wellbeing 機能
GNOME 48 に Wellbeing 機能が搭載されました。Wellbeing 機能は毎日スクリーンの利用時間を記録し、過去の利用状況との比較を表示する機能です。
Wellbeing 機能ではスクリーンの利用時間を記録するだけでなく、日々利用可能なスクリーンタイムの最大時間を指定し、その日のスクリーンタイムの総時間がその最大時間を過ぎた時に、デスクトップ通知を表示することもできます。
またオプションで UI をモノクロームで表示することも可能です。
他にも目や体の休憩及び運動の時間をお知らせする機能もあります。
HDR のサポート
HDR(High Dynamic Range/ハイダイナミックレンジ)がサポートされました。HDR に対応しているモニターを接続し、HDR に対応したアプリを利用している場合、HDR で映像を出力できるようになりました。
トリプルバッファリングのサポート
GNOME 48 にトリプルバッファリングのサポートが加わりました。トリプルバッファリングによりデスクトップの描画パフォーマンスが向上し、なめらかな描画が可能になりました。
トリプルバッファリングは元々 Ubuntu で実装され Ubuntu で採用されてきた機能ですが、GNOME 48 で GNOME 自身に Ubuntu で実装されたトリプルバッファリングが取り込まれました。
これにより GNOME 48 を採用する他の Linux ディストリビューションでも、トリプルバッファリングによりパフォーマンスが向上します。
新しいドキュメントビューアー
PDF ドキュメントビューアーとして今までは Evince が採用されていましたが、Papers に変更されました。Papers は Evince を Rust で書き直したアプリです。
GTK4 に対応したモダンなアプリであり、パフォーマンスが改善され使い勝手も向上しています。
ジオロケーションサービス
ジオロケーションサービスのバックエンドに beaconDB を使用するようになりました。今までは Mozilla Location Service を利用していましたが、このサービスは昨年終了したため、代わりに beaconDB を使用するように変更されました。
この新しいジオロケーションサービスでは、自動的にタイムゾーンを検出する機能や、天気予報、夜間モードといった便利な機能をデスクトップにもたらします。
Linux kernel 6.14 採用
Linux kernel に Linux kernel 6.14 が採用されました。最新の Linux kernel
Linux kernel 6.14 は 2025年3月24日にリリースされた最新の Linux kernel です。Ubuntu(Canonical)では、最新の Linux kernel を採用する新しいポリシーが導入されました。
新しいスケジューリングシステム
Linux kernel に新しいスケジューリングシステムが搭載されました。この新しいスケジューリングシステムは sched_ext であり、eBPF プログラムとしてスケジューリングポリシーを実装するための仕組みを提供します。
これによりカーネル開発者は、ユーザー空間で動作するプログラムにスケジューリングの決定を任せることができます。
さらに完全にホットスワップ可能な Linux スケジューラーを実装することもできます。
これはユーザー空間で利用可能な任意のプログラミング言語やツール、ライブラリー、リソースを利用して実装できます。
新しい NTSYNC ドライバー
WinNT の同期プリミティブをエミュレートする新しい NTSYNC ドライバーが利用可能になりました。これにより Wine や Proton(Steam Play)上で動作する Windows 向けのゲームのパフォーマンスが向上する可能性があります。
bpftools と linux-perf ツールが別パッケージに
bpftools と linux-perf ツールは Linux kernel バージョンから分離され、それぞれ別パッケージで提供されるようになりました。これによりコンテナーで作業する開発者は、従来よりも柔軟に依存関係を管理できるようになりました。
インストーラーと OS 起動時の利便性向上
Ubuntu Dekrop Installer と Ubuntu 起動時の利便性が改善されました。Windows と Ubuntu のデュアルブートのサポート改善
Windows と Ubuntu のデュアルブートのサポートが改善されました。これは主に BitLocker で暗号化され保護されている Windows と共存して Ubuntu をインストールする機能の改善です。
大抵 Windows は BitLocker で暗号化されているケースが大半なので、そこに着目した使い勝手の改善にあたります。
高度なオプションも利用可能に
デュアルブート構成で活用される暗号化インストールやその他高度なオプションも利用可能になりました。Dracut も利用可能に
Dracut は initramfs-tools の代替ソフトウェアです。Dracut は以前紹介していますので、以下を参考にしてください。
また Dracut への移行計画は、以下を参考にしてください。
ちなみに Ubuntu 25.10 で Dracut がデフォルトになる予定です。
最先端のツールチェーンと devpacks
最先端のツールチェーンと devpacks が利用可能です。最新のツールチェーン
Ubuntu 25.04 では 最新のツールチェーンを採用しています。Python や Golang、Rust、.NET、LLVM、OpenJDK、GCC といった開発者向けのソフトウェアが充実しています。
最先端のツールチェーン
利用できるのは最新のツールチェーンだけではありません。アーリーアクセス版の OpenJDK 24ea や OpenJDK 25ea、GCC 15 も利用可能です。
Snapcraft の .NET サポートの改善
Snapcraft は Snap パッケージの生成に使用されるソフトウェアです。Snapcraft の .NET プラグインが改良され、.Net content snaps のサポートが改善されました。
また MSBuild オプションとの互換性が向上しました。
devpacks
devpacks はソフトウェアプロジェクトのセットアップや保守、公開を支援するツール群をまとめた Snap パッケージです。devpacks に Spring 向けの devpacks が登場し、Ubuntu で利用可能なツールチェーンが拡大しました。
現在 Spring Framework 6.1 / 6.2 と Spring Boot 3.3 / 3.4 が利用可能です。
運用性とネットワーク制御の改善
システム管理者向けの運用性とネットワーク制御のサポートが改善されました。authd の改良
authd はクラウド認証プロバイダー向けの新しい認証サービスです。authd が強化され、Google IAM に対応しました。
以下の機能も引き続き利用可能です。
また最新版の Polkit にも対応しています。
NTS タイムサーバーに対応
NTS に対応したタイムサーバーを利用できるようになりました。これによりデフォルトでセキュリティーが強化されたネットワークタイムを活用できるようになりました。
SHA-256 に対応した WPA-PSK のサポート
Ubuntu Desktop でネットワークを管理する NetworkManager では、SHA-256 に対応した WPA-PSK がサポートされました。従来の WPA-PSK よりもより安全に WiFi ネットワークにアクセスできるようになります。
routing-policy 設定のサポート
NetworkManager のバックエンドで routing-policy 設定を指定できるようになりました。DNS サーバーの構成完了設定
Netplan と systemd-networkd-wait-online に DNS サーバーの構成完了を待つ設定が追加されました。これによりネットワークの接続性チェックの精度が向上しました。
ハードウェアのサポート強化
ハードウェアのサポートが強化されました。ARM64 向け Ubuntu Desktop
ARM64 向け Ubuntu Desktop のイメージが利用可能になりました。ARM64 に対応した仮想マシンやノート PC に簡単に Ubuntu Desktop をインストールできるようになりました。
Intel GPU のサポート改善
Intel Battlemage GPU(iGPU / dGPU) のサポートが改善されました。Intel Core Ultra 200V シリーズに内蔵されている Intel Arc GPU のサポートに加え、Intel Arc B580 / B570 dGPU もサポートされました。
レイトレーシングレンダリングのパフォーマンス向上
Intel Embree のサポート共に、CPU 及び GPU の レイトレーシングレンダリングのパフォーマンスが向上しました。例えば Blender 4.2 以降ではこの恩恵にあずかれるでしょう。
また GPU によるレイトレーシングのハードウェアアクセラレーションを活用した場合、レイトレーシングコンポーネントのパフォーマンスが 2倍から4倍に向上するため、フレームレンダリングのパフォーマンスが 20% から 30% 向上します。
Battlemage によるエンコード
Battlemage によるエンコードでは、ハードウェアアクセラレーションによる AVC / JPEG / HEVC / AV1 エンコードがフルサポートされました。CCS Optimization
Intel Compute Runtime に新しく導入された CCS Optimization も利用可能です。デバッグのサポート
Intel Xe GPU のデバッグがサポートされました。コンフィデンシャル コンピューティング
コンフィデンシャル コンピューティング(機密コンピューティング)の面では、仮想マシンのワークロードを不正アクセスから保護するよう、セキュリティーが強化されました。ソフトウェア実行時にメモリー上に展開される機密コード及びデータは、Trusted Execution Environment によって暗号化され、安全性が向上しています。
また AMD SEV-SNP 及び Intel TDX にも標準で対応しており、安全性強化に活用されています。
QEMU 9.2 が AMD SEV-SNP に対応
QEMU 9.2 で AMD SEV-SNP に対応しました。これにより ホスト OS と ゲスト OS に Ubuntu を導入して、機密性の高い仮想マシンを活用できるようになりました。





