キャッシュの削除とLinux Kernelの削除
「Janitor」のタブをクリックすると、アプリやシステムのキャッシュや、古いバージョンのLinux Kernelを削除することができます。以下の画面が表示されます。
アプリのキャッシュについて
各アプリが作成するキャッシュのことです。アプリのキャッシュを削除するときは、念の為そのアプリを終了しておくと良いでしょう。
システムのキャッシュについて
システムのキャッシュは、主にパッケージ管理システムに関わるキャッシュです。システムのキャッシュを削除するときは、パッケージ管理システムに関わるアプリを終了しておきます。
主なアプリとしては、「Synaptic」や「アップデートマネージャー」、「ソフトウェアの更新」、「Ubuntu ソフトウェアセンター」が該当します。
古いバージョンのLinux Kernelの削除について
Linux Kernelは新しいバージョンにアップデートされても、アップデート前のLinux Kernelが削除されず、インストールされたままになります。これは新しいバージョンのLinux Kernel利用時にトラブルが発生した場合、アップデート前のLinux Kernelで起動できるようにするためです。
従って古いバージョンのLinux Kernelを削除する場合は、現状利用しているLinux Kernelが安定して動作していることを確認する必要があります。
よく分からない場合は、削除しないほうが良いでしょう。
あるいは、一つ前のバージョンを残しておくと良いでしょう。
よくあるトラブルの一つに、Linux Kernelを新しいバージョンにアップデートしたら無線LANが接続できなくなった、というトラブルがあります。
UI構成
「Janitor」のUI構成です。1.アプリ
キャッシュのチェックを行うアプリの一覧です。チェックを入れたアプリが、チェックの対象になります。
この一覧に表示されるアプリは、アプリのインストール状況により異なります。
「アプリ」にチェックを入れると、すべてのアプリにチェックがつきます。
Chromeのキャッシュ
Google Chromeのキャッシュです。「~/.cache/google-chrome/Default」フォルダーがチェック対象になります。
Chromiumのキャッシュ
Chromiumウェブ・ブラウザーのキャッシュです。「~/.cache/chromium/Default」フォルダーがチェック対象になります。
Firefoxのキャッシュ
Firefoxのキャッシュです。「~/.mozilla/firefox」フォルダーがチェック対象になります。
Thunderbirdのキャッシュ
Thunderbirdのキャッシュです。「~/.thunderbird」フォルダーがチェック対象になります。
Empathyのキャッシュ
Empathyのキャッシュです。「~/.cache/telepathy」フォルダーがチェック対象になります。
Google Earthのキャッシュ
Google Earthのキャッシュです。「~/.googleearth」フォルダーがチェック対象になります。
Gwibberのキャッシュ
Gwibberのキャッシュです。「~/.cache/gwibber」フォルダーがチェック対象になります。
Operaのキャッシュ
Operaのキャッシュです。「~/.opera/cache」フォルダーがチェック対象になります。
ソフトウェアセンターのキャッシュ
Ubuntuソフトウェアセンターのキャッシュです。「~/.cache/software-center」フォルダーがチェック対象になります。
2.システム
パッケージ管理システムのキャッシュや、古いバージョンのLinux Kernelなどシステムに関する項目です。各項目にチェックを入れると、キャッシュチェックの対象になります。
「システム」にチェックを入れると、システム以下すべての項目にチェックがつきます。
Aptのキャッシュ
パッケージ(アプリ)をインストールする際、まずパッケージのダウンロードを行います。ダウンロードしたパッケージはキャッシュとして、「/var/cache/apt/archives」フォルダーに保存されます。
パッケージを再インストールする際、キャッシュされたパッケージが利用できるため、再ダウンロードを行わなくて済みます。
「Aptのキャッシュ」ではこれらキャッシュされたパッケージをチェック対象にします。
パッケージ設定ファイル
削除済みパッケージの設定ファイルです。設定ファイルと行っても、「/etc」フォルダーにあるような設定ファイルではなく、パッケージそのものの設定ファイルです。
「/var/lib/dpkg/info」フォルダーがチェック対象になります。
古いカーネル
古いバージョンのLinux Kernelをチェックします。チェック対象になるLinux Kernelのパッケージ名は以下になります。
- linux-image
- linux-image-extra
- linux-headers
- linux-image-debug
- linux-ubuntu-modules
- linux-header-lum
- linux-backport-modules
- linux-header-lbm
- linux-restricted-modules
パッケージ名に含まれるバージョン表記は除きます。
不要なパッケージ
もう必要のないパッケージがチェック対象になります。「apt-get autoremove」相当の処理になります。
3.個人用
各ユーザーのキャッシュのチェックです。各項目にチェックを入れると、キャッシュチェックの対象になります。
「個人用」にチェックを入れると、すべてのアプリにチェックがつきます。
サムネイルのキャッシュ
Nautilusなどが作成する画像や動画等のキャッシュです。Ubuntu 12.04では「~/.thumbnails」フォルダーがチェック対象になります。
Ubuntu 12.10以降では「~/.cache/thumbnails」フォルダーがチェック対象になります。
4.スキャン結果
「1.」「2.」「3.」でチェックを入れた項目のスキャン結果(チェック結果)が表示されます。ここで表示されたアイテムを削除できます。
削除をするには、各項目のチェックをオンにします。
5.「消去」ボタン
「4.」でチェックを入れたアイテムを削除します。6.「スキャン」ボタン
「1.」「2.」「3.」でチェックを入れた項目のスキャン(チェック)を行います。自動スキャンが有効な場合、このボタンは表示されません。
自動スキャンについて
自動スキャンを有効にすると、「1.」「2.」「3.」でチェックを入れた瞬間にスキャンが行われます。PCの性能が低く処理が重い場合は、自動スキャンをオフにするとよいでしょう。
自動スキャンの設定は、Ubuntu Tweakの設定画面から行います。