Greeterについて
Greeter(グリーター)は、LightDMでログイン画面のUIを提供する仕組みです。ユーザーがログイン画面で目にしているのは、GreeterとそのGreeter用のテーマが適用された画面です。
Greeterにはいくつか種類があり、Ubuntuでは「Unity Greeter」を採用しています。
Unity Greeter
Ubuntuが標準で採用しているGreeterです。デフォルトの「Unity Greeter」のテーマは「Ambiance」です。
「Unity Greeter」のテーマについては、「Ubuntu Tweak」を参考にしてください。
Unity Greeterの設定
「Unity Greeter」の設定は、「lightdm」ユーザーのdconfデータベースに保存されます。従って「Unity Greeter」の設定を変更するには、「lightdm」ユーザーでdconfデータベースを操作する必要があります。
dconfエディターの起動
今回はdconfエディターを使用して、「Unity Greeter」の設定を変更してみます。まずは、「lightdm」ユーザーでdconfエディターを起動します。
1.Xサーバーの設定
以下のコマンドを実行し、Xサーバーのアクセスコントロールリストに「lightdm」ユーザーを追加します。xhost si:localuser:lightdm
2.dconfエディターの起動
次に以下のコマンドを実行します。gksudo -u lightdm dconf-editor
3.起動完了
以下のように「lightdm」ユーザーで「dconfエディター」が起動します。ちなみにNautilusを起動すると、「lightdm」ユーザーのホームフォルダーは「/var/lib/lightdm」であることが分かります。
ということは「lightdm」ユーザーのdconfデータベースは、「/var/lib/lightdm/.config/dconf」フォルダー内にあることが分かります。
4.Unity Greeterの設定
Unity Greeterの設定は、「com.canonical.unity-greeter」内にあります。dconfエディターの左側の階層から追っていくと、以下のように設定一覧が表示されます。
Unity Greeterの設定
Unity Greeterの設定項目の説明です。background
デフォルトの背景画像を指定します。デフォルトの背景画像は「Ubuntu Tweak」で変更することもできます。
background-color
背景色を指定します。背景画像がない場合や背景画像が表示される前に、ここで指定された色が表示されます。
CSSのカラーコードと同じ書き方です。
数値で指定する場合は、#RGBで記述します。
blue
#008000
background-logo
背景のロゴ画像を指定します。画面中央に表示されるロゴのようですが、表示されませんでした。
draw-grid
背景に一定の間隔でドット(点)を表示します。グリッドは「Ubuntu Tweak」で変更することもできます。
オン
オフ
draw-user-backgrounds
ユーザーのデスクトップ画像を背景画像としてログイン画面に表示します。「background」で指定した背景画像を常に表示したい場合は、この設定をオフにしてください。
font-name
デフォルトのフォントです。「フォントファミリー名 フォントサイズ(ポイント)」の形式で設定します。
デフォルトのフォントは、Unity Greeterのテーマで指定されていない箇所で利用されます。
Ubuntu 11
Takao Pゴシック 16
high-contrast
デフォルトでハイコントラストを有効にします。オン
オフ
ハイコントラストの設定は、ログイン画面のユニバーサルアクセスメニューから切り替えることができます。
icon-theme-name
表示するアイコンのテーマ名を指定します。アイコンテーマは「Ubuntu Tweak」で変更することもできます。
logo
左下に表示するロゴ画像を指定します。背景のロゴ画像は「Ubuntu Tweak」で変更することもできます。
onscreen-keyboard
デフォルトでスクリーンキーボードを有効にします。スクリーンキーボードの設定は、ログイン画面のユニバーサルアクセスメニューから切り替えることができます。
play-ready-sound
ログイン画面表示時に音を鳴らします。「Ubuntu Tweak」で設定することもできます。
screen-reader
デフォルトで音声による読み上げを有効にします。スクリーンリーダーの設定は、ログイン画面のユニバーサルアクセスメニューから切り替えることができます。
theme-name
Unity Greeterのテーマ名を指定します。「Ubuntu Tweak」で設定することもできます。
xft-antialias
アンチエイリアスを有効にし、文字がなめらかに表示されるようにします。オン
オフ
xft-dpi
フォントのDPI(Dot Per Inch)を指定します。DPIを大きくすればするほど、文字が大きくなります。
96
128
xft-hintstyle
フォントのヒンティング方法をメニューから選択します。フォントヒンティングは文字のグリフ(形)を補正し、可読性を上げるする仕組みです。
効果はフォントにより異なります。
hintnone
ヒンティングを行いません。hintslight
ヒンティングを行いますが、ヒンティングによる補正は最小限に留めます。hintmedium
ヒンティングを行います。基本的な補正効果が得られます。
hintfull
ヒンティングを行います。ヒンティングによる最大限の補正を行います。
xft-rgba
フォントのサブピクセルレンダリング方法をメニューから選択します。Windowsで言うところの「ClearType」相当の機能です。
使用するフォントやディスプレイにより得られる効果が異なります。