kledgeb UbuntuやLinuxの最新情報を紹介

Ubuntu 13.04 その2 - Ubuntu 13.04へアップグレードする・Ubuntu 13.04のレビュー

Ubuntu 13.04へアップグレード

  Ubuntu 12.10を利用している人は、「ソフトウェアの更新」で以下のアップグレード通知が表示されます。


  上記の通知が表示されない人は、「ソフトウェアソース」を開いて「Ubuntuの新バージョンの通知」が「すべての新バージョン」になっているか確認してください。

  アップグレードの方法や注意事項は、Ubuntu 12.04からUbuntu 12.10へのアップグレードと同じです。
  以下を参考にしてください。


  • Ubuntu 12.10 アップグレード その1 - 事前準備と注意事項
  • Ubuntu 12.10 アップグレード その2 - アップデートマネージャーからアップグレードする
  • Ubuntu 12.10 アップグレード その3 - 端末からアップグレードする

  ただしUbuntu 13.04へ直接アップグレードできるのは、Ubuntu 12.10のみです。

  Ubuntu 12.04からUbuntu 13.04へアップグレードしたい場合は、一旦Ubuntu 12.10にアップグレード後、Ubuntu 13.04へアップグレードする必要があります。

  ちなみにアップグレードするより、新規インストールのほうが早いため、環境の移行が苦でなければ新規にインストールしてしまうのもひとつの手です。

Ubuntu 13.04のレビュー

  Ubuntu 12.10からUbuntu 13.04へアップグレードした環境でのレビューです。
  私見です。

  パフォーマンス

    体感できるほどに、Unityの動作パフォーマンスが上がっています。
    というより、Ubuntu 12.10が酷かったのかもしれません。

    Ubuntu 12.10では、Radeonオープンソースドライバーをインストールした環境でDashを開くと、Dashが開くまでに2,3秒かかり、Dash表示後も常に引っかかりを感じる動作でした。
    またDashを閉じるのにも2,3秒かかってしまい、使い勝手はよくありませんでした。

    リリースノートにもUnity環境のパフォーマンス改善が記述されている通り、Ubuntu 13.04ではRadeonオープンソースドライバーをインストールした環境でも、機敏に動作し引っ掛かりを感じることはありませんでした。

    Radeonオープンソースドライバーの改善も含まれているため、それぞれの改善がどの程度この軽快さに寄与しているか分かりませんが、Dashを満足に利用できるという点において、良い改善だと思います。

  メモリの使用量

    起動直後の状態では、大して変化はありませんでした。
    Dashの頻繁な利用や、時間経過においてメモリの使用量削減効果が現れると思います。

  安定性

    致命的な問題は発生していません。

  Unityのウィンドウ切り替え機能が便利

    「リリースノートについて」でも触れましたが、マウスホイールのスクロールでアプリのウィンドウを切り替えられる機能は大変便利です。

  Nautilusが使いにくくなった

    最もよく利用するアプリの一つですが、今回のバージョンアップでNautilusのUIが大きく変更されました。
    Fedora 18のNautilusと同じUIです。

    また従来実装されていた機能のいくつかは削除され、シンプルになりました。
    結果私がよく利用していた機能が削除されてしまい、使いづらくなってしまいました。

    以下は削除された機能の一例です。

  • エクストラペインの削除
  • コンパクト表示の削除
  • サイドバーのツリー表示削除
  • 一覧表示時の階層表示削除   
  • 更新日時等の日時書式オプション削除(簡易表示に固定)
  • テキストファイルのプレビュー機能削除
  • ステータスバーの削除
  • メニューの多くは削除され、メニューボタンに移行

    そもそもNautilusはGNOME標準のファイルマネージャーで、GNOME ShellのUI設計に合わせUIが作られています。
    UnityとはUI設計が異なるため、仕方がない面もあります。

  「systray-whitelist」が削除された

    Unityパネルに表示するインジケータのフィルタリングの制御を行う「systray-whitelist」が削除されました。
    「systray-whitelist」は以前「IBusのインジケーターが表示されない」で紹介していますが、他のインジケーターにも適用される内容です。
    例えば「Cryptkeeper」も「systray-whitelist」に記述しないとインジケーターが表示されません。

    本来アプリ側の対応が必要なのですが、「systray-whitelist」の削除によりフィルタリングの制御を行うことが出来ず、「Cryptkeeper」等一部のインジケーターが表示されなくなります。

まとめると・・・

  Ubuntu 12.10と比較するとUbuntu 13.04導入のメリットは大きいでしょう。
  個人的なデメリットは「Nautilus」だけです。
  Ubuntu 12.04と比較した場合、Ubuntu 13.04の導入は特に理由がない限り見送っても良いです。

  Ubuntu 12.04のサポート期間及び充実したPPAは、Ubuntu 13.04では享受できないメリットです。
  Ubuntu 12.04の環境に特に不満がない場合、もしくはその不満がUbuntu 13.04では解消できない場合は、見送ることをおすすめします。

  なんとなく新しいほうが良いという理由では、Ubuntu 13.04をオススメしにくいです。
  Ubuntu 12.04でもPPAを導入することでGIMPなどアプリごとに新しいバージョンを利用することが可能ですし、LTSからLTSのアップグレードパスが用意されるため、Ubuntu 14.04まで利用するのも手です。

Ubuntu 13.04 , アップグレード
スポンサー
コメント
コメントポリシー
コメントをする前に UbuntuのCode of Conduct(CoC/行動規範) を確認し、CoCに沿ったコメントをお願いします。
コメントの使い方は、コメントの使い方を参照してください。
同一カテゴリーの記事
SNS
人気の記事
  • Ubuntu 22.04 その79 - 画面ロックの有効・無効を設定するには・画面ロック時の設定をカスタマイズするには
    画面ロックの有効・無効を設定するには 一定時間ユーザーによる操作がない時に、自動的に画面をロックしパスワードで保護したり、画面をブランク状態にできます。
  • Ubuntu 22.04 その120 - UbuntuのブートローダーをBoot Repairで修復するには・Ubuntuが起動しないトラブルを解決
    UbuntuのブートローダーをBoot Repairで修復するには 「Boot Repair」はOSのブートローダーに起因するOSが起動しない問題を簡単に解決してくれるアプリです。
  • Ubuntu 22.04 LTSのインストール その5 - UEFI環境でパーティションの作成と構成 〜 ブートローダーのインストール先の選択
    UEFI環境でパーティションの作成と構成を行う UEFI環境でパーティションの作成と構成を行います。
  • Ubuntu 22.04 その95 - ディスプレイサーバーを切り替えるには・XorgとWayland
    ディスプレイサーバーを切り替えるには 「Ubuntu」はデフォルトで2種類のディスプレイサーバーを提供しています。
  • VirtualBox その125 - ゲストOSのUbuntuにLinux Guest Additionsをインストールするには
    ゲストOSのUbuntuにLinux Guest Additionsをインストールするには 仮想マシンにインストールしたゲストOSの「Ubuntu」に、「Linux Guest Additions」をインストールする方法です。
  • Ubuntu 22.04 その98 - 入力ソースとキーボートレイアウトと日本語入力のカスタマイズ
    入力ソースとキーボートレイアウトと日本語入力 「Ubuntu」ではユーザーが利用しているキーボードレイアウトや日本語入力のカスタマイズが可能です。
  • Ubuntuのバージョンと開発コードの対応表
    UbuntuのバージョンとUbuntuの開発コード 「Ubuntu」には各バージョンごとに開発コードが設定されます。
  • Ubuntu 22.04 その99 - 日本語入力(Mozc)の設定をカスタマイズして作業効率を上げよう
    日本語入力(Mozc)の設定をカスタマイズするには 「Ubuntu」では日本語入力に「Mozc」を採用しています。
  • Ubuntu 20.04 その74 - UbuntuとUEFIセキュアブート
    UbuntuとUEFIセキュアブート 「Ubuntu」と「UEFIセキュアブート」に関するお話です。
  • Linux その215 - GNOME 48 リリース・GNOME 48 の新機能と変更点
    GNOME 48 の新機能と変更点 2025年3月19日、GNOME 48(コードネーム:Bengaluru) がリリースされました。 リリースノートから GNOME 48 の新機能と変更点を紹介します。
記事のピックアップ
オプション