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UEFI その2 - UbuntuとUEFI・UEFIに対応しているUbuntuのバージョン・ライブメディアのファイルシステムについて・WindowsやUEFIの起動時間短縮機能について

UbuntuとUEFI

  UbuntuはUEFIでのインストールに対応しています。


  現状のPCが以下の条件に当てはまる場合、UbuntuをUEFIでインストールする必要があります。

  • すでにUEFIでインストールされたOS(Windows 8など)が存在する
  • BIOSに切り替えることができない

  逆に以下の条件に当てはまる場合、UbuntuをBIOSでインストールする必要があります。

  • すでにBIOSでインストールされたOS(Windowsなど)が存在する
  • UEFIに対応していない

  上記以外の場合は任意です。

UEFIに対応しているUbuntuのバージョン

  UEFIに対応しているUbuntuのバージョンは、Ubuntu 12.04 64bit版以降です。
  それより以前のバージョンや32bit版のUbuntuは、UEFIに対応していません。

  Ubuntu 11.04 64bit / Ubuntu 11.10 64bit版もUEFIに対応しているのですが、以下の致命的なバグがあるためここでは除外します。

    Installer should not format an existing EFI System Partition

  セキュアブートについて

    UEFIかつセキュアブートの環境にUbuntuをインストールする場合、以下のいずれかの条件にあてはまるUbuntuが必要です。

  • Ubuntu 12.04.2 64bit以降
  • Ubuntu 12.10 64bit以降

    上記の条件はいずれも、Linux Kernel 3.5が採用されています。

    注意

      セキュアブートで必ずUbuntuが起動できるとは限りません。
      UEFIの実装によります。
      もしUbuntuが起動できない場合は、セキュアブートをオフにする必要があります。

  32bit版UbuntuのUEFIサポートについて

    32bit版のUbuntuは、どのバージョンでもUEFIはサポートされません。
    UEFI環境にUbuntuをインストールするなら、必ず64bit版の適切なバージョンのUbuntuをインストールする必要があります。

ライブメディアのファイルシステムについて

  上記の条件に適合したUbuntuならば、UEFI環境でライブメディアからUbuntuを起動することができます。
  ただしUbuntuライブメディアを作成する場合は、ファイルシステムのフォーマット形式に注意してください。

  ライブメディアからUbuntuを起動する場合、UEFIがUSBメモリのファイルシステムを認識できる必要があります。

  USBメモリ

    FAT32でファイルシステムを作成します。

  CD/DVD

    CDでライブメディアを作成する場合、ISO9660形式で作成します。
    DVDでライブメディアを作成する場合、UDF形式で作成します。

  他のフォーマット形式について

    FAT12/FAT16もサポートされますが、上記ではよく利用されるフォーマット形式を挙げています。
    NTFSやext4は認識されないので利用できません。

    UEFIの実装次第で、サポートされるファイルシステムが変わります。

  パーティションテーブルについて

    パーティションテーブルの形式には「MBR」と「GPT」がありますが、UEFIはどちらのパーティションテーブルでも認識できます。

WindowsやUEFIの起動時間短縮機能について

  WindowsやUEFI、及びいくつかのドライバーには、起動時間を短縮する機能があります。
  これらの機能には、Windowsの利用や非デュアルブートを前提とした機能があります。

  そのためこれらの機能を有効にした環境では、Ubuntuのインストールや起動を妨げることがあります。
  これらの機能をオフにしておかないと、UbuntuやWindowsが起動しなくなるなど、トラブルが発生する可能性があります。

  設定の変更について

    各機能の設定の変更方法は、一部を除いてメーカーやモデルにより異なります。
    PCの説明書を参考にしてください。

  起動時間短縮の影響

    起動時間を短縮する機能の多くは、ハードウェアの初期化やチェックをスキップすることで、起動時間を短縮しています。
    ハードウェアの初期化やチェックはOSに任せるため、OSが起動するまで初期化をスキップされたハードウェアは利用できません。

    またOSのカーネルを前回終了時の状態で保存し、起動時にその状態から復帰させ起動時間を短縮する機能もあります。
    このような機能は、OSが前回終了時のハードウェアの状態と起動時のハードウェアの状態が同じであることを前提していることがあります。

    いずれのケースもハードウェアと連携して動作しています。

  1.Fast Boot / Quick Boot

    「Fast Boot」や「Quick Boot」などの表記は、使用しているメーカーによって異なります。
    ここではそれらをまとめて「Fast Boot」と表記します。

    「Fast Boot」はUEFIが提供する機能で、UEFIで設定を行います。
    「Fast Boot」はハードウェアの初期化やチェックをスキップすることで、起動時間を短縮します。

    ASUSの例

      「Boot」から「Fast Boot」の設定を行います。


  2.Intel Smart Response Technology(ISRT)

    ISRTはSSDをHDDのキャッシュとして利用する仕組みです。
    Intelのチップセットを採用した一部のPCで利用できる機能です。

    HDD上の一部のデータをSSDにキャッシュすることで、起動時間の短縮のみならず、アプリケーションの高速化も期待できます。

    この機能を利用しているPCにUbuntuをインストールすると、Windowsが起動できなくなる可能性があります。

    詳細は「ISRTのユーザーガイド」を参考にしてください。

  3.高速スタートアップ

    Windows 8で追加された機能です。
    「高速スタートアップ」は、Windowsのカーネルを前回終了時の状態で保存し、起動時にその状態から復帰させ起動時間を短縮する機能です。

    PCにより「高速スタートアップ」に対応・非対応が別れます。
    「高速スタートアップ」を利用できるPCでは、既定で「高速スタートアップ」が有効になっています。
   

    「高速スタートアップ」を無効にするには、以下のようにチェックを外します。


    「変更を保存」ボタンをクリックして完了です。

    ちなみに「高速スタートアップ」に対応していないPCでは、上記の項目が存在しません。


UEFI
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