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Ubuntu mdadm その106 - 物理ボリュームからメタデータを削除するコマンドの例・アレイを削除するコマンドの例

物理ボリュームからメタデータを削除するコマンドの例

  指定した物理ボリュームからメタデータを削除するコマンドの例です。


  環境について

    以下のアレイを作成した環境でコマンドを実行しています。

  • RAID 0アレイを作成する基本的なコマンドの例・作成したアレイの確認と利用

  1.物理ボリュームの確認

    メタデータを削除する物理ボリュームの情報を確認しておきます。
    ここでは例として「/dev/sdd1」のメタデータを削除します。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sdd1
/dev/sdd1:
          Magic : a92b4efc
        Version : 1.2
    Feature Map : 0x0
     Array UUID : ce1ab578:c7f0ffeb:f5fb951e:36faf2cf
           Name : vb-ubuntu1310:RAID0Array  (local to host vb-ubuntu1310)
  Creation Time : Wed Apr  2 20:05:44 2014
     Raid Level : raid0
   Raid Devices : 3

 Avail Dev Size : 204784 (100.01 MiB 104.85 MB)
    Data Offset : 16 sectors
   Super Offset : 8 sectors
          State : clean
    Device UUID : f4050a98:107b7885:12e79b90:0c86dc1b

    Update Time : Wed Apr  2 20:05:44 2014
       Checksum : 8391c77c - correct
         Events : 0

     Chunk Size : 32K

   Device Role : Active device 0
   Array State : AAA ('A' == active, '.' == missing)

  2.メタデータの削除

    以下のコマンドを実行して、物理ボリュームのメタデータを削除します。
    コマンドの説明は、「物理ボリュームのメタデータを削除するコマンドの説明」を参考にしてください。

sudo mdadm --zero-superblock /dev/sdd1

  3.メタデータの削除完了

    メタデータの削除が成功すれば、以下のように特に何も表示されません。
    もしメタデータの削除に失敗した場合は、エラーが表示されます。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --zero-superblock /dev/sdd1
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$

  4.物理ボリュームの確認

    メタデータを削除した物理ボリュームの情報を確認すると、以下のようにメタデータがないと表示されます。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sdd1
mdadm: No md superblock detected on /dev/sdd1.

アレイを削除するコマンドの例

  アレイを削除するコマンドの例です。
  アレイを構成するすべての物理ボリュームからメタデータを削除すればよいです。


  1.物理ボリュームを調べる

    アレイを構成している物理ボリュームを調べます。
    ここでは例として、論理ボリュームの情報からアレイを構成している物理ボリュームを調べます。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --detail /dev/md/RAID0Array /dev/md/RAID0Array:
        Version : 1.2
  Creation Time : Fri Apr  4 20:13:26 2014
     Raid Level : raid0
     Array Size : 307104 (299.96 MiB 314.47 MB)
   Raid Devices : 3
  Total Devices : 3
    Persistence : Superblock is persistent

    Update Time : Fri Apr  4 20:13:26 2014
          State : clean
 Active Devices : 3
Working Devices : 3
 Failed Devices : 0
  Spare Devices : 0

     Chunk Size : 32K

           Name : vb-ubuntu1310:RAID0Array  (local to host vb-ubuntu1310)
           UUID : 21975b68:9ac722eb:981e4e6c:1307da44
         Events : 0

    Number   Major   Minor   RaidDevice State
       0       8       49        0      active sync   /dev/sdd1
       1       8       65        1      active sync   /dev/sde1
       2       8       81        2      active sync   /dev/sdf1

    赤字の箇所から、このアレイを構成する物理ボリュームは、「/dev/sdd1」「/dev/sde1」「/dev/sdf1」であることが分かります。
    メタデータを削除する物理ボリュームは、この3つの物理ボリュームになります。

  2.アレイの停止

    アレイが開始されている場合、物理ボリュームのメタデータを削除することができませんから、アレイを停止します。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --stop /dev/md/RAID0Array
mdadm: stopped /dev/md/RAID0Array

  3.メタデータの削除

    以下のコマンドを実行して、物理ボリュームのメタデータを削除します。
    コマンドの説明は、「物理ボリュームのメタデータを削除するコマンドの説明」を参考にしてください。

sudo mdadm --zero-superblock /dev/sdd1 /dev/sde1 /dev/sdf1

  4.メタデータの削除完了

    メタデータの削除が成功すれば、以下のように特に何も表示されません。
    もしメタデータの削除に失敗した場合は、エラーが表示されます。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --zero-superblock /dev/sdd1 /dev/sde1 /dev/sdf1
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ 

  5.物理ボリュームの確認

    メタデータを削除した物理ボリュームの情報を確認すると、以下のようにメタデータがないと表示されます。

ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --examine /dev/sdd1 /dev/sde1 /dev/sdf1
mdadm: No md superblock detected on /dev/sdd1.
mdadm: No md superblock detected on /dev/sde1.
mdadm: No md superblock detected on /dev/sdf1.

    以上で完了です。


mdadm
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