論理ボリュームの詳細情報
論理ボリュームの詳細情報を表示します。コマンドのフォーマット
論理ボリュームの簡易情報を表示します。コマンドのフォーマットは以下のとおりです。
sudo mdadm --detail 論理ボリュームのデバイスファイル
論理ボリュームのデバイスファイルの指定について
論理ボリュームのデバイスファイルは複数指定可能です。複数指定する場合は、各論理ボリュームのデバイスファイルをスペースで区切ります。
globによる記述
論理ボリュームのデバイスファイルの指定は、globに対応しています。例えば以下の記述は、すべて同じ意味になります。
- /dev/md/Array1 /dev/md/Array2 /dev/md/Array3
- /dev/md/Array[123]
- /dev/md/Array[1-3]
環境について
以下のサンプルで使用する論理ボリュームは、「RAID 0」アレイの論理ボリュームです。サンプルで使用するアレイの作成方法や内容は、以下を参考にしてください。
コマンドの実行例と表示される情報
コマンドの実行例と表示される情報の説明です。コマンド
以下のコマンドを実行します。
sudo mdadm --detail /dev/md/RAID0Array
コマンドの実行例
以下のような情報が表示されます。
ubuntu@vb-ubuntu1310:~$ sudo mdadm --detail /dev/md/RAID0Array
/dev/md/RAID0Array:
Version : 1.2
Creation Time : Sat Mar 15 22:10:26 2014
Raid Level : raid0
Array Size : 307104 (299.96 MiB 314.47 MB)
Raid Devices : 3
Total Devices : 3
Persistence : Superblock is persistent
Update Time : Sat Mar 15 22:10:26 2014
State : clean
Active Devices : 3
Working Devices : 3
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0
Chunk Size : 32K
Name : vb-ubuntu1310:RAID0Array (local to host vb-ubuntu1310)
UUID : 68997a04:86c1ed2f:0f75f433:7637e793
Events : 0
Number Major Minor RaidDevice State
0 8 49 0 active sync /dev/sdd1
1 8 65 1 active sync /dev/sde1
2 8 81 2 active sync /dev/sdf1
/dev/md/RAID0Array:
Version : 1.2
Creation Time : Sat Mar 15 22:10:26 2014
Raid Level : raid0
Array Size : 307104 (299.96 MiB 314.47 MB)
Raid Devices : 3
Total Devices : 3
Persistence : Superblock is persistent
Update Time : Sat Mar 15 22:10:26 2014
State : clean
Active Devices : 3
Working Devices : 3
Failed Devices : 0
Spare Devices : 0
Chunk Size : 32K
Name : vb-ubuntu1310:RAID0Array (local to host vb-ubuntu1310)
UUID : 68997a04:86c1ed2f:0f75f433:7637e793
Events : 0
Number Major Minor RaidDevice State
0 8 49 0 active sync /dev/sdd1
1 8 65 1 active sync /dev/sde1
2 8 81 2 active sync /dev/sdf1
論理ボリュームのデバイスファイル
最初の行には、論理ボリュームのデバイスファイルが表示されます。上記の出力結果では、「/dev/md/RAID0Array」が論理ボリュームのデバイスファイルです。
複数の論理ボリュームの情報を表示する時は、この論理ボリュームのデバイスファイルからどの論理ボリュームの情報が表示されているか確認します。
Version
「メタデータ」のバージョンや種類が表示されます。Creation Time
アレイが作成された日時が表示されます。Raid Level
アレイの種類が表示されます。表示される値 | アレイの種類 |
---|---|
raid0 | RAID 0 |
raid1 | RAID 1 |
raid4 | RAID 4 |
raid5 | RAID 5 |
raid6 | RAID 6 |
raid10 | RAID 10 |
linear | リニア |
multipath | マルチパス |
container | コンテナー |
faulty | フォルティー |
Array Size
論理ボリュームの容量が表示されます。Used Dev Size
アレイに使用されている各物理ボリュームの容量が表示されます。(物理ボリュームのサイズ)Raid Devices
アレイを構成する物理ボリュームの数が表示されます。「スペアディスク」は含まれません。
実際にアレイで使用する物理ボリュームの数です。
例えば3つの物理ボリュームでアレイを作成し、その後1つの物理ボリュームを取り外しても、「Raid Devices」は「3」と表示されます。
言い換えればスロット数といったところでしょうか。
Total Devices
アレイに関連付けられている物理ボリュームの数が表示されます。「スペアディスク」が含まれます。
例えば3つの物理ボリュームでアレイを作成し、その後1つの物理ボリュームを取り外すと、「Total Devices」は「2」と表示されます。
Preferred Minor
論理ボリュームのデバイスファイルへのシンボリックリンクである「/dev/md/数値」の数値の部分を示す値が表示されます。MDメタデータ バージョン 0.9のみ表示されます。
Persistence
物理ボリュームに「メタデータ(スーパーブロック)」が保存されているかどうかが表示されます。メタデータが物理ボリュームに保存されている場合、「Superblock is persistent」と表示されます。
メタデータが物理ボリュームに保存されていない場合、「Superblock is not persistent」と表示されます。
Intent Bitmap
「ライトインテントビットマップ」の情報が表示されます。内部ビットマップの場合、「Internal」と表示されます。
外部ビットマップの場合、ビットマップファイルのファイル名が表示されます。
「ライトインテントビットマップ」が無効になっている場合は、この項目が表示されません。
Update Time
アレイに変更が加えられた日時が表示されます。言い換えると、「メタデータ」の更新日時です。
State
現在のアレイの状態が表示されます。状態 | 概要 |
---|---|
clean | アレイはクリーンです。 |
active | アレイはダーティーです。 |
degraded | アレイはデグレードモードで動作しています。 |
Not Started | アレイは開始していません。 |
FAILED | アレイは故障しています。 |
recovering | アレイは修復中です。 |
resyncing | アレイは再同期中です。 |
reshaping | アレイは再形成中です。 |
checking | アレイはチェック中です。 |
Active Devices
「Raid Devices」のうち、現在アレイで使用中の物理ボリュームの数が表示されます。再同期が行われている「スペアディスク」は含まれません。
Working Devices
「Raid Devices」のうち、現在アレイで使用中の物理ボリュームの数が表示されます。再同期が行われている「スペアディスク」が含まれます。
Failed Devices
「フォルティーディスク」の数が表示されます。Spare Devices
「スペアディスク」の数が表示されます。Layout
データレイアウトが表示されます。データレイアウトは以下を参考にしてください。
Chunk Size
「チャンクサイズ」が表示されます。Rounding
「Linear」アレイの「丸め係数」が表示されます。○○○ Status
現在アレイで行っている処理の進捗(%)が表示されます。情報 | 概要 |
---|---|
Rebuild Status | アレイの再構築の進捗です。 |
Resync Status | アレイの再同期の進捗です。 |
Reshape Status | アレイの再形成の進捗です。 |
Check Status | アレイのチェックの進捗です。 |
Delta Devices
再形成中の物理ボリュームの増減数が表示されます。また、変更前と変更後の物理ボリューム数が表示されます。
New Level
再形成後のアレイの種類が表示されます。New Layout
再形成中の新しいデータレイアウトが表示されます。データレイアウトは以下を参考にしてください。
New Chunksize
再形成後のアレイのチャンクサイズが表示されます。Name
アレイのホームホスト:アレイの名称が表示されます。デフォルトのホームホストと一致する場合は、「 (local to host ホームホスト)」と表示されます。
UUID
アレイの「UUID」が表示されます。Events
「メタデータ」が更新された回数が表示されます。物理ボリュームの情報
アレイに関連付けられている物理ボリュームやアレイのスロットの情報が表示されます。情報は行ごとに表示されます。
Number
番号が表示されます。Major
物理ボリュームの識別子が表示されます。「Minor」と組み合わせて使用される識別子です。
Minor
物理ボリュームの識別子が表示されます。「Major」と組み合わせて使用される識別子です。
RaidDevice
アレイで使用している物理ボリュームのスロット番号(順番)が表示されます。「スペアディスク」や 「フォルティーディスク」は含まれません。
State
物理ボリュームの状態やスロットの状態が表示されます。状態 | 概要 |
---|---|
faulty | フォルティーディスクです。 |
active | 物理ボリュームはアレイで使用中です。 |
sync | 物理ボリュームは同期した状態です。 |
removed | 物理ボリュームが割り当てられていません。 |
writemostly | ライトモーストリーが設定されています。 |
spare | スペアディスクです。 |
rebuilding | 物理ボリュームは再構築中です。 |