RadeonのプロプライエタリードライバーとWineが共存できない問題
RadeonのプロプライエタリードライバーとWineが共存できない問題が「Launchpad」に報告されています。Launchpad
- wine and fglrx packages are mutually exclusive
- Nvidia and AMD graphics drivers should indicate whether they provide libcuda.so.1, libOpenCL.so.1, etc.
何が起きるのか
RadeonのプロプライエタリードライバーとWineが共存できず、どちらかしかインストールできません。Radeonのプロプライエタリードライバーをインストールするなら、Wineをアンインストールする必要があります。
Wineをインストールするなら、Radeonのプロプライエタリードライバーをアンインストールする必要があります。
(オープンソースのグラフィックドライバーを利用する)
Radeonのグラフィックドライバー
Radeonのグラフィックドライバーは、「ソフトウェアとアップデート」を起動し、「追加のドライバー」タブからインストールや確認を行うことができます。1.xserver-xorg-video-ati
オープンソースのRadeonグラフィックドライバーです。オープンソースのグラフィックドライバーとWineは共存できるため、このグラフィックドライバーを利用している場合、この問題は起きません。
2.fglrx
AMDが提供するRadeonのプロプライエタリードライバーです。このグラフィックドライバーを利用している場合、Wineと共存できない問題が発生します。
ちなみに、AMDのサイトからダウンロードしたRadeonのプロプライエタリードライバーからパッケージを作成した場合、このドライバーと同じ扱いになります。
(もちろんバージョンは異なります。)
3.fglrx-updates
AMDが提供するRadeonのプロプライエタリードライバーです。このグラフィックドライバーを利用している場合、Wineと共存できない問題が発生します。
パッケージの依存関係とOpenCL
OpenCLパッケージへの依存関係が、お互いのパッケージで相容れない状態になっており、この現象が発生しています。WineはOpenCLライブラリーを必要とするため、「ocl-icd-libopencl1」パッケージをインストールします。
一方Radeonのプロプライエタリードライバーは、自身がOpenCLライブラリーを提供するため、「ocl-icd-libopencl1」パッケージをアンインストールします。
ここで競合が発生します。
Wineをインストールするには、「ocl-icd-libopencl1」パッケージのインストールが必要ですが、Radeonのプロプライエタリードライバーをインストールするには、「ocl-icd-libopencl1」パッケージのアンインストールが必要です。
結果、どちらかしかインストールできない状況が発生します。
Wineの修正
Wine側の修正は既に行われており、修正されたWineがリリースされています。Radeonのプロプライエタリードライバーの修正
Radeonのプロプライエタリードライバーも修正が必要ですが、こちらはまだ修正が行われていません。そのため、現状この問題が発生します。
修正時期は、Ubuntu 15.04とのことです。
Ubuntu 15.04は、来年の4月末にリリース予定です。
修正されたドライバーはUbuntu 14.10にバックポートされる予定ですが、Ubuntu 14.10のサポート期間は短いため、多くのユーザーはUbuntu 15.04へアップグレードして修正されたドライバーを利用することになるかと思います。
というわけで
Wineを利用したい人は、Radeonのプロプライエタリードライバーをアンインストールしてください。上記の「追加のドライバー」タブで「1.」をクリックして「変更の適用」ボタンをクリックすればOKです。
Wineを利用しない人はこの問題とは無関係なので、好きなグラフィックドライバーを利用してください。
両方利用したい!6ヶ月も待てない!
不具合報告のコメントにもあるように、「RadeonのプロプライエタリードライバーもWineも利用したい!6ヶ月も待てるか!」という人は、自分でRadeonのプロプライエタリードライバーのパッケージを修正し、この競合を回避すれば、両方インストールすることができます。修正方法は、不具合報告のコメント(#20)を参考にしてください。