LXDEとLXQt
「LXDE」は、現在「Lubuntu」で採用されているデスクトップ環境です。「LXDE」は非常にシンプル及び軽量なデスクトップ環境です。
「LXDE」を採用している「Lubuntu」は、「Ubuntu」及びフレーバーの中でも最軽量及び最小サイズのフレーバーとなっています。
他のフレーバーと比較して体感できるほど軽く、愛用者も多いのではないでしょうか。
LXQt
「LXQt」は、「LXDE」を「Qt」ベースで作り直したデスクトップ環境です。現在最新版の「LXQt」は「LXQt 0.10.0」であり、2015年11月2日にリリースされました。
「LXQt 0.10.0」は、最新メジャーバージョンの「Qt5」をベースにして作られており、モダンなデスクトップ環境を提供します。
LXDEからLXQtへデスクトップ環境を移行する計画
「Lubuntu Team」では、「LXQt」への移行準備ができており、最初の作業の1つは、「LXQt」を採用したディスクイメージの作成である、とのことです。「LXQt」デスクトップ環境向けののメタパッケージとして、「lubuntu-qt-desktop metapackage」パッケージが用意されます。
このパッケージはすでに準備が整っており、このパッケージをディスクイメージへ反映する作業が行われます。
今まで「Lubuntu」は、「LXQt」の採用に消極的でした。
これは「LXQt」が開発中で十分な品質を満たしていなかったためでした。
しかし「LXQt 0.10.0」にてその状況改善されつつあり、「Lubuntu Team」が「LXQt」の採用に向けて活動を始めました。
また、LTS版である「Lubuntu 16.04」リリースが終わり、次のリリースである「Lubuntu 16.10」が通常リリースであるという点も、一つの契機になっています。
いつLXQtに移行するのか?
「Lubuntu 16.10 (β1)」でデスクトップ環境を「LXQt」へ移行するのかどうかは、まだ分かりません。「Lubuntu 16.10」のリリーススケジュールでは、2016年8月18日に「FeatureFreeze」となっており、2016年8月25日に「Lubuntu 16.10 β1」がリリースされる予定です。
「Lubuntu 16.10」の正式リリースは、「Ubuntu 16.10」と同じ2016年10月13日の予定です。
今後明らかになっていくでしょう。
LXQtの気になる点
上記でも記述したように、「Lubuntu」は最軽量であり最小サイズのフレーバーです。少し古いPCにも、とにかく軽くてシンプルなインターフェースを好むユーザーにも、お勧めのフレーバーです。
しかし「LXQt」は、モダンなライブラリーやフレームワークの上に成り立っています。
モダンなライブラリーやフレームワークは多機能であり、以前のそれらと比較すれば、処理コストが上昇したりサイズが肥大化する傾向があります。
「LXQt」の公式Wikiを見ると、「KDE Frameworks 5」との関係が記述されています。
「Qt5」や上記の「KDE Frameworks 5」との関係を見ると、少なくとも今よりは軽くならないことは分かるかと思います。
「LXQt」自身は「軽量なデスクトップ環境」だということですが、「Lubuntu」に採用された際どの程度影響があるのか、システム要件がどの程度変わるのか、気になるところです。
またインターフェースの変化も気になるところです。
既存の「Lubuntu」ユーザーがスムーズに受け入れられるインターフェースだといいですね。