PystonがCPythonより95%高速化
2017年1月31日に「Pyston 0.6.1」がリリースされました。「Pyston 0.6.1」は最新のハイパフォーマンスなPython JITコンパイラーです。
「Dropbox」により開発され、オープンソースで利用可能です。
「Pyston 0.6.1」は標準的なベンチマークにおいて、「CPython」よりも95%高速化されています。
またWebワークロードベンチマークでは48%高速であり、Dropboxサーバーは10%高速化されました。
しかし「Dropbox」では、本リリースを以って「Pyston」のスポンサーから降りるとのことです。
何があった?
今回の決定に関し、以下の理由が挙げられています。- 互換性の維持に関し、予想を超える時間を費やしてきた
- 同様にメモリー使用量の増大に対する大きな懸念の対処に、予想を超える時間を費やしてきた
- DropBoxでは、パフォーマンスが重視される処理において、Go言語など他の言語で実装されるケースが増えてきた
コストとそれから得られる利益のバランスが釣り合わなくなってきた、ということでしょうか。
互換性とメモリーの使用量の調整に多くの時間をかけてきましたが、最適化を行う時間は取れなかったとのことです。
Pystonは引き続きオープンソースで利用可能
「Dropbox」による支援が終了しても、「Pyston」は引き続きオープンソースで利用可能です。また「Pyston」プロジェクトを部分的でも継続させるため良い方法を模索中であり、「Pyston」の成果を「CPython」に取り込めないか検討しているとのことです。