AMDの新CPU RyzenはUbuntuで利用できるのか?
ご存知の通り、もうすぐAMDの新CPU「Ryzen 7」が販売開始になります。「Ryzen 7」はAPUではなくCPUです。
そのためAPUと異なり、別途GPU(グラフィックカード)が必要になります。
しかしAMDは、2017年第2四半期に「Raven Ridge」APUを登場させる計画です。
「Ryzen 7」は「Intel Core i7」よりもパフォーマンスが高く、消費電力や価格は「Intel Core i7」よりも抑えめである、との発表がAMDから行われました。
多くのユーザーから大きな期待が寄せられ、そして注目される一品になりそうですね。
Ubuntuと新ハード
さて新ハードと「Ubuntu」の組み合わせでは、ドライバーがなかったり機能が不十分であったりと、不安がつきまといます。「Windows」と違い「Ubuntu」では、「そもそもこの新ハードは利用できるのだろうか?」から話が始まります。
RyzenとLinux Kernelの対応状況
「Phoronix」にて、「Ryzen」と「Linux Kernel」の対応状況が紹介されています。Ubuntu 16.10 / Ubuntu 16.04.2
「Ubuntu 16.10」及び「Ubuntu 16.04.2(HWE)」では、「Linux Kernel 4.8」が採用されています。これらのバージョンでは、「Ryzen」の基本的なサポートが行われており、起動時のカーネルパニックや致命的な問題は起きず、基本的に問題なく利用できるだろう、とのことです。
ただし「Ryzen」の一部の機能がサポートされておらず、「Ryzen」の能力を引き出すには、より新しいバージョンの「Linux Kernel」が必要になります。
Ubuntu 17.04 / Ubuntu 16.04.3
現在開発中の「Ubuntu 17.04」及び将来リリース予定の「Ubuntu 16.04.3(HWE)」では、「Linux Kernel 4.10」が採用される予定です。デイリービルドでは、すでに「Linux Kernel 4.10」が採用されています。
「Linux Kernel 4.10」では、Zen/Ryzen向けの修正が多数含まれており、「Ryzen」の利用やテストを行うには「Linux Kernel 4.10」が良いだろうとのことです。
「Ubuntu 17.04」は、2017年4月13日にリリース予定です。
「Ubuntu 16.04.3」のリリーススケジュールはまだ決まっていませんが、2017年夏頃(7月〜8月頃)にリリースされるでしょう。
できればLinux Kernel 4.9.10以降
もし「Linux Kernel 4.10」が利用できない環境では、SMT topologyの不具合が修正されている「Linux Kernel 4.9.10」以降の利用を推奨しています。ただし「Ubuntu」で「Linux Kernel 4.9」を採用しているバージョンはありません。
一部のマザーボードでは、Linux Kernel 4.11以降推奨か
上記はCPU視点から「Linux Kernel」のサポート状況を紹介しています。しかしCPU以外にもマザーボードのサポートも含めると、「Realtek ALC1220オーディオコーデック」を採用しているマザーボードでは、「Linux Kernel 4.11」以降が望ましいとのことです。
「Realtek ALC1220オーディオコーデック」のサポートが「Linux Kernel 4.11」で行われているためです。
バックポートに期待
可能かどうかは分かりませんが、期待するとしたらバックポートに期待でしょうか。近いうちにベンチマークの結果が見られるかも
「Phoronix」では「AMD Ryzen 7 1700」と「ASUS Prime X370-Pro」を購入し、発売日以降にこれらの商品が届くとのことです。また、商品が届き次第ベンチマークを行うとのことです。
「Windows」のベンチマークはよく見かけると思いますが、「Ubuntu(Linux)」のベンチマークはなかなか見かけにくいと思います。
どのような結果になるのか、楽しみですね。