OTA-1リリース
「UBports」から初の安定版OTAである「OTA-1」がリリースされました。「UBports」は、「Ubuntu Touch」の開発を行うプロジェクト及びコミュニティーです。
「OTA-1」は、以下のデバイスを除く、公式にサポートされているすべてのデバイスで利用可能です。
- Nexus 5 (hammerhead)
- Nexus 4 (mako)
「OTA-1」は、約2ヶ月の作業を経てリリースに至りました。
OTA-1の変更点
「OTA-1」は、プラットフォームの改良や不具合の修正を含んだアップデートです。- AGPSの試験的なサポート
- UBportsのようこそアプリの提供
- OpenStoreのサポート
- Terminal及びFile Browserのプリインストール
その他不具合の修正を含む変更点は、以下を参照してください。
近々Nexus 5のアップデートも提供予定
近々「Nexus 5」のアップデートも提供される予定です。今回のリリースに間に合わなかった理由は、直前にバッテリーメーターにリグレッション(不具合)が見つかったためです。
今後Nexus 4のアップデートを提供予定
「Nexus 4」のアップデートは、今回のリリースとは別に「OTA-1」のリリースが行われます。現状日程は不明ですが、「OTA-1」の準備が整い次第アナウンスが行われる予定です。
OS/アプリ開発者ミーティング
2017年6月1日に「Ubuntu Touch」のアプリケーション及びプラットフォームの開発者が集まり、ミーティングが行われました。このミーティングでは、「Ubuntu Touch」の将来の方針が話し合われました。
ミーティングの詳細は、以下を参照してください。
Snapのサポート
「Snap」のサポートはプラットフォームにとって価値のある仕組みですが、「Ubuntu Touch」で「Snap」を利用するには、content hubやnotificationsのサポートなど「snapd」にいくつか修正を行う必要があります。この修正はアップストリームに取り込んでもらう必要があり、「Canonical」はこの修正を受け入れてくれるだろう、とのことです。
通知サービス
ユーザーのプライバシーを配慮した通知サービスを提供するため、ヘッドレスアプリ(バックグランドで実行されるUIを持たないソフトウェア)を実装する予定です。OSはそのソフトウェアを数分毎に呼び出し、バックグラウンドでメッセージチェックのようなタスクを実行します。
この実装方法によりバッテリーへの負担を軽減し、ユーザーは自分でタスクを制御できるようになります。
Qt 5.9
開発チームは「Qt 5.9」で利用可能な「QtQuick 2」のような新機能を利用したいと考えていますが、そうするためには「Yunit」が「Qt 5.9」でビルドされる必要がある点、及び16.04には「Qt 5.9」パッケージが提供されていない点が課題となっています。「Yunit」は、デスクトップ向け「Unity 8」を開発するプロジェクト及びコミュニティーです。
開発チームは「Qt 5.9」の採用に関し、今後さらに多くの議論を重ねていきます。
Haliumの状況
「Halium」プロジェクトは、モバイル向けOSの共通基盤を開発するためのプロジェクトです。OSの起動が可能に
ついに「Ubuntu Touch」と「Plasma Mobile」が起動できるようになりました。Plasma Mobile from @kdecommunity on Nexus5, @UBports touch 16.04 on Nexus5 and Plasma Mobile on @Fairphone 2, all running same #halium base. pic.twitter.com/GwaNURnFWC— Halium (@HaliumProject) 2017年6月5日
上記で紹介されている両OSは「Nexus 5」上で起動しており、「Plasma Mobile」自身が移植作業を行っていない「Fairphone 2」でも起動しています。
ロードマップの公開
ロードマップ(開発計画)が公開されました。とは言っても、ロードマップの記述はまだ作業中であり、状況の変化とともに今後内容が変わっていきます。
また「16.04」に関しては、まだ内容は不十分であり、現在内容を拡充する作業が行われています。
ロードマップを見ると、「OTA-2」の計画が立てられていますね。
デスクトップモード(Convergence)
デスクトップモードは、デバイスを外部モニターに接続し、デスクトップとして利用する機能です。デスクトップモードに切り替えると、UIがデスクトップ向けのUIに変わります。
「Nexus 5」を外部モニターに接続し、デスクトップモードに切り替えるデモが披露されています。