Plasma Vault
「Plasma Vault」は、簡単にファイルの暗号化を利用できるようにするウィジェット(アプレット)です。バックエンドに「CryFS」や「EncFS」を利用できます。
以前紹介した「EncFS」のように、既存のファイルシステム上に暗号化ファイルを保存する専用のフォルダーを作成し、そのフォルダーを復号化する仕組みを通じてマウントすることで、ユーザーは透過的にファイルの暗号化や復号化が可能になります。
つまり専用のパーティションを作る必要がないということです。
Kubuntu Backports PPAから提供される
「Plasma Vault」は「Kubuntu Backports」PPAから提供されるため、同PPAを導入する必要があります。Plasma Vaultをインストールするには
「Kubuntu 17.10」に「Plasma Vault」をインストールする方法です。1.Kubuntu Backports PPAの導入
以下を参考にして「Kubuntu Backports」PPAを導入します。2.Plasma Vaultのインストール
「端末(Konsole)」を起動し、以下のコマンドを実行します。
sudo apt install plasma-vault
インストールが完了したらログインし直すと良いでしょう。
3.Plasma Vaultの登録
「Vaults」はシステムインジケーターにも表示されますが、必要に応じてパネルに「Vaults」ウィジェットを追加することも可能です。Vaultを作成する
暗号化を利用するには、まず「Vault」を作成する必要があります。1.Vault作成画面の表示
「Plasma Vault」のアイコンをクリックすれば、以下のようにメニューが表示されます。「Create a New Vault」ボタンをクリックします。
2.Vaultの基本設定
以下の画面が表示されるので、「Vault」の基本設定を行い「Next」ボタンをクリックします。項目 | 概要 |
---|---|
Vault name | Vault名 メニューに表示される名称 |
Choose the encryption system | 利用する暗号化システム(バックエンド) |
暗号化システムでは、「CryFS」を選択してください。
「EncFS」も選択できますが、「EncFS」は脆弱性があるためお勧めしません。
3.注意事項
「CryFS」に関するセキュリティー上の注意事項が表示されます。「CryFS」は安全なシステムだと考えられていますが、安全性の保障はありませんよ、ということです。
4.パスワードの設定
暗号化/復号化する時に使用するパスワードを設定します。「パスワード」と「Verify」に同じパスワードを指定してください。
5.フォルダーの設定
暗号化されたファイルの保存場所項目 | 概要 |
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Encrypted data location | 暗号化されたファイルが配置されるフォルダー |
Mount point | ユーザーが復号化されたファイルに アクセスする時に使用するフォルダー |
いずれも存在しないフォルダーを指定すれば、新規にフォルダーが作成されます。
6.暗号化設定
暗号化に関する設定を行います。項目 | 概要 |
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Choose the used cypher | 暗号化方式 |
Limit to the selected activities | Vaultを利用可能なアクティビティーの制限 |
7.作成完了
これで「Vault」の作成が完了し、ユーザーは「Mount point」で指定したフォルダーを経由して、ファイルの暗号化を利用できます。メニューには、作成した「Vault」の一覧が表示されます。
各「Vault」をクリックすれば、マウントやアンマウントが可能です。
もちろんマウント時には、パスワードの入力が必要になります。
Vaultの削除について
現在「Plasma Vault」では、作成した「Vault」を削除する機能が実装されていません。そのため「Vault」を削除するには、ユーザーが自分で「Vault」を削除する必要があります。
詳細は以下を参照してください。
将来的に「Vault」を削除する機能が実装される予定です。