SQL Server 2017
2017年10月2日、「SQL Server 2017」がリリースされました。またその後3回マイナーアップデートが行われ、現在最新版の「SQL Server 2017」は「SQL Server 2017 Cumulative Update 3」です。
リリースノート
「SQL Server 2017」のリリースノートです。サポートしているUbuntuのバージョン
現時点で「SQL Server 2017」がサポートしている「Ubuntu」のバージョン及びシステム要件は、以下の通りです。項目 | 要件 |
---|---|
OS | Ubuntu 16.04 64bit版(amd64) |
CPU | 2コア2GHzのCPU |
メモリー | 2GB |
ディスク | 6GBの空き容量 |
ファイルシステム | EXT4 |
「Network File System(NFS)」を利用している場合、以下の制約があります。
- NFS 4.2以降を利用していること
- マウントボリューム上の「/var/opt/mssql」のみ利用可能であり、「SQL Server」のシステムファイルなど他のファイルはサポートされない。
- マウント時、「nolock」オプションの指定が必要
また現時点で「WSL」はサポートされていません。
Ubuntu以外のLinuxのサポート状況
「Ubuntu」以外の「Linux」のサポート状況については、以下を参照してください。3種類のリポジトリー
「SQL Server」には、以下の3種類のリポジトリーがあります。- インストールして、Linux 上の SQL Server をアップグレードするためのリポジトリを構成します。
- Configure repositories for installing and upgrading SQL Server on Linux
リポジトリー | リポジトリー名 | 概要 |
---|---|---|
Preview | mssql-server | SQL ServerのCTP版やRC版が提供されるリポジトリー。 本リポジトリーでSQL Server 2017はサポートされていない。 |
CU | mssql-server-2017 | SQL Server 2017 Cumulative Updateが提供されるリポジトリー |
GDR | mssql-server-2017-gdr | SQL Server 2017 GDRが提供されるリポジトリー |
「Preview」リポジトリーは安定版(GA版)が出る前の「SQL Server」が配置されます。
そのためすでにGA版がリリースされている「SQL Server 2017」では、「CU」リポジトリーか「GDR」リポジトリーを利用することになります。
CUとGDRの違い
「CU」では、不具合の修正や機能の改良など積極的なアップデートが含まれた「SQL Server」が提供されます。一方「GDR」では、致命的な不具合の修正やセキュリティーアップデートのみ含まれた「SQL Server」が提供されます。
「GDR」で行われたアップデートは、「CU」でも取り込まれます。
「GDR」から「CU」への切り替えはいつでも可能ですが、「CU」から「GDR」への切り替えはサポートされません。
Ubuntu 16.04にSQL Server 2017をインストールするには
「SQL Server 2017」をインストールする方法です。ここでは例として「Ubuntu 16.04」に「SQL Server 2017 CU」をインストールします。
1.既存のリポジトリーの削除
「Preview」リポジトリーを利用している場合など、他のリポジトリーに切り替える場合は、まず既存の「SQL Server 2017」のリポジトリーを削除する必要があります。「ソフトウェアとアップデート」から既存のリポジトリーを無効化もしくは削除するか、以下のコマンドを実行し既存のリポジトリーを削除します。
Preview
sudo add-apt-repository -r 'deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/ubuntu/16.04/mssql-server xenial main'
CU
sudo add-apt-repository -r 'deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/ubuntu/16.04/mssql-server-2017 xenial main'
GDR
sudo add-apt-repository -r 'deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/ubuntu/16.04/mssql-server-2017-gdr xenial main'
2.リポジトリーの認証鍵の登録
以下のコマンドを実行し、リポジトリーの認証鍵を登録します。
wget -qO- https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | sudo apt-key add -
3.リポジトリーの追加
以下のコマンドを実行し、「SQL Server 2017」のリポジトリーを追加します。CU
sudo add-apt-repository "$(curl https://packages.microsoft.com/config/ubuntu/16.04/mssql-server-2017.list)"
GDR
sudo add-apt-repository "$(curl https://packages.microsoft.com/config/ubuntu/16.04/mssql-server-2017-gdr.list)"
4.パッケージインデックスファイルの更新
以下のコマンドを実行し、パッケージインデックスファイルを更新します。
sudo apt-get update
5.SQL Server 2017のインストール
以下のコマンドを実行し、「SQL Server 2017」をインストールします。
sudo apt-get install -y mssql-server
SQL Server 2017のセットアップ
「SQL Server 2017」のインストールが完了したら、「SQL Server 2017」のセットアップを行います。1.セットアップの実行
以下のコマンドを実行し、「SQL Server 2017」のセットアップを行います。
sudo /opt/mssql/bin/mssql-conf setup
2.エディションの選択
利用したい「SQL Server 2017」のエディションを選択します。エディションごとに有料/無料及び機能が異なります。
エディションの違いについては、以下を参照してください。
無料で利用可能なエディションは、以下の3種類です。
- Evaluation(試用期限あり)
- Developer
- Express
利用したいエディションの数値を入力して「エンター」キーを押します。
ここでは例として「3(Express)」を入力しました。
3.ライセンスの同意
ライセンスの同意確認が行われるので、ライセンスに同意できるなら「yes」を入力して「エンター」キーを押します。4.言語の選択
言語を選択します。「日本語」なら「6」を入力して「エンター」キーを押します。
5.SAパスワードの設定
SAパスワード(システム管理者のパスワード)を設定します。パスワードは8文字以上で大文字・小文字が混在、かつアルファベット以外の文字が含まれている必要があります。
パスワードを入力したら「エンター」キーを押します。
この後確認のため、もう一度同じパスワードを入力して「エンター」キーを押します。
6.SQL Serverの起動
セットアップが完了すると、自動的に「SQL Server 2017」が起動します。「SQL Server 2017」の起動状態を確認するには、以下のコマンドを実行します。
systemctl status mssql-server
これで「SQL Server 2017」が利用可能になりました。
ちなみに「SQL Server」の起動を管理するコマンドは以下の通りです。
サービス停止
sudo systemctl stop mssql-server
サービス起動
sudo systemctl start mssql-server
サービスの再起動(停止と起動)
sudo systemctl restart mssql-server
その他のSQL Server関連のソフトウェア
その他の「SQL Server」関連のソフトウェアのインストールは、以下を参照してください。- Ubuntu 16.04にSQL Serverコマンドラインツールをインストールするには
- Ubuntu 16.04にSQL Server Agentをインストールするには
- Ubuntu 16.04にSQL Server Full-Text Searchをインストールするには
- Ubuntu 16.04にSQL Server Integration Services (SSIS)をインストールするには
最低でも「SQL Serverコマンドラインツール」はインストールしておきましょう。