aptとdpkgがZstdをサポート
「apt」と「dpkg」が「Zstd」をサポートしました。Zstd
「Zstd(Zstandard)」は「Facebook」が開発した新しいアーカイブ形式(圧縮方式/圧縮アルゴリズム)です。「Zstd」は「xz」や「gzip」よりも高いアーカイブの展開速度を提供し、すべての圧縮レベルにおいて処理速度及びメモリー使用量の点でおおむね良い結果を示しています。
またアーカイブサイズに関しても、圧縮レベル19では「gzip」の同レベルのアーカイブサイズと比較しても遜色ないサイズであり、「xz」の圧縮レベル6とも遜色ないサイズです。
Ubuntu 18.04 amd64のmainアーカイブに適用すると
テスト目的で「Ubuntu 18.04 amd64」の「main」アーカイブに「Zstd」を圧縮レベル19で適用した結果、サイズは約6%の増加が見られ、おおよそ5.6GBから5.9GBに増加しました。その一方でパッケージのインストールにかかる時間は、10%早くなりました。
また「eatmydata」を導入し、「fsync」やそれに類似するシステムコールを無効化した環境では、40%の高速化されました。
並行して圧縮展開が可能に
今回行われた「apt」と「dpkg」の「Zstd」のサポート作業では、複数フレームのサポートが行われており、並行してパッケージの圧縮や展開が可能になっています。FeatureFreeze Exceptionの申請
すでに「Ubuntu 18.04」は「FeatureFreeze」を迎えており、このままでは「Zstd」をサポートした「apt」と「dpkg」を「Ubuntu 18.04」向けに提供できません。そのため「FeatureFreeze Exception」の申請が検討されており、「FeatureFreeze Exception」が認められれば、「Zstd」をサポートした「apt」と「dpkg」が「Ubuntu 18.04」で利用できるようになります。
パッケージの圧縮形式の変更提案
「Zstd」の利点を活用するには、「Ubuntu」のリポジトリーで提供するパッケージが 「Zstd」で圧縮されている必要があります。しかし「Ubuntu 18.04」はすでに開発が進んでおり、来月には安定版がリリースされる予定です。
そのため 「Zstd」による圧縮は「Ubuntu 18.10」でデフォルトで有効にする方針が検討されています。