コミュニティー主導のテーマが間に合わず
「Ubuntu 18.04」では、デフォルトのテーマとは別に、コミュニティー主導によるテーマ(Communitheme)の開発が行われています。しかし現状「Communitheme」の開発が「Ubuntu 18.04」のリリースに間に合わず、「Ubuntu 18.04」での採用は見送られる方針です。
この方針の決定に際し、以下の理由が挙げられています。
1.品質が不十分
「Communitheme」はまだ完成しておらず、完成に向けた作業が多く残っています。また修正が必要な不具合報告も多くあり、品質を確保するために様々なアプリケーションでテストを行う必要があります。
以前報告された「GTK2」で発生する問題の修正方針は把握できましたが、「Qt」および「GTK3」で発生する問題の修正及びテストしなければならない項目が残っています。
例えば「GTK2」アプリでテーマが適用されない以下の問題では、テーマが2種類のパッケージに依存しており、この問題に対応するには「universe」に配置されているこれらのパッケージを「main」に移動する必要があります。
つまり「Communitheme」を提供するには、「MIR」の申請及びそれに付随する作業が必要になります。
2.User Interface Freeze間近
「Ubuntu」の開発プロセスでは、「User Interface Freeze」という段階があります。「User Interface Freeze」はUIの変更を行えるリミットであり、この日以降壁紙やUIの見た目といったUIに関する変更は許可されません。
(ただし「User Interface Freeze Exception」が認められれば、変更を許可されます。)
「User Interface Freeze」は、2018年3月22日に行われます。
「User Interface Freeze」が来週に控えており、この日までに十分な品質を確保できる見込みがありません。
Ubuntu 18.10をゴールに
「1.」と「2.」を組み合わせて考えると、「Ubuntu 18.10」を目標に「Communitheme」の完成を目指すのが合理的であるとのことです。コミュニティー主導のテーマの開発では、600を超えるコメントがついていますが、貢献者は少なくテーマの開発は少人数で行われており、リソース不足もその背景にあります。