Minimal Ubuntu
2018年7月9日、新しい「Minimal Ubuntu」が登場しました。この「Minimal Ubuntu」は、自動化されたシステムでの利用に最適化されており、最小のパッケージ群で構成された「Minimal Ubuntu」は、セキュリティーリスクを最小限に抑えます。
軽量で高速、自動化されたクラウドオペレーションに
「Minimal Ubuntu」は、クラウドオペレーションのために最適化された最小の「Ubuntu」ベースのイメージです。標準の「Ubuntu Server」のイメージと比較すると、 約50%サイズが小さくなっており、起動時間は約40%高速になっています。
「Minimal Ubuntu」としてリリースされた「Minimal Ubuntu 16.04 LTS」及び「Minimal Ubuntu 18.04 LTS」は、現在以下のサービスで利用できるようになっています。
- Amazon EC2
- Google Compute Engine(GCE)
- LXDとKVM/OpenStack
軽量なコンテナー向けベースイメージ
「Minimal Ubuntu 18.04 LTS」のDockerイメージのサイズは29MBであり、コンテナーのベースイメージとして非常に効果的に活用できます。また開発者はコンテナー化されたアプリケーションを高速にマルチクラウドに展開できます。
「Kubernetes」を利用した現代的なDockerのワークフローでは、「Minimal Ubuntu」は互換性、親和性、パフォーマンス及びサイズ面でバランスの取れた特性を提供します。
「Minimal Ubuntu 18.04 LTS」は、「Docker Hub」でデフォルトの「Minimal Ubuntu」であり、またクラウドイメージには各クラウドサービスに最適化された「Linux kernel」やサポートされた起動ユーティリティーが含まれています。
すべてのUbuntuパッケージと完全な互換性を提供
「Minimal Ubuntu」によりリソースの使用量が大幅に削減される一方で、「Ubuntu」で行える各種操作と完全な互換性を提供しています。すべての「Ubuntu」向けパッケージを「Minimal Ubuntu」にインストールすることができます。
必要なパッケージを依存するパッケージと共に「Minimal Ubuntu」にインストールするだけで、ユーザーが必要とするイメージを構築することができます。
自動化されたシステムに
「Minimal Ubuntu」は、ユーザーが対話的な使い方をしない完全に自動化されたシステム向けに設計されています。「Ubuntu Server」が提供しているエディターやドキュメント、ロケール(言語)、その他ユーザー中心の機能は削除されています。
残っているものは主に起動に必要なコンポーネントだけですが、「ssh」「apt」「snapd」は含まれています。
そのためユーザーは、後から必要なパッケージのみをインストールすることができます。
また「unminimize」 ツールを利用すれば、「Ubuntu Server」で慣れ親しんだパッケージ群をインストールすることもできます。
クラウドハイパーバイザーに最適化
「Amazon Web Services」及び「Google Cloud」では、「Minimal Ubuntu」は最適化されたカーネルを使用します。そしてダウンロード可能な「Minimal Ubuntu」イメージでは、「KVM」に最適化されたカーネルを搭載しており、起動時間及びイメージのサイズが最適化されています。
セキュリティーリスクの最小化
「Minimal Ubuntu」でインストールされるパッケージ数は少ないため、セキュリティーリスクを抑え、パッケージのアップデートにかかる時間も少なくて済みます。またシステム全体のネットワーク帯域を節約し、ストレージの消費量も抑えます。
Minimal Ubuntuのダウンロード
「Minimal Ubuntu」の利用方法です。プライベートクラウド向け
プライベートクラウド向け「Minimal Ubuntu」は、以下からダウンロードできます。Amazon Web Services
「Amazon Web Services」では、以下を参照してください。Google Cloud
「Google Cloud」では、「SDK CLI」を使用してください。
gcloud compute images list --project ubuntu-os-cloud | grep ubuntu-minimal
Docker Hub
「Docker Hub」では、新しい「Ubuntu 18.04 LTS」イメージが「Minimal Ubuntu 18.04 LTS」に置き換わりました。以下のコマンドでDockerインスタンスを起動すれば良いです。
docker run ubuntu:18.04