LMDE 3 Cinnamon Editionへアップグレードするには
「LMDE 2 Cinnamon Edition」から「LMDE 3 Cinnamon Edition」へアップグレードする方法です。現在「LMDE 2 Cinnamon Edition」を利用しているユーザーは、「LMDE 3 Cinnamon Edition」へアップグレードすることができます。
アップグレード方法の詳細は、以下で紹介されています。
アップグレードの注意事項
アップグレードの注意事項です。1.システムのバックアップを
アップグレードの失敗に備え、事前にシステムのバックアップを作成しておきましょう。システムのバックアップ(スナップショット)は、「Timeshift」から作成可能です。
システムのバックアップを作成しておけば、後で元の状態に戻すことができます。
もし「Timeshift」がインストールされていない場合は、以下のコマンドで「Timeshift」をインストールすることができます。
apt install timeshift
Timeshiftの不具合
スナップショットからシステムを復元する際、空の「Disclaimer」ウィンドウが表示されるケースがあります。この場合は約2分ほどそのままで待ちます。
テキストが表示されたら「Next」ボタンをクリックしてシステムの復元を行ってください。
テキストが表示される前にシステムの復元を行うと、復元に失敗します。
もし復元に失敗した場合はPCを再起動後、再度システムの復元を実行してください。
Timeshiftを利用せずにアップグレードの実行を強制する場合
他の手法でバックアップを作成した場合など、「Timeshift」を利用せずにアップグレードの実行を強制する場合は、事前に以下のコマンドを実行しておきます。
sudo touch /etc/timeshift.json
2.ユーザーが作成したファイルのバックアップを
ユーザーが作成したドキュメントやファイルは、事前にバックアップしておきましょう。オンラインストレージサービスを利用してバックアップしても良いですし、DVDやUSBメモリーにバックアップするのも良いでしょう。
3./etc以下の設定ファイルはすべてデフォルトの設定に戻る
「/etc」以下に配置されている設定ファイルは、アップグレード時にすべてデフォルトの設定に戻ります。必要なら再度編集するか、バックアップから設定ファイルを元に戻すか、バックアップした設定ファイルと比較して必要な箇所をマージしてください。
4.リポジトリーのミラーをデフォルトのミラーに
最新版の「mintupgrade」を利用するために、デフォルトのミラーを使用してください。アップグレード方法
「LMDE 3」へアップグレードする方法です。1.ディスプレイマネージャーの確認
まずディスプレイマネージャーが「LightDM」になっているか確認します。「端末」を起動し、以下のコマンドを実行します。
cat /etc/X11/default-display-manager
「/usr/sbin/lightdm」と出力されれば「LightDM」になっています。
次のステップへ進んでください。
もし「/usr/sbin/mdm」と出力された場合、以下のコマンドを実行し「LightDM」のインストールと「LightDM」への切り替えを行います。
apt install lightdm lightdm-settings slick-greeter
途中でディスプレイマネージャーの選択肢が表示されるので、「LightDM」を選択してください。
その後以下のコマンドを1行づつ実行し、「MDM」を削除します。
apt remove --purge mdm mint-mdm-themes*
sudo dpkg-reconfigure lightdm
sudo dpkg-reconfigure lightdm
ここでPCを再起動してください。
ディスプレイマネージャーが「LightDM」になります。
2.アップデートの適用
「アップデートマネージャー」を起動し、「更新」ボタンをクリックします。もしアップデート内容が表示されたら、「アップデートをインストール」ボタンをクリックし、すべてのアップデートを適用してください。
PCの再起動が促されたら、PCを再起動してください。
3.端末の起動と設定
「端末」を起動し、「編集」メニューを開き「プロファイルの設定」をクリックします。設定画面が表示されるので「スクロール」タブをクリックし、「スクロールバックの限界値」のチェックをオフにします。
こうすることで出力内容が途中で削除されなくなります。
4.アップグレードツールのインストール
「端末」で以下のコマンドを実行し、「mintupgrade」をインストールします。
apt install mintupgrade
5.アップグレードの確認
実際にアップグレードを行う前に、アップグレードの確認を行います。以下のコマンドを実行します。
mintupgrade check
新たにインストールされるパッケージ、アップデートされるパッケージ、削除されるパッケージ、維持するパッケージ等の情報が出力されます。
パッケージ数が多いため、スクロールバックしてパッケージを確認しましょう。
特にエラーが出なければ、「LMDE 3」へアップグレード可能です。
6.パッケージのダウンロード
以下のコマンドを実行し、アップグレードに必要なパッケージをダウンロードします。
mintupgrade download
この時点ではパッケージのダウンロードのみが行われ、アップグレードは行われません。
アップグレードの事前準備ですね。
ダウンロードを中断した場合は
もしパッケージのダウンロードを中断した場合は、以下のコマンドを実行してリポジトリーの設定を元に戻す必要があります。
mintupgrade restore-sources
ダウンロードに失敗した場合は
ネットワークの不調など途中でパッケージのダウンロードに失敗した場合は、再度「mintupgrade download」を実行してください。7.アップグレードの実行
すべてのパッケージのダウンロードが完了したら、アップグレードを実行できます。以下のコマンドを実行し、アップグレードを実行します。
一度アップグレードを実行すると、元に戻れなくなります。
mintupgrade upgrade
後は処理の完了を待つだけです。
アップグレードが完了したらPCを再起動します。
8.LMDE 3に存在しない新しいパッケージのダウングレード
例えば「LMDE 2」では、「MATE 1.18」が採用されています。しかし「LMDE 3」では「MATE 1.16」が提供されており、「MATE 1.18」は提供されていません。
(MATEはLMDEによるメンテナンスが行われなくなり、代わりにDebianによるメンテナンスが行われます。)
このように「LMDE 3」に存在しない新しいパッケージを利用している場合は、「ソフトウェアソース」を起動し、「メンテナンス」から「Downgrade Foreign Packages」を実行してください。
それらのパッケージは、適切なバージョンにダウングレードされます。