マルチクラウド、新しいデスクトップテーマ、そして改良されたSnapの統合
先日紹介したように「Ubuntu 18.10」がリリースされました。「Ubuntu」はデスクトップだけでなく様々な分野で活用されるOSになりました。
「Ubuntu 18.10」は、マルチクラウドのデプロイメント、AIソフトウェアの開発、新しいコミュニティーデスクトップテーマ、改良されたSnapのデスクトップへの統合に焦点があてられました。
CanonicalのCEOであるMark Shuttleworth氏は、以下のコメントを出しています。
Ubuntuは今や、AIエンジニアリング及び分析分野における世界のリファレンスプラットフォームである。
開発者の生産性を向上させ、マルチクラウドと多種多様なアプリケーションを横断的に活用し、企業が迅速にそして柔軟な運用を行えるよう支援する。
今年金融サービス業界では、クラウドへの移行を促進するためCanonical及びUbuntuと連携し、効率的なオンプレミスのインフラ構築に取り組んできました。
そして機械学習の分析や、ブロックチェーン及び分散台帳アプリケーション(DL)、暗号通貨に関する金融工学は、Ubuntuへの投資やUbuntuを導入する牽引力となっています。
マルチクラウドコンピューティングに最適
「Ubuntu Server 18.10」のイメージは、すべての主要なパブリッククラウドで利用可能です。また高速な起動時間とリソースの消費が小さくコンテナーワークロードに人気の「Ubuntu Minimal」イメージも利用可能です。
プライベートクラウドでは、「Ubuntu 18.10」はAI及びNFVハードウェアアクセラレーションに最適な「OpenStack Rocky」や、ストレージのコストを抑える「Ceph Mimic」が利用可能です。
また「Ubuntu Server 18.10」は最新の「Kubernetes 1.12」を利用でき、トランスポート層の暗号化と共にクラスターの自動プロビジョニングによるより高度なセキュリティーと柔軟性を提供します。
加えてより高速なスケーリングを通じて動的なワークロードに今までよりもより柔軟に対応できます。
Snapの力強い前進
UbuntuのセキュアなLinuxアプリケーションストアでは、1,700の提供者による4,100のSnapアプリケーションが公開されています。そしてSnapは41種のディストリビューションで横断的に活用できます。
公式の提供によるSpotifyやPlexそしてSkypeは、人気のデスクトップ向けアプリであり、主要なパブリッククラウド及びサーバー向けアプリケーションでは、Google Cloud SDK、AWS CLI、Azure CLIを含むアプリケーションを利用できます。
またSnapの新しいリリースでは、ホストシステム上でアクセスするファイルを制御する仕組みを利用できます。
ゲーミングパフォーマンスの改良
アップデートされた「Mesa」及び「X.org」と共に、「Linux kernel 4.18」が採用されました。これによりゲーミングパフォーマンスの大幅な改善が期待できます。
最新のIntel Kabylake-Gで採用されているAMD VegaMがサポートされ、Raspberry Pi 3 Model B/B+、Qualcomm Snapdragon 845もサポートされています。
Ubuntu Desktop
「Ubuntu Desktop 18.10」ではGNOME 3.30を採用し、新しくコミュニティーが開発した「Yaru」をデフォルトのテーマに採用しています。また対応しているPCでは指紋認証によるアンロックが利用でき、最新のFirefoxやLibreOffice、Chromiumを提供しています。